1: 2016/08/16(火) 17:50:34.21 ID:CAP_USER9
2020年の東京五輪の追加種目として3大会ぶりの復帰を果たした野球・ソフトボール。国民スポーツであることは間違いないが、子供に目を向けると、野球で遊ぶ子はほとんどいなくなっている。最近では、キャッチボールすら禁止されている公園も少なくない。

 その影響か文部科学省が公表した2012年度の体力・運動能力調査によると、ソフトボール投げの記録は、体力のピークとされる1985年の水準に比べて11歳女子で3.1メートル、11歳男子で4.4メートルも減っているという。子供たちの野球離れに危機感を抱く野球界が注目しているのが、小学校の体育で実施する「ベースボール型」の授業だ。

 「ベースボール型」とは、野球、ソフトボール、ティーボールなど攻守交代があり、一定の回数内で得点を競うボールゲーム。一時は必修科目から外れていたが、2011年から復活した。ただ、野球未経験者の教員が多く、今の30~40代は「ベースボール型」の授業を受けていない世代でもある。サッカーボールを使用した「キックベース」でお茶を濁す教員も中にはいるという。そんな教員の“野球離れ”に歯止めをかけようと、日本野球機構(NPB)では、元プロ野球選手を講師に招き、教員を対象にした授業研究会を定期的に開催している。

8月1日、西武プリンスドームで全国の小学校の教員を対象にした「ベースボール型」授業研究会が行われた。同研究会は今回で5回目。関東を中心に20~50代の小学校の教員約150人が受講した。

 講師は、元ヤクルトの内藤尚行氏、川崎憲次郎氏ら。基本的なボールの投げ方や守備の構え方、初心者でも楽しめるゲームの進め方などを教わった。野球未経験者も多く、中には二塁ベースを踏まずに三塁へ向かってしまう教員も。ぎこちなかった動きも終盤には徐々に慣れ、チームに点数が入ると、飛び上がって喜ぶなど自身も楽しみながら、同研究会を受けていた。

 講師陣に共通するのは「子供たちに楽しさを伝えてほしい」との思い。内藤氏は「今日は、無邪気に遊んだ。上手な子もいれば、下手な子もいて大変だと思うが、先生の引き出しを駆使して楽しい授業をしてほしい」と期待した。

教員が「教えるのが大変」と感じる要因の一つに、子供たちの野球経験の差が大きいことが挙げられる。少年野球チームに所属して本格的に野球に携わる児童がいる一方で、ボールを投げる際、右腕と右足を同時に出してしまう児童もいるという。色んなタイプの児童を退屈させないように授業を進めるには、指導者側もある程度の技術がなければならない。埼玉県の新座市立新堀小で6年の担任を務める山口愛花さん(24)は「野球は未経験。今日は、投げ方や打つ足の位置などが参考になった。点数が入りやすい試合の進め方を初めて知ったので、即導入したい」と話した。

 子供の野球離れは、現場の教員も肌で感じている。小中学時代、野球少年だったという横浜市本宿小で教える保坂隆之さん(45)は「子供たちは6対4でサッカー派が多い。自分が子供だったころは、プロ野球12球団をすべて言えるのが当たり前だったが、今の子は言えない」と現状を明かす。

子供にとって「ベースボール型」の授業は、楽しいようだ。野球未経験者の小学生の娘は「今日、ホームラン打ったよ」と目を輝かせながら学校であった出来事を報告してきた。体育でティーボールの授業があったようで、その後も何度か授業の様子を事細かに教えてくれた。

 楽しかった授業での記憶が野球への興味につながっていく-。競技人口の底辺拡大に向け、子供が野球に触れる貴重な機会となる「ベースボール型」授業が果たす役割は大きく、そのための教員の育成は重要課題となっている。

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http://www.sankei.com/premium/news/160816/prm1608160010-n4.html
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