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1: 2018/06/30(土) 07:58:09.15 ID:CAP_USER9
●“忖度メディア”の本領発揮!?

サッカーW杯の日本代表は、決勝トーナメント進出をかけたポーランド戦に敗れたにもかかわらず、1次リーグを突破した。これは事実だ。試合内容を巡って賛否両論が沸き起こったのも本当のことだ。

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 そんな試合結果をどう報じるか、こんな時こそ、スポーツメディアの手腕が問われる局目に違いない。

 筋金入りのサッカーファンほど実践しているが、「賛」も「否」も、感情的な議論は少ない。双方とも冷静に主張を戦わせている。

「勝てば官軍」は真理だ。だが、その一方で、セルジオ越後氏の「世界に対して恥をさらした」、「子どもたちにも『いい試合だった』とは言えない」(サッカーキング/6月29日)という指摘にも頷いてしまう――。

 本音を言えば、サッカーファンは、こんな矛盾した気持ちを抱いている。そんな試合結果を、日本のスポーツメディアは、どう報道したのだろうか。

 少なくとも「辛勝」に類する表現が出てこないとおかしいはずだが、スポーツ紙も一般紙も、多くはひたすら勝利を喜び、日本サッカー界に媚びるだけで終わった。

 論より証拠、各紙の見出しを見ていただく。特に註釈のない限りは、全て6月29日の朝刊1面、最終版から引用した。その結果、スポーツ紙で最も恥知らずな紙面になったのは東京中日スポーツだ。

●スポーツ紙より“ヨイショ”の一般紙

「西野マジック負けても2位 日本突破 史上初フェアプレーポイント決着 セネガルも敗れイエロー2枚差」

 名将の采配を「マジック」と形容することが許されるのは、自分たちの努力で奇跡を起こした時だけだ。同時刻にセネガルと戦っていたコロンビアの勝利頼みという他力本願な戦略に「マジック」という言葉を当てはめるのは、誤用と断じられても仕方がない。

 スポーツ紙は後でじっくりと検討することにして、先に一般紙を片付けよう。我々のような素人は「スポーツ紙のような専門紙ではないからこそ、距離を置き、冷静な報道ができそうだ」という印象を持つ。だが“現実は真逆”という社も少なくなかった。

 結果からお伝えすると、朝日、毎日、そして産経が、恥ずかしいほど“ヨイショ”な1面となった。逆に読売と東京が比較的、節度をもって報じた。政治面での主張で区分する時とは異なる面子になったのが面白い。

【朝日新聞】
「日本 決勝T進出 ポーランドに敗れ2位 逆風を力に みせた成長」

【毎日新聞】
「日本16強 2退会ぶり1次突破 『犠牲心』実結ぶ ポーランドに0-1の敗戦」

【産経新聞】
「日本決勝T進出 ブーイングの中 戦術で勝ち取る 2大会ぶり3度目 ポーランドに敗れ 反則数の差で突破」

 3紙のなかでは特に毎日新聞が恥ずかしい。終盤の無残な“ボール回し”を、記者も現地で直視したはずだ。にもかかわらず、「犠牲心」などという脳天気な言葉が1面を飾る。理解に苦しむと言わざるを得ない

ディリー新潮 6/30(土) 7:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180630-00544684-shincho-soci 
2面で急に批判的になったスポーツ紙も

 上の3紙の体たらくを噛みしめながら、比較的冷静だった2紙をご覧いただきたい。

【読売新聞】
「日本決勝T進出 ポーランドに0-1 『警告差』セネガル上回る 『負けて突破』終盤攻めず」

【東京新聞】
「日本薄氷 決勝T 警告・退場『フェアプレーポイント』上回る ポーランドに0-1 勝ち点・得失点差 セネガルと並ぶ」

 読売新聞も微温的なベクトルを感じるものの、最後の最後で「終盤攻めず」と見出しに打った。ここで意地を示した格好だ。

 最も正確な見出しだったのは、一般紙なら東京新聞だろう。「薄氷」という言葉を使ったことが報道姿勢の正しさを雄弁に物語る。その一方で、同じ系列紙の東京中日スポーツが酷い見出しだったのは、前に見てもらった通りだ。

