中田英寿が送った“2つの助言”。武藤嘉紀の思考に変化は起きたか。
1:YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2017/02/10(金) 17:10:27.55 ID:CAP_USER9.net
ロンドンの中心地に建つ、とあるオフィス。そこは多くの有名選手が所属するエージェント事務所である。
室内には現役、引退した選手を問わず、誰もが知るプレーヤーのシャツが額に入れて飾られている。これまで成功した移籍劇は数知れず。ビッグディールの歴史が、彼らの名誉と信用を高めている。
その事務所で、プレミアをはじめ各国リーグで活躍中の選手を担当するイギリス人代理人から、ある選手の名が飛び出した。
「ムトウはケガから復帰したようですね。彼はチェルシーがオファーを出した選手なので名前は知られています。将来的にはプレミアリーグでプレーしたいと話していると聞きました。我々が今後彼と仕事ができる可能性があるかどうかは別にして(笑)、これから注目の選手でしょう」
ケガの怖さは徐々になくなってきている。
1月下旬、ウインターブレイクが明けたブンデスリーガ。武藤嘉紀は現在リーグ再開初戦から3試合連続で先発出場を果たしている。1月29日に行われたドルトムント戦では左足を振り抜きゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で得点は幻となるなど、今年に入ってノーゴールが続いている。
「状態自体はすごく良い。ケガの怖さも徐々になくなって、体もどんどん動けてきている」
記者陣の囲み取材でも、前を向いて気丈に話す姿が帰ってきた。2016年は合計3度の右ひざの負傷に見舞われ、満足にピッチに立つことすらできなかった。今季開幕前には「サッカー人生を懸けた1年になる」と話したが、気合と覚悟とは裏腹の状態に直面し、心が折れそうになった。だから今、こうして明るい表情でピッチに戻ってきたことだけでも、好材料に映る。
ただ、本当の意味で自信を回復するには至ってはいなかった。
コルドバとの連携はイメージできていたが……。
ある試合後、武藤は家族を連れてマインツ市内の馴染みのレストランに向かった。苦しい時も隣で支え続けてくれた妻、そして昨年生まれた愛娘を前に、戦いを終えた男の表情は一人の優しい青年に戻っていた。
食欲は旺盛、目の前の料理をどんどん口に運んでいく。食事が一段落し、自ずとサッカーの話を口にし始めた。
「ジョン(コルドバ)は中断明けの2試合は出場停止だから、自分にとって今がチャンス。でもジョンが戻ってきても、できれば2トップを組んでプレーしたい。高さのあるジョンの周りを自分が動く。FC東京時代にエドゥ(元シャルケ)と組んでいたようなイメージでできると思う」
武藤が長期離脱していた間、コルドバはマインツの前線を支えていた。大柄で長身のセンターフォワードと、体の強さを武器にしつつもスピード突破を駆使する自分は良いコンビになれる。体が動けるようになってきたからこそ、どんどんとプレーイメージが湧いている。
元バルサのボージャンという新たな競争相手が。
しかし、ある選手の名前を出した時に、武藤は一瞬難しい表情を浮かべた。
「マリ(10番をつけていたトップ下タイプ)がヴォルフスブルクに移籍したけど、同じタイミングでボージャンが入ってきた。やっぱりそう簡単にはポジションは掴めないということかな……」
ボージャン・クルキッチ。サッカーファンなら聞き覚えのある名前だろうが、バルセロナ出身のテクニシャンで、かつてはメッシとともにプレーしたアタッカーである。その後、ローマにミラン、アヤックス、ストークと各国のクラブを渡り歩き、キャリア5カ国目となるドイツにやってきたのだった。
このオフに中田英寿と初対面して受けたアドバイス。
もちろん武藤は今でも、ある自信を胸にしている。
「コンディションが万全であれば、ドイツで活躍することができる」
ただ、どれだけ決意を固めても、その度にケガに直面することで、自分で自分を裏切り続けてしまった過去がある。
前面に押し出したい自信は、今は心底に沈めておくことしかできない。他の選手が気になってしまう、それが武藤の偽りなき心理状態である。約1年にもわたる辛苦の末、今はどうしても慎重にならざるを得ないのだった。
