1: YG防衛軍2016/06/20(月) 20:39:51.51 ID:CAP_USER9


6月某日。SC相模原の練習場でボールを追いかけている川口能活は、とても楽しそうだった。穏和でありながら熱血。
鋭いというより滑らか。40歳を超えてもなお、サッカーへの愛と向上心が表情と動きに滲み出ている。
 ハーフコートゲームで味方がゴールを決めれば全身で喜びを表現し、失点すれば全力で悔しがる。
ゲームの合間にはチームメイトを呼び止め、優しい顔と真剣な口調で、
ディフェンス時のポジショニングについて細かくアドバイスを送っていた。
呼び止められた側も、W杯を4度も経験している名GKの言葉を聞き逃すまいと、質問を繰り返している。
ハラルト・シューマッハが子供の頃からのアイドル。

 「今日はシュート、やらないの? 

 全体練習が終われば、ボールやビブスを片付けていた若手に声をかける。
すぐにマンツーマンでのシュート練習が始まった。個人レッスンで川口にシュートを受けてもらえるのだから、
若手にとってはとてつもなく貴重な時間だ。

 「もちろん若手にはうまくなってほしい。でも、あれは僕自身のトレーニングでもあるんですよ。
ちゃんとキックの技術があって、シュートのうまい選手を選んで声をかけてますから。
正確なシュートが飛んでくるから、僕にとってもすごく良いセービングの練習になるんです」

 居残り練習も終わり、取材部屋に移動してからも、やっぱり川口は楽しそうだった。
Number904号「EURO 2016 FRANCE 日本代表が語る優勝国予想。」のために実施した今回のインタビューのテーマは、
「EURO2016に出場するGKたちの分析」。「元ドイツ代表のGKハラルト・シューマッハが、
子供の頃からのアイドルだった」川口にとって、欧州トップレベルのGKたちのプレーをチェックすることは、ライフワークでもある。
GKのプレーは経験者じゃないと分からない部分も多い。

 「やっぱりGKのプレーって、やったことがある人じゃないと、わからない部分も多いと思うんです。
サッカーの試合をテレビで観戦する場合、普通はどうしてもボールに視線が集中してしまうでしょうから。
でも、例えばこういうインタビューを通して、読者の方が少しでもGKに興味を持ってくれたり、
GKのプレーをより深く理解してもらえるようになれば、僕自身も嬉しいですよね」

 『Number PLUS EURO2016 24カ国選手名鑑』に掲載された写真を見ながら、各国代表GKの技術の奥深さと、
川口ならではのマニアックなGK観戦術をわかりやすい言葉に変換して語ってくれる。
インタビューも中盤に差し掛かったとき、ある選手の写真の上で、川口の人差し指が止まった。

 「今大会に出場するGKの中で、僕に一番タイプが似ていると言えば“この選手”ですね」

 どんなところが似ているのか。

 「構えですね。GKの構え方って、選手によって人それぞれなんです。
例えばドイツのノイアーは、どちらかと言うと“だらーん”と構えた状態から素早く動く。
逆に“この選手”は、腰を低く落とした姿勢から、前後にも左右にも動けるようにする」

 確かに写真の構えは、さっきまで練習場で観ていた川口の構えとそっくりだ。

 「彼はGKに必要なフィットネスを完璧に備えています。具体的には俊敏性やジャンプ力、ダッシュ力、
セービングのキレなど。フィットネスに関しては今大会ナンバーワンでしょうね。
実はリヨン時代のプレーを観たときに『似てるな』と思って、彼について調べたことがあるんです。
彼は少年時代にテニスをやっていたそうですね。動きの速さやステップワーク、
体のキレはテニスの経験が影響しているということを知って、妙に納得しました」

 川口が絶賛したとおり、EURO初戦でも「彼」はキレのあるセービングで決定的ピンチを何度も防ぎ、
勝ち点3獲得に大きく貢献した。

果たしてEURO2016出場GKで、川口が「最も自分にタイプが似ている」と思う選手は誰か。
正解は、Number 904号のインタビュー「優れたGKは、『顔』でわかる」でご確認ください。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160620-00825897-number-socc&p=2

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