1:Egg ★@\(^o^)/:2016/10/26(水) 11:23:07.53 ID:CAP_USER9.net
【西部の4-4-2戦術アナライズ】

アトレティコの躍進を受けて、復活の感がある4-4-2システム。Jリーグで頻繁に採用される一方で、意外にも日本代表ではそれほど使われてこなかった。だが、ザッケローニ監督時代は3-4-3をオプションとして備えながらも、4-4-2の変形システムである4-2-3-1をベースにチームを作っていった。オシム時代より続く「日本化」の方針にも継続性があったが、致命的な弱点を抱えたままW杯に臨むことになる。(文:西部謙司)

■「アジアのバルセロナ」
 
アジアカップを制して「アジアのバルセロナ」と称賛された日本代表は、「日本化」に成功していた。それは岡田武史監督が途中まで進めていた無理のない日本化の発展形だったといえる。

アルベルト・ザッケローニ監督はさまざまなアイデアを提示し導入したが、強制的な形をとっていない。すでに日本にあるサッカーを選手たちが望む形で発展させていこうとしていた。

パスワークを生かしたポゼッション主体の攻撃、相手を押し込んでの高い位置でのプレッシング、その循環で試合を作っていく手法は日本選手の特徴を生かし、弱点を補う点で理にかなったものでもあった。

2013年にブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップは、日本の真価を問う機会だった。ブラジル、イタリア、メキシコと同居したグループは、本大会なら「死のグループ」と呼ばれていただろう。ザッケローニ監督は、就任以来ほぼ固定していたメンバーによるチーム作りの決算として大会を位置づけていた。

結果は3戦全敗。緒戦のブラジル戦は完敗に近かったが、イタリア、メキシコとの試合には3-4、1-2と1点差。いずれも日本らしいプレーは示せていた。しかし、この大会ではっきりしたのは、このままでは本大会も勝てないだろうということだ。

■「日本らしい」スタイル
 
ボールは運べる、ある程度崩せるし点もとれる。しかし、それ以上に失点してしまう。敵陣の攻守は十分通用した。半面、自陣での攻守は不安定だった。ボールを奪う力が足りず、パスをつなごうとしてミスをして失点していた。

敵陣での攻守を増やすという戦い方のコンセプトが正しいことははからずも証明されたわけだが、敵陣のみで攻守を完結させられるほど日本は強くない。自陣でのプレーを向上させないかぎり強豪国に勝つのは難しかった。

コンフェデ杯後、ザッケローニ監督は新戦力の発掘に着手している。前田遼一が外れ、大迫勇也や柿谷曜一朗を1トップにテスト。ボランチに山口蛍、CBの森重真人などが台頭してきた。

ただ、チーム全体の問題点は解決していない。日本らしいサッカーは、強豪国に対してもある程度は通用することはわかった。しかし、それでは勝てないこともコンフェデ杯で示された。軌道修正を図るのか、それとも日本らしさを極めることで打開するのか。

日本らしいサッカーには積み上げていける状況がある。選手たちの特徴を発揮できて好みにも合っているので、何が良いプレーで何が良くないかを相互評価しやすい。戦術を監督に押しつけられているわけではないので、自分たちの価値観で改善しやすく、内部の相互評価を繰り返すことで精度を上げていける土壌がある。

その点では継続、発展させやすく、日本らしいスタイルを確立しやすい。代表選手たちが「自分たちのサッカー」と言っていたのは、まさに自分たちの手で作り上げていく実感があったからだろう。

ただし、日本らしさだけではワールドカップで結果を出すには足りなかった。

>>2以降につづく
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フットボールチャンネル 10月26日(水)10時20分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161026-00010007-footballc-socc&p=2
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