 ではスポーツ紙に戻ろう。「姑息」と評したくなるのが日刊スポーツ。1面は必死にニュートラルを装っているのだが、そこからして小ずるい印象だ。

「西野日本 決勝T 負けても突破 貯金効いた 6人入れ替え不発 それでも2大会ぶり3度目」

 2面と3面で詳報するとなると、急に批判的になる。「総入れ替え攻撃陣不発」(2面)、「初主将 川島失点」(3面)――という具合だ。

賛否両論を意識した紙面なのかもしれないが、どうしても「アリバイ」という言葉が浮かんでしまう。賛にしても否にしても、腰が据わっていない。軽薄なのだ。

 逆もある。1面でニュートラルを装いながら、2面と3面で“ヨイショ”を加速させたのはスポーツニッポン(以下、スポニチ)だ。

頑張ったサンスポと報知

 スポニチの1面から見ていただこう。

「西野JAPAN 2大会ぶり16強 W杯初!!  イエロー2枚の差 ポーランドに0-1初黒星も 負けていても時間稼ぎにブーイング『本意ではないが 勝ち上がる上での戦略』」

 最後の部分、「負けても時間稼ぎ~戦略』」は、いかにも言い訳っぽい。それも含めて煮え切らない印象の1面だが、2・3面は臆面もなく日本代表を礼賛する。

「決勝Tへ “逃げ切り”作戦成功 西野監督続投へ 攻撃陣不調…敗北覚悟で『警告の差&1失点』を守った」(2面)

「救った神様仏様川島様!!  汚名返上セーブ ミス連発2試合酷評から一転!!  世界がゴメンナサイ? 『ここまでチームに迷惑をかけてきたので、今日は自分が救う番だと思った』」(3面)

 確かにスポーツ新聞で、あまり批評的な見出しは好まれないのかもしれない。しかし、サンケイスポーツ(以下、サンスポ)とスポーツ報知は必死に頑張った。その努力は評価されるべきだろう。

「日本 2大会ぶり16強 イエローカードの差で救われた!!  ポーランドに0-1もH組2位 セネガルと得失点差、総得点まで同じ」(サンスポ)

「日本決勝T!!  超ラッキー!!  コロンビアありがとう 負けたけどFP(フェアプレーポイント)差 セネガルと勝ち点、得失点、総得点並ぶもイエロー枚数少ない!!」(スポーツ報知)
●困ったときの“海外”頼み

 東京新聞の「薄氷」に比する表現を行ったのは、特にスポーツ報知だ。見出しにある「超ラッキー」は、紛れもない事実だと言っていい。

 もしコロンビアと戦っていたセネガルが同点に追いついていれば、西野采配は画餅に帰した。決勝リーグに進出したから賛否両論で終わっているが、予選で敗退していたら世界中から嘲笑されただろう。そして「コロンビアありがとう」も日本人の多くが頷く表現に違いない。

 こういう時、特に一般紙は、安易な方法でバランスを取ることがある。海外の批判的な報道を引用し、“我田引水”を目論むのだ。今回の報道では朝日新聞の「『あぜん』『ギリギリの判断』日本の戦いぶりに各国」(6月29日電子版)が代表例の1つだろう。

《北アイルランド代表のマイケル・オニール監督は英BBCの番組で「指導者として、別の試合で何が起きるかに運命をそっくり預けるとはあぜんとする。日本が好きになっていたのに、正直、次戦ではボコボコにされてほしいと思う」と突き放した》

 繰り返すが、賛否両論があって当然だ。オニール監督の指摘が、唯一無二の正論であるはずはない。ただ、日本の新聞に、こうした否定的な言及が非常に少ないのは、やはりバランスを欠いている。西野ジャパンに“忖度”した紙面構成だと言われても仕方あるまい。

週刊新潮WEB取材班

2018年6月30日 掲載

引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1530313089

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