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“アジア最強”豪州との大一番を前にハリル監督が弱気発言 「日本が一番強いわけではない」

豪州戦の前日会見にハリル監督が出席 「批判は誇りを持って受け止めています」

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は11日に控えるロシア・ワールドカップアジア最終予選の敵地オーストラリア戦の前日練習後、公式会見に出席した。

 3試合終了時点で日本は2勝1敗、B組4位。敵地で大一番を迎えるが、オーストラリア記者に対して「何人かの人は『日本がまだ一番強い』と思っていますが、そうではないです」と、指揮官は自分たちを低く見積もるような発言をした。

 日本代表は6日のイラク戦、後半アディショナルタイムにMF山口蛍の劇的な決勝ゴールが決まり、2-1で辛くも勝ち点3を確保。しかし、薄氷を踏むような試合展開だったのは確かで、指揮官の采配や試合運びについて疑問も上がっていた。その報道はオーストラリアのメディアにも届いていた模様だ。「最近、日本代表が批判されていると聞きますが、それはフェアかアンフェアか」とオーストラリア人記者から質問が飛ぶと、ハリルホジッチ監督はこう切り出した。

「試合に勝っても批判されますよね。ただ、この批判は誇りを持って受け止めています。その質問は皮肉にしか聞こえませんですけどね。(欧州組の移動の)疲労や時差ボケなどもあったりする。48時間後にはそれは消えているけど、トップの状態には持っていけない。ただ大きなことは変えられないし、我々が勝ってきたことは誇りに思います」


日本は現時点で“アジア6位”の立場

 ハリル監督はアジアでの戦いの難しさを語ると同時に、イラク戦の劇的勝利に触れつつ、驚きの発言が飛び出た。

「我々は前回(イラク戦)勇気で勝った。日本に関しては勇気で勝ったのは新しいことだったかもしれないです。だから、勝ったとしても喜ぶ人は少ないのかなと。そういう人に関しては『ごめんなさい』と言うしかないです。確かに何人かの人は『日本がまだ一番強い』と思っていますから、そうではないですよね」

 チームを率いる指揮官から“日本は最強ではない”とのニュアンスの言葉が出た。確かに今年9月時点でのFIFAランキングで日本は56位と、イラン(37位)、オーストラリア(45位)、韓国(47位)、ウズベキスタン(49位)、サウジアラビア(52位)の後塵を拝してアジア6位にとどまっている。

 その状況を踏まえれば現実的な発言とも言えるが、決戦前日に口に出してしまったのは少々タイミングが悪いのは確かだ。

敵国を「アジアで最も強いチーム」と称賛

 ハリルホジッチ監督は会見冒頭でも「今のところアジアで最も強いチームと対戦するわけですけど、しっかりオーガナイズされて、クオリティーのあるチームだと思います。各チーム弱点はある。最も強いチームだとしても、我々は大きな仕事をするためにいい準備をしたいと思います」と、相手国を“アジア最強”だと持ち上げた。

 サッカルーズの愛称で知られるオーストラリアは、“日本の天敵”FWティム・ケーヒルだけでなく、FWマシュー・レッキー(インゴルシュタット)ら1990年代生まれの新世代も台頭している。悩み深きハリルホジッチ監督は、最強の相手にプライドを示せるだろうか。


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161010-00010011-soccermzw-socc
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