1: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ 2015/12/27(日) 22:01:30.77 ID:CAP_USER*.net
2015-12-27_23h37_09
オシムさんへの手紙。

◆代表に選ばれた!

それは、2006年のことだった。
イビチャ・オシム監督が、サッカー日本代表を選出するそのとき。
僕、中村憲剛は、ほとんど諦めていた。
マスコミのひとたちは、選ばれるんじゃないかと思ってくれていたけれど、なかなか声はかからない。
「やっぱり、無理かな」
そう思っていた、ある日。
等々力からの帰りのクルマの中だったと思う。
チームの強化部から電話。
ふだん、強化部から連絡がくることなどほとんどない。
「決まったよ」
「え? マジっすか?」
僕は選ばれた。日本代表メンバー。
いきなり緊張が走った。
それまで、サッカーに全てを捧げてきた。
でも、若くして日の丸を背負う経験もないし、もともとJ2からのスタートだった。
「自分が選んできた道は、これでよかったのか?」
そう思うこともあった。
オシム監督に選んでもらえたことで、僕は自分を肯定することができた。
誰かに認められるということ。
それがいかに背中を押してもらえるか、身を持って知った。
チームメイトの我那覇選手が、先に代表メンバーに選ばれていたので、さっそく電話して聞いた。
「持ち物は何を持っていけばいい?」
彼はこう答えた。
「あ、下着とスパイクだけでいいよ」


◆オシムさんが怒った!

僕、中村憲剛は、小学1年生からサッカーを始めた。
毎日、練習にあけくれる。
休みの日は、試合。
考えてみれば、その生活は、今も全く変わっていない。
サッカーがすべてだった。
体が小さいので、そのハンデをどうするかを本気で考えた。
もし僕が体格に恵まれていたら、今の自分がないかもしれない。
自分がやれることを考える。
ポジショニング、トラップ、正確なパス回し、素早い動き。
豊富な運動量。
ほかのひとにできない自分だけの強みを探した。
小学5年生のときに、全日本少年サッカー大会でベスト16を経験した。
東京都の予選の準決勝。
優勝候補だった読売クラブを破った。
それは大きな勝利だった。
夢はサッカー選手。
でも、見るだけだったワールドカップにまさか自分が出られる日が来るなんて、思いもしなかった。
日本代表に選ばれて、初めてオシム監督にあったとき、その体の大きさに圧倒され、
同時に、今まで味わったことのないくらいに身が引き締まる思いがした。

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