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1: 2018/10/22(月) 09:36:02.57 ID:CAP_USER9
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買収から10か月。今季リーグ6位と好調の地元クラブに、街は歓迎ムード

森保ジャパンに選出された遠藤航、冨安健洋をはじめ、関根貴大、小池裕太、鎌田大地と5人の日本人選手が在籍しているジュピラーリーグ(ベルギー1部)のシント=トロイデン(STVV)。1924年1月19日に創立され、ベルギーのサッカー界において90年以上の歴史を誇る、由緒あるクラブだ。

 2017年6月、日本企業DMM.comはクラブ株式の20%を取得。11月には残りの80パーセントの株式を所得したと発表し、クラブの正式なオーナーとなった。元FC東京ゼネラルマネージャーの立石敬之氏がCEOに就任し、冬の移籍市場ではまず冨安を獲得。その後も続々と日本人選手が加入して今に至る。外国枠がないベルギーリーグとはいえ、日本人が海外クラブに同時に5人在籍するという状態は前代未聞だ。

 そこで現地情報に詳しい中田徹氏に、STVVの現状を、3回に渡ってレポートしてもらった。第1回目は、こうした急激な“日本化”を、地元シント=トロイデンの人々はどう受け止めているのか。リアルな町の声をリサーチした。
    ◆   ◆   ◆

 今年の1月、立石敬之CEOに「シント=トロイデンの町を歩いていても、STVVのことを感じることが少ない」と話したことがあった。

 STVVの練習場は中心街からほど近い場所にある。スタジアムは少し離れているが、それでも駅や中心街から徒歩圏内だ。せっかく、これだけ町とクラブが密接しているのだから、サッカーの熱を感じられないのはもったいないなと思っていた。

 ところが、立石CEOは「いや、逆ですね」と私の意見を否定してから続けた。

「私は『この町のクラブはSTVVだな』というのを感じます。いや、もう、凄いですよ。『君が新しいCEOなの?』って必ず声をかけてもらいますし、質問もたくさん来ます。町ぐるみで応援してもらってます。だからもっと、スタジアムに足を運んでくださっても、良いんですけれどね」

 この立石CEOの言葉が耳から離れなかった。あれから10か月。私は平日の昼間、シント=トロイデンの街を実際に歩いてみた。

 すると、驚くことに「VOORUIT STVV(進めSTVV)」というコピーの入った、あの印象的なイエローのフラッグが、実に多くの店の軒先に飾られるようになっていたのだ。

 私は先ず、女性向けの服屋に入り「この店はSTVVと何か関係があるんですか?」と訊いてみた。クリストルと名乗った店員は、にこやかにこう答えた。

10/21(日) 16:00 サッカーダイジェスト
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181021-00048904-sdigestw-socc
軒先にSTVVのフラッグを飾り、日本企業を歓迎する声が増えてきた

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「私は試合がある日は、スタイエン(STVVのホームスタジアム)でビールを注ぐボランティアをしているの。日本人って、とてもフレンドリーだわね。ほら、クラブの首脳陣に髪の毛を後ろに束ねて、がっしりした体格の人がいるじゃない?」

 私もその人物を知っていると伝えると、彼女は楽しそうに笑った。

「彼って本当に試合後、楽しくビールを飲むのよ。クラブはリーグ6位と調子が良いし、日本企業がマネージメントするようになって、本当に良かった」

 続いて、フラッグを飾るチョコレート屋に入ってみた。母と娘が切り盛りする店だった。

「日本企業がSTVVを運営することは大歓迎よ。この子の息子が26歳なんだけど、日本に15日間、旅行に行っていたの。すっかり日本という国が好きになっちゃったみたい。その国の企業であるDMMは大歓迎だわ。試合は時々観に行くのよ」

 フラッグを飾っている薬屋に入れば「私は夫と試合を見に行ってるわ」という答えが返ってくる。パン屋の店員は「私はシント=トロイデンに住んでないし、サッカーのことはよくわからないけれど、店長が熱心なSTVVのファンなんです。今はちょっと外に出ているから、残念ながらお話はできませんけど……」と教えてくれた。
 

 様々な店に足を踏み入れるたびに、STVVとの関わりが見つかった。立石CEOの話は本当だったのだ。

 なぜ店の軒先に地元サッカークラブの旗が掲げられるようになったのかは、インタビューを繰り返していくうちに分かってきた。

 どうやら、STVV側が商店街の人たちを試合に招待し、「店に旗を飾ってください」と頼んでいるとのこと。とはいえ、この地道な活動によって徐々に「シント=トロイデンはSTVVの町」というアピールが目に見えるようになった。

 私はそれでも、彼らに「おらが町のクラブが、日本企業に買われてしまって寂しくないか?」と聞き続けた。
「STVVの日本人補強は成功したとしか言いようがない」

だが、返ってくる答えは、ポジティブなものばかりだった。

「日本人がオーナーでも、STVVはSTVV」
「サッカーは結果が全て。DMMがオーナーになって、結果が出ている」
「あまりに前のオーナーが酷かったからね…」

 そして皆、「DMMにはポジティブなイメージしか無い。彼らはクラブに投資してくれるだろう」と期待の声をあげるのだ。

 現在、STVVには冨安健洋、遠藤航、鎌田大地、関根貴大、小池裕太と5人の日本人選手が所属している。

 私は、スポーツ用品店でフランクと名乗る店員に「今のクラブは日本人選手が多すぎないか?」と訊いてみた。すると、「いいや」と彼は言った。
 

「サッカーというスポーツはとても国際的なスポーツになった。選手の国籍なんて関係ない。彼らが中国人でも、イタリア人でも、スペイン人でも、いい選手なら俺は応援する。

 冨安は19歳で才能のあるCBだ。遠藤はとてもクレバーだよね。鎌田は最近、試合に出始めたばかりなのに3ゴール。日本人選手の補強は、成功したとしか言いようがない。

 正直、夏の移籍市場で獲得したシエラレオネ人のFWブヤ、ブラジル人のSBタリソンはハズレ。ミスター・タテイシは、どんな日本人選手ならベルギーで活躍するか、もう分かったはず。これからは、日本人じゃない選手に対する目利きを磨かないといけないと思うよ」

 そして、フランクはスタジアムがもっとファンで埋まるようにと願っている。

「(1万4600人収容の)スタイエンに、昔は9000人入っていたんだ。でも、前のオーナーとファンの間で信頼関係が壊れて、観客動員が落ち込んでしまった。

 今季は5000人ちょっとでスタートしたけれど、先週は6000人を超える客が集まった。本当に少しずつで構わないから観客が増えて、いずれは昔のスタイエンのような雰囲気が戻って欲しい」

 インタビュー中、街の人々と「STVVの成績が上昇中」という話題になると、「スタイエンは“スタイヘン(オランダ語で上昇の意)”ですね!」とダジャレを飛ばした。

 すると彼らの人たちは「そう、その通り!」とゲラゲラ笑ってくれた。シント=トロイデンと地元サッカークラブの関係は、予想以上に幸せそうだった。

取材・文●中田徹


引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1540168562

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