このオフ、武藤はある一人の人物と対面していた。中田英寿である。
共通の知人を介した初顔合わせ。「オーラがすごかったし、刺激的だった」と、その時のことを振り返る。
室内には現役、引退した選手を問わず、誰もが知るプレーヤーのシャツが額に入れて飾られている。これまで成功した移籍劇は数知れず。ビッグディールの歴史が、彼らの名誉と信用を高めている。
その事務所で、プレミアをはじめ各国リーグで活躍中の選手を担当するイギリス人代理人から、ある選手の名が飛び出した。
「ムトウはケガから復帰したようですね。彼はチェルシーがオファーを出した選手なので名前は知られています。将来的にはプレミアリーグでプレーしたいと話していると聞きました。我々が今後彼と仕事ができる可能性があるかどうかは別にして(笑)、これから注目の選手でしょう」
ケガの怖さは徐々になくなってきている。
1月下旬、ウインターブレイクが明けたブンデスリーガ。武藤嘉紀は現在リーグ再開初戦から3試合連続で先発出場を果たしている。1月29日に行われたドルトムント戦では左足を振り抜きゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で得点は幻となるなど、今年に入ってノーゴールが続いている。
「状態自体はすごく良い。ケガの怖さも徐々になくなって、体もどんどん動けてきている」
記者陣の囲み取材でも、前を向いて気丈に話す姿が帰ってきた。2016年は合計3度の右ひざの負傷に見舞われ、満足にピッチに立つことすらできなかった。今季開幕前には「サッカー人生を懸けた1年になる」と話したが、気合と覚悟とは裏腹の状態に直面し、心が折れそうになった。だから今、こうして明るい表情でピッチに戻ってきたことだけでも、好材料に映る。
ただ、本当の意味で自信を回復するには至ってはいなかった。
コルドバとの連携はイメージできていたが……。
ある試合後、武藤は家族を連れてマインツ市内の馴染みのレストランに向かった。苦しい時も隣で支え続けてくれた妻、そして昨年生まれた愛娘を前に、戦いを終えた男の表情は一人の優しい青年に戻っていた。
食欲は旺盛、目の前の料理をどんどん口に運んでいく。食事が一段落し、自ずとサッカーの話を口にし始めた。
「ジョン(コルドバ)は中断明けの2試合は出場停止だから、自分にとって今がチャンス。でもジョンが戻ってきても、できれば2トップを組んでプレーしたい。高さのあるジョンの周りを自分が動く。FC東京時代にエドゥ(元シャルケ)と組んでいたようなイメージでできると思う」
武藤が長期離脱していた間、コルドバはマインツの前線を支えていた。大柄で長身のセンターフォワードと、体の強さを武器にしつつもスピード突破を駆使する自分は良いコンビになれる。体が動けるようになってきたからこそ、どんどんとプレーイメージが湧いている。
元バルサのボージャンという新たな競争相手が。
しかし、ある選手の名前を出した時に、武藤は一瞬難しい表情を浮かべた。
「マリ(10番をつけていたトップ下タイプ)がヴォルフスブルクに移籍したけど、同じタイミングでボージャンが入ってきた。やっぱりそう簡単にはポジションは掴めないということかな……」
ボージャン・クルキッチ。サッカーファンなら聞き覚えのある名前だろうが、バルセロナ出身のテクニシャンで、かつてはメッシとともにプレーしたアタッカーである。その後、ローマにミラン、アヤックス、ストークと各国のクラブを渡り歩き、キャリア5カ国目となるドイツにやってきたのだった。
このオフに中田英寿と初対面して受けたアドバイス。
もちろん武藤は今でも、ある自信を胸にしている。
「コンディションが万全であれば、ドイツで活躍することができる」
ただ、どれだけ決意を固めても、その度にケガに直面することで、自分で自分を裏切り続けてしまった過去がある。
前面に押し出したい自信は、今は心底に沈めておくことしかできない。他の選手が気になってしまう、それが武藤の偽りなき心理状態である。約1年にもわたる辛苦の末、今はどうしても慎重にならざるを得ないのだった。
このオフ、武藤はある一人の人物と対面していた。中田英寿である。
共通の知人を介した初顔合わせ。「オーラがすごかったし、刺激的だった」と、その時のことを振り返る。