1: 2016/10/03(月) 17:17:42.29 ID:CAP_USER9

代表決定戦より日本戦で勝った時のほうがイラクは優勝したかのように喜んでいた。

 U-16日本代表のアジアの戦いは準決勝で幕を閉じた。グループリーグ3試合を21得点・0失点。U-17ワールドカップ出場権の懸かった準々決勝ではUAEを1-0で下し、世界への切符を手にした。
 
 準決勝ではイラクに今大会初失点を含む、大量4失点を浴び、2?4の敗戦。アジアチャンピオンという目標は達成出来なかったが、もう1年、チームとしての活動を伸ばすことが出来た。
 
「(チーム立ち上げから)1年半で準備をして来て、準々決勝の1試合ですべてが決まってしまうという緊張感は、その場に居ないと感じることが出来ない、非常にピリピリしたもの。その緊張感の中で、1-0でいつ決められてもおかしくないようなゲームを、選手全員の力で乗り切ったことは、選手たちにとって大きな財産になったと思います」
 
 帰国後、森山佳郎監督はまず大きなプレッシャーをはね除けて、世界のキップを掴み取ってみせた選手たちを讃えた。そして、同時に持ち帰った課題についても言及した。
 
「イラクの選手たちは代表決定戦で勝った時より、日本に勝った時の方が、優勝したかのように喜んでいた。それだけあの一戦に懸けていた。死に物狂いで来たと思う。そのメンタルのタフさ、本当の勝利への執着心はまだ遠く及ばない。技術的ではなく、メンタル的なことを言うと、どうしても日本では『え? そこなの?』と思われちゃう部分があるけど、インドに行ったメンバーはそれを身に染みて感じて帰って来た」(森山監督)
 
 戦うことの重要性。森山監督は、それを約1年半かけて、『これでもか』というほど選手たちに説き、浸透させて来た。もちろん選手たちも強烈な自覚として持っていた。だが、まだ意識していた「つもり」だった。
 
「イラクは球際が激しいのに、僕らはそれが出来なかった。優勝に向けてモチベーションを上げていた『つもり』だったが、そうではなかった。正直、モチベーションの上げ方が難しいと感じたし、明らかにイラクの方が、気持ちが上だった」(MF福岡慎平)
 
 本物の戦う意識は、もっと先にあった。森山監督の言葉は、自分たちが思っていた以上に深く、かつ心の底まで届いていなかった。それをイラクはピッチ上で自分たちに教えてくれた。もしこのまますんなりと優勝していたら、『つもり』のままで日本に帰って来ていたかもしれない。

U-17ワールドカップに向けて対象年齢の幅が広がり、さらに競争が激化。

「1年間、選手たちと自分も成長してもらえる機会が得られて良かった」
 
 これが森山監督の心からの本音だろう。足りないならば、足りるまで植え付ければいい。
「(準々決勝で)勝って泣いて、3日後には(準決勝で)負けて泣いて。そういう中で自分がどういうプレーをしていたか、『あそこでああいうプレーが出来ていれば』と感じられたなら、それを課題として自分の日常に持ち帰ってほしい。1秒、0コンマ1秒を大事に出来るか。それをインドに行った選手は感じてくれたと思う」(森山監督)
 
 今回、インドの地を踏んだ選手たちは明らかに精神的なたくましさを身に着けたのは間違いないだろう。森山監督としてもやりがいはさらに増したはずだ。
 
 世界へ――。
この扉を開いたのは、間違いなく彼らの力だ。インドのピッチ内外でのストレスフルな環境下で、彼らは立派に戦い抜いた。
 
 ここからは新たな競争が始まる。今回は1次予選で登録したメンバーから、追加招集出来るメンバーが、2000年10月生まれ以降となり、U-16の対象年代である2000年1月~9月生まれの選手は追加招集出来なかった。しかし、これからは彼らもU-17ワールドカップ出場を懸けた生存競争に加わって来る。
 
 激化するポジション争いの中で、メンタル面のたくましさを身に着けたインド組はどういう成長曲線を描いて行くのか―――。
 
 かくしてU-16アジア選手権の閉幕は、彼らにとって、世界に向けてのリスタートの号砲となった。
 
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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161003-00019302-sdigestw-socc&p=2
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