1: 2016/05/04(水) 21:37:44.52 ID:CAP_USER9
昨年夏、母国のカラブリアでバカンスを楽しんでいたクラウディオ・ラニエリの電話が鳴った。
レスターをプレミアリーグに残留させ、その後につながるいいチームを作れるか――。
そう聞かれたラニエリは、「いい基礎工事をすることには慣れているよ」と答えた。
かくして12年ぶりに戻ってきたイングランドの地で、基礎工事どころかたった1年で世界中から称賛される
“大豪邸”を完成させてしまうことになろうとは、このとき知る由もなかったはずだ。
 シーズンを通して発信し続けてきたポジティブで洒落っ気たっぷりの言葉とともに、
“名棟梁”がいかにして奇跡のチームを構築してきたのかを探ってみたい。


■「なんで得意じゃないことをやらなければならないんだい?」

昨シーズン終盤の好調時から注目されていた強烈なカウンターは、ラニエリ監督の“割り切り”によってさらに鋭さを増した。 彼は選手の特性を見極めた上で、「パス回しが好きじゃないなら、それを無理強いして選手を重圧下にさらす必要はない」と考えた。 結果、ミスの多さも、パス本数も、ボール支配率も一切無視で、とにかくタテに速くボールを運んでジェイミー・ヴァーディを走らせるスタイルが確立した。 “ポゼッション無視”という流行への逆張りは、選手の個性ありきという指揮官の哲学によって生まれたのだ。


■「レスターはフォレスト・ガンプなのだ」

アッズーリの元英雄であり、ラニエリ監督の同胞であるディノ・ゾフ氏はこう言う。
「イタリア人はあれこれ考えすぎて物事を複雑にする傾向がある。フットボールをチェスのゲームになぞらえるんだ。だが、ラニエリ監督は物事を明確かつシンプルにする。それが才能だ」。
 ラニエリ監督は選手をシステムに縛りつけ、口うるさく細かい動きまで徹底させることはしない。
多くを求めない代わりに、「90分間走り続けること」、「ファイターであること」を選手に強く求めた。
「走って、走って、走りまくれ」。まさしく、愚直にまっすぐと人生を駆け抜けたあの映画の主人公のように。


■「私のあだ名をTinkerman(いじくる人)からThinkerman(思慮深い人)に変えてくれないかな?」

チェルシー時代に「ティンカーマン」と揶揄されたのは有名だが、レスターではその頃が嘘のようにメンバーも戦術も固定して戦った。
徹底した選手のコンディション管理によって疲労やケガを最小限に抑えられたことも手伝って実現した“いじらない”戦い方は、間違いなくチームに一貫性と一体感をもたらした。
ただ、実は目立たないところで細部はいじってもいる。たとえば昨年9月末、5発を叩き込まれて初黒星を喫したアーセナル戦の翌節から、攻撃的なジェフリー・シュルップ&リッチー・デ・ラエトが担っていた両サイドバックを手堅いクリスティアン・フクス&ダニー・シンプソンに代えた采配がそうだ。
途中出場やサイド起用が多かったエンゴロ・カンテをボランチに固定したのも同じ頃。
年明け以降に守備の安定度が増したのは、こうした丁寧な微調整が実を結んだからだった。


■「クリーンシートを達成したら、選手たち全員にピッツァをおごるよ」

シーズン序盤、撃ち合いばかりで失点が多いチームに発した「ピッツァ発言」は話題を呼んだ。
1-0で勝った第10節クリスタル・パレス戦後にやっと“ピザパーティー”が開催されたが、
ラニエリ監督は店を貸し切って選手全員にピザ作りを体験させた。
「団結して何かをやることで、チームスピリットを生み出すことができる」というのがその理由だった。
 ラニエリ監督はこうした人心掌握が巧みだ。
昨年12月のある週、選手たちが全員でデンマークのコペンハーゲンに一泊旅行をして
クリスマスパーティーをしたいと言えばオフを1日増やした。
2月、リヴァプール、マンチェスター・C、アーセナルとの3連戦で「9ポイント取ったら1週間オフをあげる」 と選手に約束し、実際は2勝1敗だったが「OK、勝ったようなものだ。来週の月曜日にまた会おう」と言って選手たちを解放した。 よきタイミングで“ニンジン”をぶらさげて、チームの結束力を維持したのだ。

hamu

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