1: 名無し@サカサカ10 2021/06/26(土) 14:34:06.09 _USER9
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 日本のスポーツ指導の問題は、私のようにフットボールの世界やスペインの事情しかよく知らない者が気軽に意見するものではないかもしれません。ただ、ひとつ気になったのは「練習時間が減ると、競技力が衰退するのではないか」という懸念の声です。

 かくいう私も18歳でスペインに渡るまでは、サッカー、ソフトボール、ゴルフなどを、地元の少年団や部活動を通じて経験しました。日本のスタイルと、欧州のそれを私なりに比較することはできます。

 では、28年間に及びスペインで指導者としてやってきた今、どう考えているか。

 フットボールに関しては、練習すればするほどうまくなるような単純な競技ではないと思っています。

日本の子どもたちは本当に練習のしすぎなのか
 スペインのフットボールは育成年代において優れた育成システムをもつといわれ、世界からも高い評価を得ています。ビジャレアルにも、膨大な数の指導者が世界中からひっきりなしに研修にやってきます。

「ビジャレアルでは、選手育成のために何か特別なことをやっているのか?」

 そう尋ねられると、返答に困ってしまいます。秘伝の育成レシピがあるわけでなく、ただ「常識ある範囲で」「選手を最優先に」「(脳科学や心理学を含めた)科学的な根拠をもとに」指導を探索してきました。

 これら3つを念頭に、ただただ日々精進あるのみ。他に特別なことはしていません。

 では、スペインの子どもたちは日本の選手よりもより多く練習をしているのだろうか? もしくは、日本の子どもたちは本当に練習のしすぎなのか? 

 この疑問に対する解答は私にもわかりません。そこで、ビジャレアルの育成選手を取り巻く環境を数値化してみました。各年代のトップチームで過ごした例です。どの子どもも、スペイン各地でスカウトされたフットボールのエリート少年。青少年期をほぼフットボール漬けで過ごすため、スペイン国内でもフットボールに注ぐ時間が圧倒的に多いケースになります。

小学生で活動は週に3日、夏休みのオフは2カ月
 そんな彼らが、小学1年生から高校3年生までの12年間で練習と試合に費やす活動時間の合計を算出すると、3124時間でした。年代によりますが、小学生で活動は週に3日。夏休みのオフは2カ月あります。

 スペインにも大学受験はあり、子どもたちはそれなりに学業でのストレスを抱えています。しかし、彼らに「試験期間中は練習を休んでもいいよ」とでも言おうものなら、私たちが怒られてしまいます。

「僕らの唯一の気分転換であるフットボールまで奪わないでくれ!」と言われるに決まっています。嫌々やっている子どもはいません。フットボールが楽しくてたまらないのです。

プロにはあるのに育成年代にはない「オフ」
 選手ひとりあたりのコーチの絶対数が定められ、毎週末は必ず試合に出場できるシステムが用意されています。小学生の1回の練習時間は75分。ダラダラと何時間もトレーニングさせることはなく、冬と夏はしっかり完全休養を与える文化があります。プロであるトップチームの選手にオフがあるのに、育成年代だけオフがない日本のほうが不思議に見えてしまいます。

 組織として一貫した育成過程を提供し、適度な練習量、良質な練習内容、すべての子どもに継続的に試合の出場機会を与える競技システムの構築。なおかつ、意味ある学びを習得できる。こうした環境づくりこそがスポーツの競技力を左右する。つまるところ、練習を何時間行うかではなく、「学習効果を高めるためのスポーツ環境づくり」が何よりも重要なファクターだといえます。

 この要因を見ずに、練習は裏切らないとばかりに長時間練習を強いてしまう様子は、大人によってスポーツが支配されているように見えてしまいます。指導者自身もこのことに気づかないのかもしれません。

質の高いトレーニングを90分で収めること

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9238f5a3f9b274625f5267dc8dd72ae7458503a

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