1: Egg ★2016/08/11(木) 15:38:53.40 ID:CAP_USER9
 リオ五輪では東京五輪へ向けて日本のサッカー界が抱える課題が浮き彫りになった。

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 スウェーデン戦は、相手がラインを下げゴール前を固めてきたので前半は崩しきれなかったが、組織を重要視する欧州サッカーに対しては、対応できることは改めて証明した。欲を言えば、もう1、2点取れたと思うが、中2日の休養で、運動量で勝り中盤でボールを奪って攻める、という組織的なサッカーでスウェーデンを制した。だが、コロンビアがナイジェリアを2-0で破ったことで、北京五輪以来となるグループリーグ敗退となった。

 組織対組織の欧州サッカーには通用するが、組織対パワーとなるアフリカや南米のチームには、勝てるゲームを勝ちきれなかった。真の力がなかった。
 グループリーグの敗退には、決定力不足を露呈するなど、いくつかの理由があるのが、国際経験不足が響いたと思う。“谷間の世代”と呼ばれ、U-17のワールドカップ出場を逃すなど、国際大会への出場機会が少なかった。チームとしての“駆け引き”や“ずるがしこさ”のような状況判断に欠けていたのも、その経緯と無縁ではない。もっと攻守にシンプルに仕掛けるなり、試合のペースを意識的にコントロールするなどすればよかったが、現場で判断しながら適応、対応する力が足りなかった。

 監督がボード上で戦術、戦略をいくら指示しても、個の能力で勝負してくるナイジェリアやコロンビアなどというチームには、そのままがあてはまらないケースが多い。ピッチ上の選手が自ら判断して、どう対応するかが重要なのだが、それはやはり経験から来るものなのだ。

 オーバーエイジの3人も海外でのクラブのプレー経験のない選手ばかりだった。彼らがOA選手らしく、リーダーシップを発揮すべきだったが、藤春廣輝はこの日、スタメンから外され、興梠慎三はプレーではチームを引っ張ったが、声をかけチームを鼓舞するようなシーンは、ナイジェリア、コロンビア戦では見られなかった。結果論として、このチームのOA枠の使い方も失敗だった。
   
 また大会直前でスイスの1部「ヤングボーイズ」でプレーする久保裕也が、所属クラブの拒否で参加することができなくなった。サッカーの世界に、たらればはないが、もし彼がいれば、チームの決定力がアップしたのかもしれなかった。久保のキープ力や決定力が攻撃のバリエーションを増やすことに役立ったことは間違いない。

 なぜ久保を呼べなかったのか、なぜベスト4に進んだロンドン五輪時の吉田のように海外クラブでプレーしている国際経験豊かなプレーヤーをOA枠で入れることができなかったのか。

 今大会では、チームをサポートする立場にある協会の問題も黙認はできない。開催国のブラジルは、ネイマールを呼び、聞くところによれば、スウェーデンも何十人もOA候補にリストアップして海外クラブと折衝を繰り返したという。4年後に、リオ五輪時に海外クラブから呼べなかった選手を地元開催の東京五輪だからと言って呼べるとは限らない。確かに五輪軽視の傾向が欧州のサッカー界にはあるが、日ごろからロビー活動を行い、各クラブと太いパイプを築いておくことは重要だろう。そのために海外クラブでのプレー経験のあるOBに協力を求めてもいいと思う。

 報道によると、手倉森監督が東京五輪まで続投する方針が出ているという。だが、私には疑問だ。今大会で結果を残せなかった。結果的に勝ちきれなかったし、勝ち点を意識したようなセーフティな采配もあった。結果責任は監督にある。国内では実績のある監督だが、監督としての国際経験が不足している。今回の大会が、その経験のベースになるのかもしれないが、今後も手倉森体制を継続させるのならば、豊富な国際経験を持つ人をアドバイザーとしてチームに加えるなど、なんらかのスタッフ強化策も必要になってくると思う。

 9月からは、ロシアのワールドカップへ向けてのアジア最終予選が始まる。中島や南野ら、今回の経験をステップにA代表に加わってきそうなポテンシャルを示した選手が出てきたことは収穫だが、4年後の東京五輪を考えると、時間はあるようではない。リオ五輪の総括をしっかりと行い、次につながる施策を考えなければ、この大会へのチケットを勝ち取り3試合を戦った意義がなくなってしまう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160811-00000004-wordleafs-socc&p=1

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