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1:YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2016/06/07(火) 16:50:52.94 ID:CAP_USER9.net
2016-17シーズンのブンデスリーガ1部に、RBライプツィヒが参戦する。エナジー飲料メーカーのレッドブルが創設したチームは、発足からわずか7年で5部からトップリーグまで駆け上った。しかし、ライプツィヒが注目を浴びる理由はそこではない。「金満ライプツィヒの昇格はドイツサッカーの低落」と言われるほど、群を抜いて嫌われているのだ。

RBライプツィヒの創設は2009年。オーストリアに本拠を置くレッドブルが、ライプツィヒに位置するマルクランシュタットのスポーツクラブからサッカー部門のライセンスを買収したのが始まりである。新たに発足したクラブはRBライプツィヒと命名され、10年以内のブンデス1部昇格を目標にスタートを切った。

レッドブルはオーストリアでもアメリカでも、企業名を冠したサッカークラブを運営している。ところが、ドイツサッカー連盟(DFB)は宣伝目的でのクラブ命名を禁止しているため、それができない。また、ドイツ・フットボールリーグ(DFL)は、クラブ運営の全権を投資家に握らせないよう、オーナー権をクラブメンバーと投資家の共同保有とし、クラブメンバーの株式保有率を最低でも51%とするよう規定している(これを「50+1」ルールと呼ぶ)。

製薬会社バイエルをオーナーとするレヴァークーゼン、自動車メーカーフォルクスワーゲンをオーナーとするヴォルフスブルクはどうなのかと言えば、こちらはそもそもの成り立ちが「従業員のサッカーチーム」であり、DFBのルールは適用外。ちなみに、「50+1」ルールは、20年以上クラブを保有していれば適用外となる。

というわけで、「レッドブル・ライプツィヒ」が使えなくなった上層部は知恵を絞った。規約違反を回避しつつ、ブランド戦略もかなえるには──。そこで生まれたクラブ名が「RasenBallsport Leipzig」、直訳すれば「芝球技ライプツィヒ」である。

といっても、「RB」の文字から「RasenBallsport(ラーゼンバールシュポルト)」 という造語を思い浮かべる人などいないわけで、RBライプツィヒと言えば当然「レッドブル・ライプツィヒ」である。ドイツメディアもRBライプツィヒを「die Roten Bullen=レッドブル」と呼んでおり、戦略は成功した。

名称の次はロゴである。ライプツィヒはザクセンリーグ(5部)を戦っていた当初、クラブエンブレムにレッドブルロゴをそのまま採用しようとした。しかし、ザクセン・フットボール連盟からひじ鉄を食らい、気持ち程度に修正。2部に昇格したときにも、DFLから企業ロゴとはっきり区別をつけるよう要請され、またまた修正。それでも、2頭の赤い雄牛が角を突き合わせる姿は健在で、誰が見てもこれはレッドブルである。

RBライプツィヒは金満だからというだけではなく、このように商魂たくましいところが嫌がられている。ドイツサッカーの伝統の破壊者というわけだ。選手たちはアウェイ戦のたびに敵サポーターから罵倒され、チームバスには札束(もちろんフェイク)が投げ付けられ、監督のラルフ・ラングニック(当時はSDと兼任)にはスタンドからビールのコップが飛んでくる始末。

嫉妬が憎悪にまで転じた一部のサポーターは「お前らをぶっ殺す」とのバナーを掲げ、嫉妬を隠したい人間は「伝統のかけらもないチーム」とあざ笑った。RBライプツィヒの嫌われエピソードは枚挙にいとまがない。

ちなみに、2015-16シーズン開幕前に経済紙『ハンデルスブラット』が報じたところによると、2部クラブ全体が補強に投じた額は合計2530万ユーロ(約31億円)。そのうち1560万ユーロがライプツィヒの懐から出たものだった。ほかの17クラブが費用工面に四苦八苦するなか、ライプツィヒはブレーメンからFWダヴィー・ゼルケを800万ユーロでポンと買い、同時に嫉妬も買った。
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