1:YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2016/07/19(火) 16:36:13.42 ID:CAP_USER9.net
ドイツ代表FWマリオ・ゲッツェがバイエルンを離れ、古巣ドルトムントに戻ることが決定的になった──このニュースを聞いた大半の人が「え、それってどうなの」という感想を抱いたのではないだろうか。裏切り者としてファンの反感を買っているのに「どうなの」、バイエルンで戦力外だったのに「どうなの」と。

ファンのモヤモヤをよそに、両クラブはゲッツェの案件で大筋合意に至っており、あとは金額面での合意と細かい詰めを残すのみ。ドルトムントは現地時間21日に中国遠征に出発するため、その前に話を決めたいようである。

ゲッツェが裏切り者扱いされているのは、2013年4月にバイエルン移籍が決まった経緯がクラブへのリスペクトに欠けたからだ。ゲッツェとドルトムントの契約には、設定額を支払えば一方的に選手がクラブとの契約を解除できる「契約解除条項」が付帯しており、ゲッツェはこれを行使。クラブ側にバイエルン行きを突然告げたのである。8歳から過ごした恩あるクラブに交渉の余地さえ与えなかった。当時ブンデスリーガの天下を争っていた相手が移籍先というのも最悪なら、タイミングも最悪だった。ドルトムントは1カ月後にチャンピオンズリーグ決勝を控えていたが、その対戦相手がバイエルン。せめてチームを優勝に導く活躍ができれば良かったが、ゲッツェはケガで大一番を欠場し、恩に報いることなくクラブを去ったのである。
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ドルトムントファンの一部、特に熱狂的な「ウルトラス」たちは今もゲッツェに激しい憎悪を向けている。しかし、クラブ側としてはこれ以上ウルトラスによるトラブルはごめんだ。そうでなくとも昨季色々と暴れてくれたおかげで、ドイツサッカー連盟からお叱りを受け、執行猶予の身である。南スタンドの一部封鎖という処分を避けるには、2017年5月31日まで彼らを大人しくさせなくてはならない。選手目がけて飲料容器を投げたり、ユニフォームを燃やしたり──ゲッツェの加入でまたそんなことが起こっては困る。

そこでキーマンとなるのが、ゲッツェの大親友、ヴォルフスブルクのドイツ代表FWアンドレ・シュールレだ。ドルトムントは彼を以前からねらっていたが、ゲッツェと同時に獲得し、同時にお披露目をしようと計画を練っているらしい。そうすればファンの注目も分散するし、ゲッツェに報道陣の質問が集中することもないという計算だ。バイエルンが5月にDFマッツ・フンメルスとMFレナト・サンチェスの獲得を同時に発表し、2人一緒にお披露目したのと同じ作戦である。

ゲッツェにとっても、シュールレはキーマンである。MFマルコ・ロイスも含めて3人は頻繁に連絡を取り合う仲で、シュールレとゲッツェは恋人同伴でしょっちゅう一緒に遊んでいる。今も4人はカリフォルニアで休暇を楽しんでいる最中だ。ファンの反感を買うことを承知で戻るゲッツェにとって、親友がそばにいるというのは大きな支えだろう。

ゲッツェがパフォーマンスを取り戻せるのか、トーマス・トゥヘル監督のスタイルにフィットできるのか、そこは「どうなの」という点については加入後の様子を見るしかない。バイエルンのカール・ハインツ・ルンメニゲCEOは「ゲッツェは素晴らしい選手だが、うちでは3年間ずっと機能しなかった」と言っているが、彼はバイエルンで公式戦114試合出場、36ゴール24アシスト(ドルトムントでの4年間では116試合に出場、31ゴール44アシスト)を記録している。数字を見る限りそこまでひどかったようには思えない。

前所属先で構想外となった選手が新天地で奮起するのはよくある話だ。トゥヘル監督も認めるように、若手ばかりの新チームでブンデスリーガを含め3大会に臨むのは「リスキー」である。経験豊富なゲッツェがそのチームを牽引し、シーズン中少なくとも2度(スーパーカップを入れれば3度)巡ってくるバイエルン戦でヒーローになれば、ファンのモヤモヤは吹き飛ぶだろう。
2016-07-19_19h15_01
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160719-00000151-sasahi-socc&p=2
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