1: Egg ★@ 2016/06/18(土) 13:21:04.16 ID:CAP_USER9

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ドイツ 0-0 ポーランド。世界王者と大志あふれるアウトサイダーの対決は、UEFA EURO 2016で初のスコアレスドローとなった。
しかし同時にこの試合は、戦術的な意味で現代サッカーの大きな哲学的論争を浮き立たせている。

2010年FIFAワールドカップからスペイン流のプレースタイルを完璧な精度にしたドイツは、ポゼッションを重視。
「ボールなくして相手は得点できない」という慣用句に従い、ピッチではなるべく高い位置でプレーし、ボールはすぐに取り戻した。

概要:ドイツ vs ポーランド
ドイツとドローのポーランド、気を引き締める

一方16日の夜のサン・ドニで、ポーランドはこの哲学に相対するアプローチをした。ボールを保持せず、深い位置に引く。
前線で広く空いたスペース生かすことを狙って相手を威嚇した。アダム・ナバウカ監督は、こう結論づけている。

「我々は試合をコントロールした。相手はボールを長く保持していたが、あれは我々が意図的に持たせたためだ」

このスコアレスドローとなったグループCの試合で起きたことを見ると、ナバウカ監督の見解が正しいとわかる。
ボール支配率(ドイツ63パーセント、ポーランド37パーセント)、危険な攻撃の回数(78回、21回)、総シュート数(15本、7本)と総じてドイツが上回っていたが、
最高のチャンスは隣国ポーランドに訪れている。ただし、リスタートからの絶好機をアルカディウシュ・ミリクは決めきれなかった。

ポーランドはそのサポーターたちを時折、崖っぷちに立たせたかもしれない。しかしアトレティコ・マドリーがUEFAチャンピオンズリーグ決勝に進出して明らかになったように、
これはサッカーにおける現実的な作戦だ。武骨で、忍耐力があり、前向きなチームが、技術で上回る相手を阻止し、勝利することもある。

スペイン流のプレースタイルは、おそらく誰もができるわけではない。格上の相手を超えようとして、チームの限界が露呈する傾向もある。
その悲惨な例が2011-12シーズンのUCL、カンプ・ノウでバルセロナのように”プレー”しようとして、1-7と惨敗を喫したバイヤー・レバークーゼンだ。

ドイツとポーランドの試合は決して珍しいものではない。UEFA EURO 2016では、ここまで18試合のうち15試合で片方のチームがボールを支配している。
しかし“支配しているチーム”が勝ったのは8試合のみで、引き分けが4試合。一方、イタリア(ベルギーに2-0)、スロバキア(ロシアに2-1)、
北アイルランド(ウクライナに2-0)は、相対的にボール支配率が低かったにも関わらず、いずれも勝利を収めた。

とはいえ、これがすべての解決策になるわけではない。“ポゼッションチーム”の1試合平均勝ち点は1.87で、勝ち点0.87しか相手に与えておらず、
また試合に勝つには枠内シュート数も鍵となり、これが相手より少なかったチームが勝利したのは1試合だけだ(クロアチアが1-0でトルコに勝利)。

この本大会でいい守備をする能力は明確な課題だ。ヨアヒム・レーブ監督はポーランド戦のあと、次のように総括している。
「グループステージはエネルギーをセーブしながらの戦いになると、私はずっと主張してきた」

しかし、今後の大きな試練でどれだけ守り切れるだろうか。受けに回るチームは90分間とロスタイムで、非常に高いレベルの集中力が求められる。
UEFA EURO 2016では、ここまで4チームが終盤で決勝点を決めており、これらはすべて“ポゼッションチーム”の方だった。

「多くのチームがもっとオープンな試合をして、より多くのスペースとゴールが生まれる可能性がある」と、レーブ監督は結論づけている。
ドイツが決勝トーナメントに進出した暁には、違う戦いができることを期待しているはずだ。

UEFA.com 2016年6月17日(金) 文 シュテファン・ポッター(スタッド・ド・フランス)
http://jp.uefa.com/uefaeuro/news/newsid=2379042.html

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