1: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ 2015/10/17(土) 13:53:12.68 ID:???*.net
 クラブハウスの応接室に入ってきた彼は、着席しようと椅子を引きながら広報担当者に呼びかけ、水を持ってくるように頼んだ。

「コーヒーにしますか?」

 広報が気を利かせたが、彼は即座に断った。

「薬を飲むから、水にして」

 彼がそう伝えると、広報は退室した。ポケットから錠剤を二錠取り出した彼は、苦笑混じりに言った。

「どうやら、左の肋骨が折れちゃったみたいでさ。先週の試合(J2リーグ第35節/10月4日vsコンサドーレ札幌)
で接触があってね。まあ、相手も悪気があった訳じゃないし、バキッとなったから『やばいかな』
とは思っていたんだけどさ。まあ、サッカーを続けていたら、みんなどこか痛いもんでしょ? 
このくらいが、サッカー選手らしくていいよ」

 あけすけに彼は言い、錠剤を水で飲み込んだ。

 永井秀樹は、44歳で現役サッカー選手を続ける。所属する東京ヴェルディでは今季、
試合の流れを変える切り札として、16試合に出場(10月10日、第36節終了時点)。
プロサッカー選手の平均年齢が26~27歳と言われる中、現役最年長記録を更新し続ける
48歳の三浦知良(横浜FC)と並んで、異例の存在と言えるだろう。監督の1学年上で、
札幌戦で交代した選手は19歳と、まるで息子のような年齢差だった。

 1992年、永井はヴェルディ川崎(現在の東京ヴェルディ)に入団している。三浦知良、ラモス瑠偉、武田修宏、
北澤豪、柱谷哲二らと2年連続のJリーグ年間王者、3年連続のナビスコカップ優勝を達成。
「格好良くて強い」が代名詞だったヴェルディ黄金期の一員だった。

 1995年からは、福岡ブルックス(現在のアビスパ福岡)、清水エスパルス、横浜フリューゲルス、
横浜F・マリノスなど、複数のクラブを渡り歩いた。その間、ナビスコカップ、天皇杯、Jリーグのステージ優勝など、
各クラブで経験。2003年にはヴェルディを自ら退団後、1年間の浪人生活を送るも、
2004年からは地元の大分トリニータで復帰している。そこからは、FC琉球、東京ヴェルディを行き交い、
現役プロ生活24年目になる。

「『44歳になって、よくサッカーできますね?』と驚かれるんです。でも正直、
自分はフツーにやっているだけなんですよ。秘訣なんて何もない」

 永井は肩を竦(すく)めて言う。

「強いて言えば、理不尽の連続に耐えられる、というのはあるかもね。国見高校での3年間の貯金が一番大きい。
今のユース年代は週末に試合があったら、月曜は休みになったりしますけど、国見は一年365日で、
休みはお盆の一日だけ。朝練して、夜も練習。夏休みは朝8時から夜6時まで、ひとつだけテーマを決めて、
例えばサイドの1対2で挟み込むというメニューを延々とやる。週末は、1日3試合は当たり前。
(学校の裏にある)たぬき山を10km走るんだけど、これが少しもサボれない。
町中に情報網が張り巡らされているから(笑)。今考えるとフツーじゃないと思うけど、あの3年間があったから、
自信がついた。理不尽なことも多かったけど、だから今もやれているんじゃないかと思うんですよ」

続きは↓の記事から
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/10/17/44_3/index2.php

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