1:YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2016/11/11(金) 16:31:31.24 ID:CAP_USER9.net
ヘーレンフェーン・小林祐希インタビュー@後編

19歳で東京ヴェルディの最年少キャプテンとなり、ジュビロ磐田移籍後は司令塔としてJ1昇格に貢献。そして24歳でオランダへと渡り、ヘーレンフェーンと3年契約を結んだ。見据える先の未来に、小林祐希はどんな絵を描こうとしているのか――。

―― 小林祐希選手は以前、「ヘーレンフェーンのいいところしか見つからない。悪いところが見つからない」と言っていました。

小林祐希(以下:小林) 日本は短所を消して成長させる文化。でも、俺はいいところを伸ばしていきたいタイプだから、チームメイトのいいところを見て、「お前のこういうところがいいんだ。だから、俺も助かっているんだよね!」って伝えてあげる。それだけで、若い選手がどれだけ自信を持つことか。

 ユネス(・ナミル/22歳MF)は試合に出てないけれど、俺は彼のプレースタイルが大好き。彼はエジル(アーセナル)みたいになれる素質があるけど、実戦でそれを出し切れていない。たぶん、メンタルの問題ですよね。

だから俺はユネスに、「もっとボールに触りまくって、試合に関わり続けろ。なぜなら、お前はいい技術といいビジョンを持っているから。それを出せ。困ったことがあったら俺に言え」ってアドバイスしました。若い選手にはこういう声がけをして、どんどん自信を持たせる。彼らは、調子に乗ったら止まんないよ。だから、俺は乗せることだけを考えています。

―― ヘーレンフェーンではボランチです。トップ下へのこだわりは?

小林 「ポジションへの葛藤」とまではいかないけれど、今でも俺はトップ下をやりたいという気持ちがあります。ボランチとして成長していて、ヘーレンフェーンに必要な選手になっているなか、今は、「前の選手が何をすればいいか」というのをわかってきている。この状態でトップ下をやったら、以前よりうまくなっていると思いますよ。

俺が代表に呼ばれて、「トップ下をやれ」と言われれば、すんなりできると思います。ヘーレンフェーンで経験していることがすごく役立つと思うんです。危機管理、ポジションチェンジ、出ていくタイミング……。シュートも毎試合1本は打っているから、これを2本、3本と増やしていきたい。

―― 今の活躍を考えれば、2013年、小林選手がJリーグでたった1試合の出場に終わったのは不思議です。なぜでしょうか?

小林 メンタルが子どもでしたよね。2012年にヴェルディから移籍して、2013年はまったく試合に出られなくなった。そんなに昔の話じゃない。俺がシーズンを通して試合に出たのは、2014年と2015年だけですから。

―― 日本にいる知り合いに聞いたところ、「あのころの小林は、やさぐれていた」と。

小林 そうね……。俺のターニングポイントは、ふたつあります。2013年、関さん(関塚隆)がジュビロの監督になったので、「監督が代わったからがんばろう」ってなるじゃないですか。すると6月の半ば、監督と選手の個人面談があったから、俺も自分の意見を伝えようと監督室に行きました。

「祐希、お前どうだ?」
「俺、調子いいですよ」
「でも俺、お前を使う気ないから」
(えっ?)
「俺以外のコーチングスタッフ、メディカルスタッフ、チームメイト、サポーターを認めさせて、『小林祐希が必要だ』という声が挙がったら、俺は使う。それまで、俺はお前を使う気はない」

そう言われて俺は、「ちぇっ。なんだ、コイツ。ふざけるなよ」となりました。だけどこの時期、エジルがレアル・マドリードからアーセナルに移籍したデビューマッチを見て、「これだっ!」って思ったんです。俺、そこから変わったんですよ。

―― 「これ」とは、なんですか?

小林 エジルは攻撃で上がってきたチームメイトをいいタイミングで使い、動き直してボールを受けて、いいタイミングでまたチームメイトを使っていた。彼がやっていたのは、「自分」じゃない。自分がいいプレーをするんじゃなく、周りを生かすのが自分にとっての「いいプレー」だった。

それまでの俺は、「自分で決めたい」「自分でアシストしたい」「自分がカッコいいプレーをしたい」と思ってやってきたから、それを変えようと思いました。だけど、味方をいいタイミングで使うには、チームメイトがうまく動いてくれないとダメ。それまで、自分のしゃべり方は生意気で、先輩たちに対しても、「ちっ、なんだよ」みたいな……。それを。「(下手に出る姿勢を見せながら)もうちょい、あそこへ行けますか?」とか、少しずつ自分を変え始めました。それが、2013年の夏のことです。
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