1: Egg ★ 2019/09/14(土) 10:35:23.89
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森保一監督は、ワールドカップ2次予選の開幕を前に「楽な試合はひとつもない」と力説したという。

なるほど指揮官としては当然の姿勢だ。円いボールを足で扱うサッカーの世界では、どんなどんでん返しが待っているか判らない。例えば、1996年アトランタ五輪で最強メンバーと評判だったブラジルが、日本にシュートの嵐を浴びせながらも敗れたのは、明らかにスカウティング不足と油断があったからだ。

だが現実に2次予選には、掛け値なしに厳しい試合はひとつもない。またミャンマー戦を見ても、改めてリスクが高い。特に38分、ヘディングシュートをした吉田麻也の無防備な腹部にミャンマーのカウン・シトゥが正面から膝蹴りを入れたのは、常識的なサッカーの試合では考えられない蛮行で、吉田が無傷だったのが不幸中の幸いだった。VARがあれば、一発退場で重めの出場停止処分も課せられたはずだ。他にも背を向けてブロックすれば、後ろから足ごと削りに行く頻度が高く、それでもおそらく彼らに悪意はない。
 
思い出すのはJリーグ草創期の喧噪である。閑古鳥が鳴いていたスタジアムは、唐突に満員の熱狂に包まれ、選手たちの闘争心に点火。延長戦にVゴールやPK戦などのおまけもついた過密スケジュールも影響して、故障者が続出した。たぶんミャンマーの選手たちも、滅多に遭遇しない日本のスター選手たちを必死に止めようと頑張っただけだ。きっとこれから手痛い罰則を食うなどの経験を重ね、徐々に国際試合での常識を覚えていくはずである。

だが反面、日本がその伝道のためにベストメンバーをリスクに晒すのは考えものだ。既に日本は痛恨の失敗をしている。1999年7月、シドニー五輪予選のフィリピン戦に出場した小野伸二が、悪質な後方タックルの犠牲になり、左膝十字靭帯を断裂。日本の宝の可能性は、本当に狭められてしまった。

慎重居士の指揮官だけに、監督としては未体験の2次予選初戦にベストメンバーで臨むのは仕方がない部分もある。しかしこのまま定められたレギュレーションに粛々と従い、与えられた試合に全力を尽くした先に、日本が目指す世界一の戴冠などない。

9/11(水) 17:59 サッカーダイジェスト
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190911-00064024-sdigestw-socc

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