サッカー_01

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1: 2018/10/11(木) 21:11:01.11 ID:CAP_USER9
「僕が日本代表に入るくらいなら…」。

権田修一が訴える危機感、世界と渡り合う日本人GKの必要性

日本代表は12日のパナマ戦、16日のウルグアイ戦に向けて合宿を行っている。その最中、権田修一が興味深い言葉を口にした。自らの現在地から、日本サッカー界、とりわけ日本人GKに対する危機感まで。経験豊富な29歳の守護神は、どのような思いを秘めながら日々ゴールを守っているのだろうか。(取材・文:舩木渉)

日本サッカーにおいて、GKが最も世界のトップレベルからかけ離れたポジションだ。

 これまで欧州の第一線で活躍できたのは、フランス1部リーグでレギュラーポジションを勝ち取った川島永嗣のみ。かつて先駆者として欧州に渡った川口能活も、プレミアリーグの分厚い壁に阻まれた。

 もちろん日本人GKが世界から取り残されてしまう理由はいくつもある。体格的に不利だと言われたり、言葉の問題があったり、挙げればきりがないほどだ。とはいえ初めからそれらを言い訳にしていていいのだろうか。

 ロシアワールドカップで日本代表がベスト8進出を逃し、4年後、8年後…と世界の舞台に挑むにあたって、当然ながらGKに求められるレベルも上がってくる。ピッチ上で最後の砦となる守護神の力は、勝利のために不可欠な要素だ。

 現在、日本代表は12日のパナマ戦と16日のウルグアイ戦に向けて調整を続けている。そんな中、10日の練習後に話を聞いた権田修一が、囲み取材の最後に口にした言葉が心に刺さった。

「変な話、僕が日本代表に入っているくらいだったら、日本代表が世界レベルのGKと、(川島)永嗣さんみたいに対等に渡り合うのは難しいと思う」

 この言葉には「僕は1回オーストリアにバンッと行って、オーストリアってリーグでワールドカップに出ている人が1人もいないんですよ。そこでも僕は次のチームがなかったレベルの選手なので、だから僕自身がもっとレベルを上げないと…」という前置きがあった。

 権田は2016年にオーストリアのSVホルンに所属し、同国3部リーグと2部リーグで半年ずつプレーした。ここで「ワールドカップに出ている人が1人もいない」というのは、オーストリア1部リーグで活躍するGKのことを指しているのだろう。

 ロシアワールドカップにオーストリアリーグから出場したのは、フィールドプレーヤーが2人のみ。GKは1人もいなかった。オーストリアは欧州サッカー連盟(UEFA)が公開しているリーグランキングで12位だが、「ワールドカップに出場したGKのいない中堅国で居場所のなかった自分が代表の一員である」という日本の現状に権田は危機感を覚えているのかもしれない。

2018.10.11 フットボールチャンネル
https://www.footballchannel.jp/2018/10/11/post292597/
権田が感じる「1」の重み

では、日本人GKが世界レベルに近づいていくために、今すぐできることはないのだろうか。もちろん長期的な目線で強化プランを策定していくことも重要だが、選手個々の努力で少しずつでも上のレベルに近づいていくことができるはずだ。権田は「『1』を『0』にする」ための細部へのこだわり、勝利への執着心が重要だと考えている。

「毎試合失点1で抑えていても、その『1』を『0』にしないと、世界じゃ勝てなくなるとなってくるので、そこは僕自身はまだまだやっぱりやらなきゃいけないなと思う。海外でやっている選手は助っ人として、日本でやっている選手もJリーグでチームを助けている選手がここにいる。

僕はやっぱり、そこそこ助けているかもしれないですけど、助けきれていないからサガン鳥栖があの順位(J1の17位)にいるわけであって、僕自身は欲が強い選手なので、もっと貪欲に順位を上げられるような選手にならないといけないなと思うし、1点だけに抑えられるじゃなくて、毎試合全部抑えられるようなGKを目指さなきゃいけない」

