1: 2021/01/04(月) 22:19:02.68 ID:CAP_USER9
ボールを地面に落とさずに、足で突きつづけるリフティング。サッカーのトレーニングではよく見かける光景だが、リフティングがたくさん回数できるからといって、サッカーがものすごくうまくなるという話は聞かない。
そして、試合ではこのリフティングをする場面がない。果たしてこの謎のプレーは、サッカーに必要なのか?

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リフティングはサッカーの上達に必要なのだろうか?
「いくらリフティングがうまくても、サッカーが下手な人はたくさんいる」
「いやいや、ボールフィーリングを養うために、リフティングは欠かせない」など、様々な意見が存在する。

久保建英がビジャレアル入団会見時で披露したリフティング。たしかに、上手だとこういう時に映えるだろうが......

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テレビ番組などを見ても、サッカー選手が巧みなリフティングテクニックを披露することは珍しくなく、「サッカー選手=リフティングがうまい」というイメージを持つ人が大半だろう。
日本代表として2002年の日韓W杯、06年のドイツW杯に出場し、4度のJリーグベストイレブンに輝いた福西崇史氏は「リフティングが苦手」で、子どもの頃は「100回もできなかった」と話す。

「小学生の頃から、チームのなかで(リフティングは)上手なほうではなかったですね。だからイベントなどで『リフティングをやってください』と言われると、めちゃくちゃ緊張します。
リフティングで、足をくるくる回したりするサッカー選手は多いけど、僕はできないので(笑)」

福西氏がサッカーを始めたのは、小学4年生の時。いまどきの子に比べると、はるかに遅いスタートである。
「子どもの頃は兄の影響で器械体操をやっていました。中学1年生の前半までは、サッカーと掛け持ちをしていました。
池谷幸雄さん、西川大輔さん(共に88年ソウル五輪、92年バルセロナ五輪で活躍)などが活躍されていた頃で、オリンピックを目指して競技の道に進もうかと考えたこともありました」

そこで体操を選んでいたら、のちのプロサッカー選手・福西崇史は存在しなかった。だが、中学からサッカー一本に絞り、新居浜工業高校で頭角を現すと、ジュビロ磐田から声がかかり、プロの道へ。その後の活躍は周知のとおりである。
「プロになって周りを見ると、技術的に上手な選手はたくさんいました。ジーコジャパンの時は、(小野)伸二が手本を見せて、イナ(稲本潤一)やミツオ(小笠原満男)、(中村)俊輔たちと、リフティングの技をマネしたり。僕は全然できませんでしたけど」

プロ入り後、FWからボランチにコンバートされた福西氏は、足元のテクニックというよりも、高い身体能力を活かした、スケールの大きなプレーが魅力の選手だった。
「僕がリフティングを得意ではないのは、子どもの頃にそれほど練習しなかったからだと思います。リフティングよりも壁に向かってボールを蹴って、跳ね返ってくるボールをコントロールすることや、キックの練習をたくさんしていました。
チームメイトにはリフティングの上手な子もいて、憧れた時期もありましたが、個人で練習する時は壁やネットに向かってボールを蹴るほうが多かったですね」

日本の少年サッカーには「リフティングが○回できないと、練習に参加させない」といった決まりがあるチームも少なくない。福西さんも「僕もそのような場面に遭遇したことがあります」と言う。
「うちの息子が通っていたサッカークラブが、まさにそうでした。うちの子も僕と同じように、リフティングの練習をあまりしなかったので、下手くそだったんです。でも、チームのルールなので、親子で一緒に練習しましたよ。
結果、100回できるようになりました」

2021年1月4日 6時15分 Sportiva
https://news.livedoor.com/article/detail/19480051/ 


リフティングは、できないよりはできたほうがいい。福西さん親子のケースのように、チームのルールだからと練習したことで、できるようになった子もたくさんいるだろう。
だが、リフティングが上手だからといって、ピッチ上のプレーに直結するかというと、そうとも限らない。サッカーには足でのボールコントロール以外にも、蹴ったり、走ったり、ヘディングしたり、相手とぶつかったりと、たくさんのすべきことがある。

「リフティングはシュート練習、パス練習と同じで、サッカーの練習のひとつですよね。リフティングができなくても、ほかの部分に特長のある選手はいます。
指導者目線で言うと、『リフティングができないから、この選手はダメだ』というジャッジはしないほうがいいですよね。リフティングだけが、サッカーの上手い、下手をはかる基準ではないですから」
リフティングには、大きく分けて2つのやり方がある。足先でボールを細かく突く「ちょんちょんリフティング」と、足の甲(インステップ)やインサイドでボールを突く「とんとんリフティング」だ(※ネーミングは共に福西氏)。

「子どもたちがリフティングをしている様子を見ていると、足先だけで何度も突く、ちょんちょんリフティングが多いですよね。集中力は養われるかもしれませんが、サッカーの試合中にちょんちょんリフティングが活きる場面は、かなり限定的です。
なので、僕は子どもたちに『ちょんちょんができるようになったら、とんとんをやってみたら?』と言います」

サッカーの試合中、浮き球を足でコントロールするプレーは頻出する。浮き球のコントロールを身につけるにあたって、リフティングは効果的だ。また、空中にあるボールを足でとらえるボレーキックの感覚をつかむ際にも、リフティングは役に立つ。

「リフティングがすべて無意味とは思いません。浮き球やボレーの感覚を養うなど、目的を持って取り組むのはいいと思います。ジーコジャパンの時に一緒だったヒデ(中田英寿)は、練習前のウォーミングアップでボールを頭上に蹴り上げて、
落ちてくるまでの間に首を振って周りを見て、足でボールをコントロールする動きを繰り返していました。試合のどういう状況でリフティングの技術が活きるかをイメージしながら練習すれば、実戦で使える技術になると思います」
リフティングはあくまで、「サッカーの数ある練習のひとつにすぎない」と言う福西氏が繰り返し説くのが「試合に活きる練習をすることの大切さ」だ。

「基本的に、リフティングは上下のボールの動きが中心ですよね。でも試合中は対面からボールが来ることもあります。それに応じて、足の運び方やボールの受け方を変えなければいけません。
一方で、ボールのどこに足を当てるかは、ボールが上から来ようが横から来ようが同じなので、ある程度、上下のリフティングができるようになったら、違う軌道のボールに対応するなど、ほかの動きをしたほうがいいと思います」
最後に福西氏に、「子どもにおススメの練習はありますか?」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「体操ですね。僕自身、子どもの頃に体操で培った体の動かし方やバランス能力などは、サッカーに役立ちました。サッカーは片足立ちでボールを扱うスポーツです。
バランス能力が大切ですし、相手とぶつかった時のバランスのとり方、空中での姿勢や空間認知能力は体操で学んだものです」
小学4年という遅い時期にサッカーを始めたにも関わらずプロになれたのも、体操で培った身体能力が大きく影響しているそうだ。

「体の使い方を身につけるために体操は役に立ちますし、周りの人にも勧めています。自分の子どもも、小さい頃に体操をやらせていましたから」
子どもの頃の時間は有限だ。その時に、何に取り組むか。足先のちょんちょんリフティングで1000回、2000回を目指すのか。サッカーの試合を想定したリフティング(ボールコントロール)なのか。
あるいは、福西氏のようにキックやボールコントロールに加え、体操など、アスリートとしての土台を大きくすることなのか――。

正解はひとつではないが、何をすればサッカーがうまくなるかを考えて試行錯誤することが重要であることは間違いないだろう。

559: 2021/01/05(火) 00:53:55.40 ID:5qzMesOe0
>>1
これはさわやかなコメントだ。

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