スペイン人「ムウって何者だ!? コイツは間違いなくヨーロッパでやれるだろ」
1:イコ ★@\(^o^)/:2016/12/19(月) 16:12:09.87 ID:CAP_USER9.net
クラブ・ワールドカップでJ王者の力を存分に見せ付けた鹿島アントラーズ。現地での生の声で、彼らの奮闘ぶりを振り返る。
大金星には、あと一歩届かなかった。しかし、石井正忠監督が前日会見で「アジア(のサッカーレベル)は南米とヨーロッパに引けをとらないと証明したい」と語ったように、欧州王者を苦しめた一戦で鹿島アントラーズはサッカー界に少なくない衝撃を与えた。
マドリディスタ(マドリーファン)の知人から、次々とSNSアプリの『ワッツアップ』を通じてメッセージが届く。
「オイ、この鹿島ってチーム、一体どうなってんだ?」
カリム・ベンゼマの得点で開始早々の9分に失点した鹿島だが、柴崎岳のボレーシュートで前半のうちに追い付くことに成功した。後半、本気のレアルが牙を?く。誰もがそう思っていたはずだ。しかし、後半に入ってスコアを動かしたのは鹿島だった。52分、柴崎がミドルシュートを沈めた。スペイン人のボルテージも上がる。特にDFセルヒオ・ラモスをあわや退場に追い込みかけた金崎夢生はスペイン人の度肝を抜いた。
「ムウ(夢生)ってのは何者だ? コイツは間違いなくヨーロッパでやれるだろ」
その知人には、金崎が過去にドイツやポルトガルのリーグでプレーしていたことを伝えた。すると、彼はインターネットで金崎を含む鹿島の選手のキャリアを調べ上げ、ファブリシオが金崎同様ポルティモネンセに所属していたことまで突き止め、再びこちらに連絡を寄越してきた。鹿島に、日本に、日本人プレーヤーに興味を持った外国人が少なくないことを証明できる事例ではないだろうか。
ある者は「鹿島の選手は絶対に諦めない。1つ1つのボールに対して、なぜあれほど食らいつけるんだ?」と不屈の精神に脱帽し、またある者は「日本のチームの規律は素晴らしい」とスペイン人とは異なるメンタリティーに舌を巻いた。鹿島がここまでやるとは……。想像を超えた世界がそこにはあった。
最終的には疲労がたたり、延長に入ったところでクリスティアーノ・ロナウドに2ゴールを許して鹿島は力尽きた。だがレアル・マドリーは鹿島のインテンシティーの高さに間違いなく手を焼いていた。試合後のインタビューでは、カゼミーロに真っ先に鹿島のインテンシティーの高さに質問がおよんでいる。「決勝に進んできたチームであることを示した」と話したブラジル人MFの顔には、優勝を果たせた安堵の表情が広がっていた。
スペインで最も有名な日本人サッカー選手は、おそらく『キャプテン翼』の主人公である大空翼だろう。しかし、この試合では柴崎を大空翼になぞらえたコラージュ画像がネット上で普及し、真の意味で『キャプテン翼』と鹿島がリンクさせられ、その実力が認められた。「彼らは少なくとも引き分けに値した」。トーナメント戦であるクラブ・ワールドカップに引き分けはないと知りながら、あるスペイン人からはそう声を掛けられた。
ネットを騒がせたコラージュ画像で言えば、スターティングメンバーを11人全員日本人で組んだ鹿島は、スペインの伝統的なあるクラブに例えられている。それはアスレティック・ビルバオ。知る人ぞ知る、バスクに拠点を置く純血主義を貫くクラブだ。彼らはバスク出身の選手だけでチームを構成し、レアル・マドリーやバルセロナと幾度も名勝負を演じてきた。これはスペイン人からの最大級の賛辞である。
それとは対照的に、鹿島側のリアクションは鈍かった。柴崎は「勝てなかったので悔しいですし、勝てるチャンスはあった」と唇を噛み締め、石井監督は「こういった(ハイレベルな)試合を続けないと世界との差は埋まらない。レアルには近づけない」と選手たちに発破をかけた。現場で戦っていた監督・選手には、善戦したから、では終われない燻るものが心に残っていた。
鹿島がレアル戦で全世界にインパクトを与えたのは事実だろう。彼らの健闘は我々日本人に勇気を植え付け、誇りを感じさせてくれるものだった。しかし「惜しかった」で終わらせてはいけない。スペイン人が敗戦に怒り狂うまでの、“あと一歩”を埋めに行く必要がある。
決して簡単に埋められる一歩ではない。しかし「2位も最下位も一緒」(小笠原満男)という勝者のメンタリティを持つ鹿島であれば、その一歩を、世界への一歩を、踏み出すことができるかもしれない。少なくとも彼らはクラブ・ワールドカップの決勝で戦うという経験を得た。準優勝という結果を得た。次に目指していくものは、ただ一つしかないのだから。
文=森田泰史(スペイン在住フリーライター)
