1: 2016/11/09(水) 18:14:29.12 ID:CAP_USER9
漂流するハリルジャパン。サウジを圧倒するイメージがわいてこない
【ヤバイぞ、アジア最終予選3~杉山茂樹×浅田真樹(前編)】

浅田 10月のイラク戦の前、僕は今回の最終予選は結局、日本、オーストラリア、UAEの三つ巴の争いになって、サウジアラビアはちょっと落ちるんじゃないかと思っていました。
サウジアラビアの最初の2戦(タイに1-0で勝利、イラクに1-2で敗北)(※原文ママ)を見た印象では、たいしたことないな、と。ラッキーで1点を取ったけど、あとはこれといって見るべきものはなかった。
ところがその後、ちょっと調子を上げてきています。オーストラリアと2-2で引き分け、UAEは3-0で破っている。内容もだんだんとよくなっています。

杉山 サウジアラビアというと、昔はベタ引きのだるいサッカーをやっていましたが、2011年ごろからだいぶ普通になってきました。強くはないけど、現代的なサッカーをやるようになった。
たぶん予選の最初の2試合は昔のだるさの部分のほうが強く出たのでしょう。最近の試合はいいですよ。サッカー的には一番まともじゃないですか。
日本のホームではどういうサッカーをやるのか。サウジ的には引き分けでもいいとは思うだろうけど、監督もベルト・ファン・マルバイクだし、昔みたいに引いて構えるようなことはしないんじゃないかいう気がします。

浅田 割り切って、守るなら徹底して守るみたいなこともやるチームですが、これまでUAE、イラクという中東の2チームが日本のホームでどういう戦い方をしたのかと考えると、じゃあサウジアラビアだけ急に引くということはちょっと考えにくいかもしれない。

杉山 実力的には明らかにUAEとイラクより、少なくともイラクよりは絶対に強い。ひとりひとりの選手の質が、イラクより何パーセントかいい。

浅田 身長はそんなにないけど、スピードはあるし。

杉山 10番のナワフ・アラービドは結構、テクニックがありますよ。現代的なテクニックがある選手がひとりいるとだいぶ違う。最近、日本にはああいう選手がいないし。

浅田 ひとつ横ばいのドリブルをしてからスルーパスを出すみたいな、しゃれたこともできます。

杉山 いなされちゃうと、日本は嫌だよね。UAE戦がそうだったのですが、日本の選手は自分たちのことをうまいと思っているんですよ。
うまいと思っている人が、そうでもないと思っていた人に小じゃれたことをされると、お手上げになることがあります。じゃあプレッシングをかけてボールを取りにいくかといったら、そういう気力さえ失う。
「こんなはずじゃなかった」という気持ちがどんどん広がっていって、「あれっ」という感じでペースを握られる。日本が自ら崩れていくパターンです。
オーストラリアをちょっと横に置いておくと、ホームの相手としては一番手ごわいかもしれません。だから引き分けはない話ではないし、日本が負ける可能性もあります。

浅田 問題は、ある程度ボールを保持してゲームを進めるようなチーム、ちょっとサッカーがモダンなチームを相手に、日本がいい試合できるというイメージがわかないことです。圧倒的にポゼッションで上回って押し込んでチャンス作って……というイメージがわかない。

杉山 戦い方が見えないから、どういう展開になるかも予想できない。日本の現状をいうと、いったい何がスタンダードなのかがわからなくなっちゃった状態です。
日本代表イコールこういうサッカーというイメージは、例えばザッケローニの時は「何となく攻めているんだけど、ダメだよね」というのがあったじゃないですか。今はそれもない。アイデンティティーを失った集団になってしまった。

浅田 ブラジルW杯で敗れて、「自分たちのサッカー」というものに対してすごくアレルギー反応が生まれたじゃないですか。でも、「自分たちのサッカー」というのはやはり重要なこと。最終的に自分たちはどういうサッカーを目指しているというのが見えなくなってしまった。

(続く)

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web Sportiva 2016.11.09
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jfootball/2016/11/09/post_1175/index.php
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