1:Egg ★@\(^o^)/:2016/10/31(月) 20:25:19.52 ID:CAP_USER9.net
■中村が司った川崎のパステンポ。
 
久々に来日した私は10月29日、鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ戦を観に鹿島まで足を運んだ。とくに「志向している攻撃的なスタイルが素晴らしい」と聞いていたので、川崎には高い関心があった。
 
私は彼らがパスサッカーを好み、見る者を失望させないと聞いていたが、ウォームアップの時点でそれが嘘でないことが分かった。

ウォームアップで見られたのは、少人数での目の回るような素早いパス回しだ。このパス回しにはGKも交じっていたが、何一つ違和感なくこなしていたのをよく覚えている。
 
川崎の選手たちはキックオフと同時にギアを入れ、5メートル間隔のパスを6本連続で繋ぎ、鹿島からFKを獲得した。この直後もショートパスを繋いだ川崎のそれは、テレビゲームを見ているかのようだった。この川崎のスタイルの中心に、中村憲剛と大久保嘉人の経験豊富な2人の存在があることはすぐに感じ取れた。
 
■とくに中村は攻守の両面で軸となり、川崎のパスゲームのテンポを司っていた。

彼から生み出されるすべてのパスが結果に結びつくわけではなかったが、ほとんどの川崎サポーターが、そのパスワークに大きな期待を寄せているのは、会場の雰囲気からも受け取れた。実際、彼のビルドアップが起点となって、65分の森本貴幸の決勝ゴールは生まれた。
 
すでに今シーズン限りでの退任を発表している風間八宏監督が、志向した“個性的なチーム作り”はリーグ戴冠を成し遂げることで実るだろう。

■「2、3シーズン前のアーセナルを想起」させた現在の川崎が目指すべきはバルサだ!

しかしながら私は、本数のわりに効果的ではないことも少なくなかった一連のパスに対する過度な依存は、一方で危険を孕んでいると感じた。中村の“美しいパス”で完璧に崩しての得点を求める川崎の姿勢は、2、3シーズン前のアーセナルを想起させた。
 
あの当時のアーセナルは、正確なパス回しは見せていたが、「バルセロナの劣化版」と現地では言われていた。今の川崎は、どこか物足りないイングランドの強豪に似ている。川崎のショートパス中心の試合作りは決して悪くはないが、ポゼッションにこだわりすぎて仕掛けが少なく、ゴールチャンスが多くなかった。私は、見ていて少しくたびれさえした。
 
試合は結局、川崎が1-0で勝利したが、彼らはその目標を手にするのに手こずった印象だった。彼らがスタイルに固執せず、自分たちの戦術を状況に応じて可変できていれば、もっと楽に試合をものにできていたのではないだろうか?

彼らが質の高いポゼッションサッカーにトライすることは、もちろん称賛に値する。しかし、例えば、相手の相手の意表を突くようなドリブルを織り交ぜることができれば、川崎のサッカーはより高みへと昇っていくはずだ。
 
格好のモデルケースが、バルセロナだ。彼らは以前のようにポゼッションだけにこだわらず、カウンターも積極的に取り入れ、伝統の「魅せながら勝利する」をよりモダンに昇華させた。仮に川崎が同じことをやれれば、Jリーグ全体のレベルも上がっていくに違いない。
 
文:スティーブ・マッケンジー
 
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
2016-10-31_22h59_50
SOCCER DIGEST Web 10/31(月) 19:59配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161031-00020185-sdigestw-socc
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