1:YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2016/08/06(土) 18:23:42.48 ID:CAP_USER9.net
中学3年生になったFW久保建英は、8月4日まで開催されていた夏のクラブユース日本一を決める、日本クラブユース選手権(U-18)で、確かなインパクトとともに得点王という結果を残し、優勝に貢献してみせた。

「自分は小学生の時に全国大会を見に行っていて、『いつか日本一になりたいな』と思っていたので、なれて嬉しいです」

はにかんで笑顔を浮かべる様は、彼が確かに15歳なのだと思い出させてくれるものだったが、プレーのほうは今年に入ってから“中学生離れ”が進んでいるように見える。

新春からU-18チームに合流すると、多くの試合で“スーパーサブ”として起用されてきた。「試合に入れれば、何かをやってくれそうな期待感がある」と佐藤一樹監督が評するように、限られた時間帯でも久保が入れば期待感が高まる。DFとMFの間でボールを引き出す上手さと確かなボールテクニック、何よりシュート精度の高さが独特の怖さを醸し出している。

クラブユース選手権では「ゴール前の発想、点を取るクオリティに関して持っている稀有な才能を出してあげやすい状況で」(佐藤一樹監督)使う狙いから、専ら“スーパーサブ”として起用されて5得点。グループリーグの大分U-18戦で決めたゴール前の狭いスペースでのクイックモーションからのシュートや準決勝の川崎U-18戦での直接FKでの得点など、印象的なゴールを決めてみせた。「決めるだけのゴールが多かった」とは本人の弁だが、謙遜というほかない。

連戦の中で90分のフルタイムを戦い抜く体力的なベースはまだないが、高円宮杯プレミアリーグEASTでは先発フル出場も果たしている。首位攻防戦となった7月9日の市立船橋高戦では、後にインターハイを制すことになる強力な市船守備陣を相手に奮闘。ゴールこそなかったものの、相手のスキを逃さずに攻め手を作り出す存在感は際立っており、市立船橋の朝岡隆蔵監督も「中学生なんだよね? ちょっと凄いね」と感嘆した様子だった。

以前に久保から話を聞いた時は「フィジカル面が課題」と語っていたのだが、体幹トレーニングなどに継続的に取り組んでいる成果なのだろう。身体の背面に筋肉が付いてきて、コンタクトプレーにも強さと粘りが出てきている。守備で貢献しようという意欲も強くなり、市船戦では立ち上がりからプレッシングに加わり、ルーズボールの競り合いでも身体を張ったプレーを継続していて素直に驚かされた。

佐藤監督は「あれができるようになってきてから先発させたんですよ」と言っていたが、それも納得のプレーぶりだった(本人は無得点に納得していなかったとは思うが)。

元バルセロナユースというその派手なキャリアから簡単に「天才」と言われてしまいがちだが、自分の課題を見つめて少しずつプレーをベースアップしていく様子から、実際は相当な努力家なのだということもよく分かる。

そして、とても賢い選手なのも確かだ。決勝では「(投入されたのが)時間帯的に守りの時間帯だった」と冷静に戦況を洞察して、守備に力を割いて「フォア・ザ・チームに徹してくれた」(佐藤監督)。準優勝に終わった昨夏の日本クラブユース選手権(U-15)に比べて一回り大きくなったように見えるのは、何も体格面の成長だけが理由ではあるまい。

精神面の成長においては、今年のFC東京U-18の上級生たちが久保を温かく迎えてくれているのも大きいのだろう。フォア・ザ・チームの精神は、監督から言われれば身に付くというものではなく、日々の集団生活から自然と生まれてくるものだからだ。

「年上の、日本一のチームで日々練習できているのは、すごく恵まれすぎているんじゃないかなと思います」という言葉には謙遜も入っているのだろうが、しかし本音も込められているように感じられた。

久保建英は15歳の夏に初の日本一を手に入れた。ここから浮き沈みもあれば、壁にぶつかることもきっとあるだろう。まだそういう年齢であって、あくまで「可能性の年代」の選手だ。ただ、周りの賛辞で調子に乗って潰れてしまうようなタイプでないことは、1年半ほど彼を観てきてよく分かった。この類まれな才能を持った確かな努力家が、さらなる向上心を持ち、より大きく、たくましくなっていくことを静かに期待するのみである。
17970_ext_04_1
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=17970
続きを読む