1: Egg ★@無断転載は禁止 ©2ch.net 2016/11/17(木) 07:39:42.54 ID:CAP_USER9
ジェフユナイテッド千葉は2010年から7年間をJ2で過ごしています。今年も昇格できないので8年目もJ2です。降格した当初、こんなに長くJ2にいることになるとは誰も思っていなかったでしょう。

J2は当然J1より低レベルです。なので、J1から降格したチームは、J2なら勝てると考えてしまいがちなのですが、自分たちがJ1のレベルにないから降格したという事実を忘れています

自分たちがどれだけ弱くなっているか、その分析を間違えないこと。これがまず大事です。しかし、これが非常に難しい。 

降格したクラブを病気の患者だとします。医者は患者を診察して処方箋を出します。患者は1日で治してほしいと思っていても、医者が診れば1年かかる病気かもしれません。で、それを1日で治そうとした場合、どうなるでしょうか。

降格1年目に指揮を執っていたのは江尻篤彦監督でした。昇格はもちろん、その後もJ1で通用するチームを作ろうとしました。パスワークとプレッシングで相手を圧倒するスタイルを目指しています。パスワークはJ1でも通用するレベルだったと思います。ところがプレッシングのほうが空回りでした。攻撃しているわりには点をとれずカウンターでやられるため、アウェーでなかなか勝てなかった。最終的には4位、少し背伸びしすぎたのでしょう。ただ、処方箋はそう悪いものではありませんでした。1年で昇格できると考えたのが甘かっただけです。問題はその後です。 

その後はプレースタイルも監督もほぼ1年ごとに変わります。その年に昇格することだけを考えたからです。開幕前、クラブは毎年「昇格」をサポーターに約束しましたが、7回連続で果たせていません。処方箋が間違っているので病状はかえって悪化したのです。 

なぜ間違え続けたのか。答えは簡単で、社長がプロでないからです。

Jリーグの社長の多くはスポンサー企業から派遣されています。ジェフ千葉の場合、近年はJR東日本の社員が社長を務めてきました。彼らにサッカークラブを経営した経験はありません。サッカーに関心があったかどうかさえ定かでない。サッカー界の人脈もありません。つまり、サッカークラブ経営者としての資質を欠いた人が社長を務めているわけです。おそらく多くのクラブも似たような状況でしょう。

企業の経営者、管理者としてはプロかもしれませんが、サッカーとその現場を知らなければ、金銭と職員の管理以外にはとくに何も出来ません。クラブの将来像も描けなければ、そのためのロードマップも作れない。優秀なGMがいれば上手くいきます。編成やビジョンについてはGMの意見を聞けばいい。しかし、もしGMに恵まれなければ当然上手くいきませんし、代わりの人材を探すにも人脈がない。そもそもサッカーを知らないので、誰の意見が正しいのか判断できないでしょう。

クラブがいったん迷走を始めたとき、現場(選手と監督)の前輪駆動で軌道修正することも不可能ではありませんが、迷走に迷走を重ねる可能性のほうが大きい。

専門的な医学の知識があるから医者は患者に回復の方法を明示できる。ところが、Jリーグでは専門的な知識をほとんど持たない人物が処方箋を出すわけですから、たいがい治るものも治りません。降格したということは、それなりに問題があるわけです。まず、それを直視することが重要です。社長が大した根拠もなしに「絶対に1年で昇格」などと言い出したら要注意。患者が1日で治りたいと言うので1年かかる治療を1日で大丈夫だと言う医者はいませんよね。

ただ、矛盾したことを言いますが、上がるなら1年目です。それ以後は、まず処方箋を間違えるのでどんどん悪化する可能性が高いからです。問題を抱えていても、降格当初はまだ基礎体力があるので昇格するには最大のチャンスです。まあ、その後は知りませんけど。

文=西部謙司(サッカー記者)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161116-00000004-goal-socc

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