1: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ 2015/10/26(月) 20:27:08.59 ID:???*.net
感じたのは無力感に近いものだった。

カンプノウで1-3で敗れたバルサ戦の直後、乾貴士は開口一番こう話している。
「悔しかったですし、何もできなかった。自分の力のなさをあらためて実感しました。
自分の今のレベルが分かったというか……」

 試合は予想外の展開でスタートした。カンプノウで、格下エイバルがバルサ相手に先制したのだ。
乾からボルハを経由してベルディへ。ベルディの前方への果敢なパスを、ケコがマスチェラーノと競り合いながら足先であわせた。GKブラーボがはじいたボールをボルハが押し込む。5試合連続6点目、エースの得点に、9万を飲み込む巨大空間に居合わせた数十人のエイバルサポーターが沸いた。

 「得点を取るとしたら、ああいう形しかないと思っていました」と乾。チームとして狙っていたとおりの、ボール奪取後に極力時間をかけない、縦に速い攻撃だった。

先制されても慌てない、バルサの「別格」。
しかしその後エイバルは数度チャンスこそ作ったものの、決められず。バルサはそれ以上に決定機を作り続け、ウルグアイ人がその内の3回でネットを揺らした。
「先制したのは僕たちにとってはラッキーだった。でもバルサにとっては何の問題もなかったんだなと」
先制されたにもかかわらず、慌てることなくパスをつなぎ、崩してくるバルサには、ある種の余裕さえあった。初めてカンプノウのピッチに立った乾貴士の目に映ったのは、次元が違うバルサの姿だった。
乾は子供の頃からバルサが大好きだった。いつかカンプノウでバルサとサッカーをしたい、
そんな思いももっていた。しかし憧れのピッチに立ったという感慨は、直後に体感するバルサの凄みに
あっさりとかき消された。
 「もちろん入った時はすごい雰囲気でしたし、このピッチですごい試合が今まで何度も行われてきたんだなとは思いましたけど、それ以上にバルサの強さ、凄さが上回って……。本当にいいサッカーをするなあと思ってました」

乾「アウベスはボールを取れる気がしなかった」

ネイマールからスアレスへ。
エイバルが最も警戒していた形から2点を奪われ、勝負は決まった。
このふたりに象徴される圧倒的な個の力は、組織力に関しては一定の評価を得ているエイバルにはないものだ。
「ネイマールがひとりで打開したり、スアレスがああやってゴール前でひとりで打開できる。スアレスは得点感覚というか、ゴール前での落ち着きは本当にすごかった。スアレス、ネイマール、ラキティッチ、ブスケッツもそう」

メンディリバル監督に求められていたのは、対面の右SBダニエウ・アウベスと、前方の右CBピケへの守備だ。しかしマッチアップの相手アウベスは距離を詰めても少しも慌てずに、冷静沈着なプレーでさらりとかわしていく。
味方とのワンツーで縦のスペースへ。ふわりと頭の上を抜いたシーンもあった。
「ダニ・アウベスはボールを取れる気がしなかった。あれだけ右サイドバックでキープできれば強いですよね」と、乾は感心するかのように言う。
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バルサが、目指すべきところを示してくれた。
しかしこれら攻撃面におけるバルサの凄みは、ある程度分かっていたことでもある。バルサの試合は毎試合かかさずチェックしている。むしろこの試合で乾が実感したのは、ネイマールやスアレスの個人技だけではない、バルサの組織としての守備力、チームとしての完成度にあった。

「ひとりで打開できることに加えて、チームとしてもしっかり機能している。ボールを取られた後の切り替えが本当に早くて、誰もさぼる選手がいない。あれだけ上手い選手が、あれだけ守備をがんばれば、そりゃ強いですよね。誰もが上手いというか、誰もがボールを持てて、しっかり繋げて。ああいうサッカーができれば、日本もあれを目指せば、強くなっていくと思う。まあ、なかなかできないですけど……。目指すのはああいうところなのかなと思います」

 エイバルは勝ち点を得ることはできなかった。乾も、得点やアシストという結果を出すことはなかった。
しかしこの試合から感じたこと、それはひとつの財産となって、体の中にしっかりと刻み込まれたはずだ。

 「誰も下は向いてないし、次のホームで、しっかり、連敗だけはしないように」

 バルサが示した、目指すべきところ。それを指標に、乾は再びスペインの地を走ろうとしている。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151026-00824412-number-socc&p=2

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