1: 2016/10/21(金) 14:54:58.85 ID:CAP_USER9
漫画ドラえもんのひみつ道具の一つに「正直太郎」という人形がある。手に持った人の気持ちを正直に代弁する人形で、好きな女性に思いを伝えられない親類のおじさんを助けるためにポケットから取り出した。

ところが、心に秘めている嘘や人の悪口まであれこれと話し出し、トラブルばかり起こす。子供の頃に読み、口は災いの元という教訓を読み取った。

最近、サッカー日本代表のハリルホジッチ監督が「正直太郎」と重なってみえる。
海外組のコンディション調整が難しいことや、全員がそろって戦術練習をする時間が少ないことを、幾度となく口にする。

本人は率直に問題点を指摘しているつもりだろう。だが、ロシアW杯最終予選の初戦でつまずいたことで、報道陣は腕まくりしている。
そうなると、説明すればするほど逆効果。「正直」は「言い訳」として受け取られてしまう。

言わぬが花という日本においては、采配の是非だけではなく、会見での潔さも指導者の資質として重視される。

10月の豪州戦を1-1の引き分けで終え、最終予選を2勝1分け1敗と盛り返し、
W杯出場のグループ2位以内も見えてきた。それでも、逆風が止まないのは、そうした文化の違いもあるのだろう。

実際、海外メディアは監督に同情的だ。

豪州戦の会見では「最近の批判は正当と思うか、それとも不当と思うか」と“ハリルたたき”を疑問視する声も飛んだ。 守備的な采配は日本では批判の的だが、豪州紙ではおおむね好評。日本と海外では明らかな温度差がある。

さて、話を戻すと「正直太郎」は途中何度か捨てられながらも、無事に2人の思いを代弁してハッピーエンドに導く。 取り扱い注意だが、役立つ道具なのである。いま読み返すと、優柔不断な日本社会を皮肉る寓話のようにも読める。

2014年ブラジルW杯の1次リーグ惨敗を受けても、日本協会は責任の所在を明らかにしなかった。
遠慮なく欠点を指摘できる「正直太郎」のような外国人指導者が、日本サッカー界にはいまだ必要ということだ。

その点で、記者はハリルホジッチ監督の人間性に魅力を感じる。率直な提言が、6大会連続のW杯出場につながることを期待したい。

浅井 武(あさい・たけし)
2003年入社、整理部を皮切りに東北地区、プロ野球巨人、一般スポーツなどを担当。現在はサッカー担当キャップ。第1子の夜泣きに起こされ、深夜のゆりかごダンスが日課。

2016.10.21 11:30
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161021/jpn16102111300002-n1.html  

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