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1: 2018/07/09(月) 23:24:25.10 ID:CAP_USER9
【フィジカル的視点で見るサッカー論】理学療法士の樋口氏が提言「屈筋優位の体を改めよ」

J2ファジアーノ岡山の元トレーナーで、現在はパーソナルトレーナーとしても活動している理学療法士の樋口敦氏。SNSなどを通じて、日々サッカー選手の体づくりについての情報発信を精力的に行っている。

ジュビロ磐田のFW川又堅碁のトレーナーも務める樋口氏は、日本人選手がモデルケースとすべき選手としてマンチェスター・ユナイテッドのチリ代表FWアレクシス・サンチェスの名前を挙げている。

 その真意は、果たしてどこにあるのか。樋口氏に話を訊いた。

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 トレーナーとして選手の体づくりを研究している樋口氏。「良い選手か悪い選手かを判断するためには、まず筋肉のボリュームを見る」と話す。特に重要視するのは体の後ろ側にある筋肉、つまりは伸筋の部分だという。比較して見ると、海外のトップ選手と日本人選手の違いは一目瞭然だという。

「僕が重要だと考えているのは広背筋、大臀筋、ハムストリングスです。反対にその拮抗筋にあたる体の前の筋肉(屈筋)はつき過ぎていない方がいいんです。大胸筋、腹直筋、大腿四頭筋が優位になりすぎないようにすべきです」

 伸筋とは、文字通り体を伸ばす時に働く筋肉のこと。人が立つ時にはこの伸筋が働き、屈筋は体を曲げる時に働く。大胸筋や腹直筋などは目に見えて分かりやすく、一般的に筋トレというと、このあたりの筋肉を鍛えるイメージを持つ人が多いかもしれない。

 しかし、サッカー選手は格闘家やラグビー選手のように丸太のごとく太い腕や、ぶっくりと膨れ上がった胸の筋肉は必要ない。「全くないのはもちろんダメですが」と前置きしたうえで、「サッカー選手のように長い時間動き続ける有酸素能力と、スプリントのような瞬発的な能力の両方が求められる場合は、鍛えるすぎる必要はありません」と樋口さんは強調する。

 屈筋に比べると、伸筋の方が持久力に優れているということも関係している。屈筋優位の体になると、持久力の低い疲れやすい体になる。サッカーが90分という長い時間動き続ける必要があることを考えると、理解しやすいはずだ。

 また、サッカー選手の負傷で多く聞かれるグロインペイン症候群も、恥骨や鼠径部周りの屈筋を酷使することによって痛みが生じているものだ。

7/9(月) 20:05配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180709-00120539-soccermzw-socc

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注目すべきサンチェスの肉体 

 こうした話を聞いたうえで、サンチェスの体を観察してみる。すると胸板の厚さがしっかりとしていることは確かだが、大胸筋はそれほど大きく膨れ上がっていないことに気がつく。 

 その一方で、驚くのは背中の筋肉だ。肩甲骨の下辺りについている大きな広背筋が、体の正面から見てもぐっと盛り上がっていることが分かる。日本人でこれだけ背中の筋肉が発達しているアスリートは、そういないだろう。 

 さらにサンチェスは脚も太ももの前に無駄な筋肉は一切なく、お尻もくっと持ち上がっているのに対して、膝から下はすっと細い。 

 サンチェスの身長は約170センチと日本人選手とも変わらないサイズだ。だからこそ樋口さんは注目している。 

「人種の違いによる手足の長さはあるにせよ、意識して体づくりに取り組めば、こうした理想の体型に近づくことは可能」だと語り、日本人が目標とすべき選手として名前を挙げたのだという。 

意識すべきトレーニングコンセプト 

 ちなみに、樋口さんは育成年代の選手の指導にも力を入れている。サンチェスのような体を作るうえで大切なトレーニングについても話を聞くと、明確なコンセプトを持っており、それは3つの要素に分かれている。 

「一つ目は一番の基礎とも言える部分で、関節の可動域の確保です。パフォーマンスを上げるにはまず関節の可動性が必要で、これがトレーニングピラミッドの底辺にあるものです。二つ目は支持性・安定性が必要な関節の周りにある筋肉を鍛えること。三つ目は体の外側にある大きな筋肉を鍛え、パフォーマンスを高めるというこの三要素です」 

 可動域が必要な関節は胸椎、股関節、足関節(足首)。反対に安定性が求められるのは腰椎という、いわゆる体幹に含まれる部分と肩甲骨周辺の肩甲帯。そして最後に鍛えるべき大きな筋肉というのは、前述した広背筋、大殿筋、ハムストリングが代表的なものだ。 

「これらを順番に一つずつ鍛えていくとしたら相当な時間がかかってしまいますが、育成年代から始めていけば確実に積み上げていくことができます」 

 こうしたコンセプトに基づいた体づくりは、当然育成年代から取り組むべき課題だが、実際に徹底した管理がなされているかと言われればそうではない。高校生年代の選手も指導する樋口さんによれば、名門校と呼ばれる学校でも十分なトレーニングが行われていないという。 

「体を作る上での地図を描けていない。よく言われる例えで、『地図を持たずに富士山を上るようなものだ』と。地図を持っていれば最短のルートで上ることができるのに、今の育成年代の子たちは地図を持たずに闇雲に進んでいる子どもが多い。行き当たりばったりで富士山を登ろうとしては、結局頂上には辿り着けないですよね。鍛えるうえで、まずは地図を描けるかどうかというのは重要です。僕のようなトレーナーとしては、そういう部分を教えることができるかが“質”と言えますね。知っていれば応えられる。知らなければ何も言えないですから」 

 理想の体づくりのためには、トレーニングのメソッドはもちろん、栄養バランスを考えた食事も摂らなければいけないことは言うまでもないことだ。アスリートの体づくりに、本屋に並ぶような「1週間で○○」、「これだけやればOK」というような方法はどこにもなく、日々の積み重ねが重要となる。 

 日本からサンチェスのような理想的な体型の選手は生まれるのか。そのためには、育成年代から正しい知識を取り入れていかなければならないことは間違いない。
引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1531146265

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