背番号10…今年はどんな伝説生まれるか

サッカーの背番号１０。それをつける選手はチームの中核の象徴とされるが、２７日開幕の今季のＪリーグでは複数チームで、国際舞台で活躍した若手ら有望選手がつける。日本代表でも活躍する２３歳のＭＦ柴崎（鹿島）や、１月のＵ２３（２３歳以下）アジア選手権で優勝し、リオデジャネイロ五輪出場を決めたＵ２３代表で２１歳のＦＷ浅野（広島）や、２３歳のＭＦ大島（川崎）……。期待に応えることができるか。【坂本太郎、鈴木英世】

　１０番は、「サッカーの王様」と称された元ブラジル代表のペレ、元アルゼンチン代表でワールドカップ最優秀選手にも輝いたマラドーナら、エース格の攻撃的な選手がつけて活躍したことから、特別な番号というイメージが広がった。
Ｊリーグでもブラジル代表後にＪ１鹿島で活躍し、日本代表監督も務めたジーコ氏のほか、ラモス瑠偉（現Ｊ２岐阜監督）、中村（横浜マ）の各氏ら日本代表で活躍した名選手がつけた。

　柴崎は、２００２年から昨季まで１４季つけた、日本代表経験者ＭＦ本山から受け継いだ。青森山田高出身で加入６年目。
「責任もあるし、クラブからの愛情や期待も感じる」。鹿島は昨季のナビスコ杯を制したが、リーグ戦は５位。優勝からクラブ史上最長の６季遠ざかっているだけに「（リーグ戦、ナビスコ杯、天皇杯）３冠の可能性を突き詰めたい」。

　昨季Ｊ１王者の広島の１０は空き番号だったが、Ｕ２３アジア選手権決勝の韓国戦で途中出場し、２得点を挙げて逆転勝利に導いた浅野を抜てき。１次リーグのサウジアラビア戦で鮮烈なミドルシュートで先制点を決めた川崎の大島は、クラブ史上初となる日本選手１０番を託された。

　昨季は無敗でリーグ戦第１ステージを制しながらチャンピオンシップ準決勝で敗れて３位だった
浦和も昨季は空き番号だったが、今季は日本代表経験がある、２８歳のＭＦ柏木が８から変更した。
山道守彦強化部長は本人から希望があったことを明かし、「中心選手の自覚が感じられた。
何か変えたいというメッセージと受け取った」と悲願の優勝への意欲の表れとみる。

　一方３季ぶりＪ１の磐田は１０が空き番号。磐田などで活躍し、１９９８年ワールドカップ（Ｗ杯）フランス大会で日本代表の１０だった名波監督は、１０を望んだ選手もいたが認めなかった。「『１０』は特別。（柴崎）岳、（柏木）陽介のようにチームで何年も結果を残さないと」と思い入れの深さを語る。

　◇Ｊ１で今季から１０番を背負う選手

　チーム　位置　名前　　年齢　昨季

　広島　ＦＷ浅野拓磨（２１）←空き番号

　浦和　ＭＦ柏木陽介（２８）←空き番号

　鹿島　ＭＦ柴崎　岳（２３）←本山雅志

　川崎　ＭＦ大島僚太（２３）←アルトゥール・マイア

　甲府　ＦＷクリスティアーノ（２９）←バレー

　大宮　ＭＦ岩上祐三（２６）←渡辺大剛

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