 日本代表として最後にピッチに立った2015年3月のチュニジア戦から、約2年7ヶ月経った。権田はその間にオーバートレーニング症候群による長期離脱を乗り越え、海外移籍も経験したが、ロシアワールドカップ出場は叶わなかった。だが、仲間たちの戦いぶりを見て、改めて「1」の重みを感じているようだった。

「世界と対戦していく中で、やっぱりたくさん点が獲れる試合ってなかなかないじゃないですか。(ロシアワールドカップの)ベルギー戦みたいに3-2というのはたまにはありますけど、でも基本的には1点勝負とか、その1個を守るか、取り切れるかという勝負になった中で、やっぱりGKがそこの『1』を守れるかどうかで決まってくるところがあると思う。

だから僕が今プレーしているサガン鳥栖では、毎試合多少は止めていますけど、全部止められていないから負けているわけで。日本を背負うという意味では、『いやぁ、何本止めたんだけど1本決められちゃった。負けちゃいました。でも頑張ったよね』じゃなくて、より結果を求められるのが日本代表なので、そこの部分はもっと、もう一歩、二歩いけるようにしないと、日本人のGKが日本代表で世界と戦う時にチームに貢献することはできないと思う。そこはもっと求めていかなきゃいけない」
世界の壁を破るためにトップレベルのGK育成を

Jリーグで10年以上キャリアを積み上げ、J2降格も経験し、欧州の基準も知るからこそたどり着いた境地。毎試合万全な準備をして、勝利のためにベストを尽くし、権田は常にレベルアップを志している。

 とはいえ世界あるいは欧州のトップレベルを経験した経験のある日本人GKが少ないのは、先に述べた通り。4年に一度のワールドカップで体感することはあっても、やはり日常的に「世界」を感じられる環境に勝るものはない。

 若くして日本を飛び出したGKたちからは、いくつか興味深い発言を耳にした。現在スペイン2部のエストレマドゥーラUDに所属するU-21日本代表GK山口瑠伊は、FC東京U-18からフランスの育成の名門ロリアンの下部組織へ移籍して「メンタリティが一番変わったと思います。『とにかくゴールを入れさせないこと』はフランスでよく言われていて、そのために1日1日練習しています。(日本では)GKとしてのディフェンスだったり、テクニックだったりが重視されていて、フランスに行ったら『ゴールを守る』ところをより意識するようになりました」と話していた。

 現在サガン鳥栖で権田とともにプレーするファンティーニ燦は、イタリアのチェゼーナで育成された。彼も本場の指導を受ける中で、セリエAでも実績豊富なベテランGKと身近に接して「あるときミカエル・アガッツィ(元ミラン、カリアリなど)が紅白戦をしていて、他のベテランの選手と違って若手だけに特別な声をかけているような感じがして、それはすごく驚きました。コミュニケーション能力が違いましたね」と、トップレベルとの差を肌で感じ取った。

 彼らは一流の「『1』を『0』にする」ための術を、すぐそばで体感しながら育ってきたわけである。一方、日本には同様の高いレベルを身近に感じながら指導を受けられる環境がない今、世界と対等に渡り合える日本人GKを輩出するには海外へ挑戦させるしかないのかもしれない。だが、個人レベルだけではあまりにも先が細すぎる。

 日本代表がワールドカップでベスト8以上を目指すのであれば、GKのレベルをもう1段階、2段階上げなければいけないのは間違いない。まずは権田が言うように目の前の試合でゴールを死守して「『1』を『0』にする」ために全力を尽くし、状況に応じた最適な判断を積み重ね、レベルアップのために個々が細部のあらゆるところまでこだわりを持って地道に突き詰めていくことが成長への最長にして最短のルートになる。

 さらに並行して、より長期的な目線に立ったGKの育成プランを作らねばならない。それは一流の指導者を招へいする、若手選手を海外に送り込むなど様々な形が考えられるが、「世界と対等に渡り合える日本人GKの育成」は、4年後を見据えて日本サッカー界が真剣に取り組まなければならない重要テーマだ。

(取材・文:舩木渉)


引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1539259861

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