http://www.goal.com/jp/news/73/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3/2016/12/19/30645492/1
大金星には、あと一歩届かなかった。しかし、石井正忠監督が前日会見で「アジア(のサッカーレベル)は南米とヨーロッパに引けをとらないと証明したい」と語ったように、欧州王者を苦しめた一戦で鹿島アントラーズはサッカー界に少なくない衝撃を与えた。
マドリディスタ(マドリーファン)の知人から、次々とSNSアプリの『ワッツアップ』を通じてメッセージが届く。
「オイ、この鹿島ってチーム、一体どうなってんだ?」
カリム・ベンゼマの得点で開始早々の9分に失点した鹿島だが、柴崎岳のボレーシュートで前半のうちに追い付くことに成功した。後半、本気のレアルが牙を?く。誰もがそう思っていたはずだ。しかし、後半に入ってスコアを動かしたのは鹿島だった。52分、柴崎がミドルシュートを沈めた。スペイン人のボルテージも上がる。特にDFセルヒオ・ラモスをあわや退場に追い込みかけた金崎夢生はスペイン人の度肝を抜いた。
「ムウ(夢生)ってのは何者だ? コイツは間違いなくヨーロッパでやれるだろ」
その知人には、金崎が過去にドイツやポルトガルのリーグでプレーしていたことを伝えた。すると、彼はインターネットで金崎を含む鹿島の選手のキャリアを調べ上げ、ファブリシオが金崎同様ポルティモネンセに所属していたことまで突き止め、再びこちらに連絡を寄越してきた。鹿島に、日本に、日本人プレーヤーに興味を持った外国人が少なくないことを証明できる事例ではないだろうか。
ある者は「鹿島の選手は絶対に諦めない。1つ1つのボールに対して、なぜあれほど食らいつけるんだ?」と不屈の精神に脱帽し、またある者は「日本のチームの規律は素晴らしい」とスペイン人とは異なるメンタリティーに舌を巻いた。鹿島がここまでやるとは……。想像を超えた世界がそこにはあった。
最終的には疲労がたたり、延長に入ったところでクリスティアーノ・ロナウドに2ゴールを許して鹿島は力尽きた。だがレアル・マドリーは鹿島のインテンシティーの高さに間違いなく手を焼いていた。試合後のインタビューでは、カゼミーロに真っ先に鹿島のインテンシティーの高さに質問がおよんでいる。「決勝に進んできたチームであることを示した」と話したブラジル人MFの顔には、優勝を果たせた安堵の表情が広がっていた。
スペインで最も有名な日本人サッカー選手は、おそらく『キャプテン翼』の主人公である大空翼だろう。しかし、この試合では柴崎を大空翼になぞらえたコラージュ画像がネット上で普及し、真の意味で『キャプテン翼』と鹿島がリンクさせられ、その実力が認められた。「彼らは少なくとも引き分けに値した」。トーナメント戦であるクラブ・ワールドカップに引き分けはないと知りながら、あるスペイン人からはそう声を掛けられた。
ネットを騒がせたコラージュ画像で言えば、スターティングメンバーを11人全員日本人で組んだ鹿島は、スペインの伝統的なあるクラブに例えられている。それはアスレティック・ビルバオ。知る人ぞ知る、バスクに拠点を置く純血主義を貫くクラブだ。彼らはバスク出身の選手だけでチームを構成し、レアル・マドリーやバルセロナと幾度も名勝負を演じてきた。これはスペイン人からの最大級の賛辞である。
それとは対照的に、鹿島側のリアクションは鈍かった。柴崎は「勝てなかったので悔しいですし、勝てるチャンスはあった」と唇を噛み締め、石井監督は「こういった(ハイレベルな)試合を続けないと世界との差は埋まらない。レアルには近づけない」と選手たちに発破をかけた。現場で戦っていた監督・選手には、善戦したから、では終われない燻るものが心に残っていた。
鹿島がレアル戦で全世界にインパクトを与えたのは事実だろう。彼らの健闘は我々日本人に勇気を植え付け、誇りを感じさせてくれるものだった。しかし「惜しかった」で終わらせてはいけない。スペイン人が敗戦に怒り狂うまでの、“あと一歩”を埋めに行く必要がある。
決して簡単に埋められる一歩ではない。しかし「2位も最下位も一緒」(小笠原満男)という勝者のメンタリティを持つ鹿島であれば、その一歩を、世界への一歩を、踏み出すことができるかもしれない。少なくとも彼らはクラブ・ワールドカップの決勝で戦うという経験を得た。準優勝という結果を得た。次に目指していくものは、ただ一つしかないのだから。
文=森田泰史(スペイン在住フリーライター)
http://www.goal.com/jp/news/73/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3/2016/12/19/30645492/1