オシムはベルギー戦をどう見るか「可能性は日本の方が少し高い」
1: 名無し@サカサカ10 2018/06/30(土) 15:28:54.61 _USER9
日本がグループリーグ突破を果たしながら、試合終盤の消極的な戦い方が論議を呼んだポーランド戦に関して、試合直後と翌日の2度にわたりイビチャ・オシムから話を聞いた。ここに掲載するのは、翌日に彼の口から語られた言葉の数々である。
彼が積極的に語ったのはベルギー戦に向けての展望であり、ポーランド戦の終盤については、私が何度も質問を繰り返してようやく重い口を開かせたのだった。
語りたくなかったところに彼の真意がある。そしてその真意は、決して否定的なものではなかった。たとえ口にしなくとも、オシムの言わんとすることは、彼の言葉の間から十分に伝わって来る。
ベルギー戦はラウンド16のベストゲーム。
――元気ですか?
「ああ、皆が満足している」
――こちら(ロシアの取材陣)もそうですが、日本では試合終盤の消極的なボール回しが糾弾されています。
「もうその話は止めた方がいい。次のベルギー戦はまったく別の試合であるからだ」
――その通りですが。
「彼らを過大評価しても過小評価してもならない。まあ、選手の名前を見たときに過小評価は難しいかも知れないが。ただ過大評価は日本にとって危険だ。というのも戦いはまず頭の中で始まるからだ。それがあらゆる問題を引き起こしうる。
また休息も重要だ。今日のサッカーではフィジカルの占める割合が大きい。疲れが抜けなければそれだけで問題になる。常に万全でなければならない。どんなに優れた選手でも、走れなければ話にならない。
日本の人たちは今、大いに満足しているだろう。代表は素晴らしいイメージをロシアでも与えたのだから。
政治や経済と同様にサッカーでもあなた方はすでに多くのものを成し遂げ、これまでの幾つかの試合で違いを示してきた。それには重要な試合も、さほど重要でない試合もあったが、チームはまさに日本を代表して戦ってきた。そのメンタリティーやキャラクターを通して。そうした点を考慮しなければならない。
ベルギー戦は日本の存在を賭けた試合になるだろう。というのもメンタル面でもフィジカル面でも日本に何ができて何が可能であるかを試される試合になるからだ。もちろんサッカーの面においてもだ。すべてが満たされ、そのすべてが出し尽くされたときに、自分たちがどこに向かうべきかが初めてわかる。
ベルギーはそれだけの注意を要する相手だ。まったく異なるふたつの文化の対戦であり、異なるサッカーの対戦でもある。素晴らしい試合になるのは間違いない。ラウンド16のベストゲームになるだろう。日本はこのチャンスを決して見過ごしはしない。日本が新たな努力を始めるための絶好の機会であるからだ」
つづく
ナンバー6/30(土) 13:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180630-00831218-number-socc
2: 名無し@サカサカ10 2018/06/30(土) 15:29:11.83 _USER9
「可能性は日本の方が少し高いと見ている」
――これまでの流れからいっても、西野監督もそういう戦い方をすると思います。
「もちろんベルギーもここで負ける気はさらさらない。彼らはワールドカップでもEUROでも、1度もタイトルを手にしていない。大きな成功は何もない。強い野心を抱いた相手を敵にするのは日本にとって悪いことではない。
日本は何としてもベルギーに喰らいつく。日本にはそれが可能だ。そしてどちらにもチャンスはある。ともに高いクオリティを持っているからで、可能性は日本の方が少し高いと私は見ている。日本人の方が機動性が高く、小柄だが頑強でもあるからだ。どんな場面でも的確に位置をとり的確に対処することが日本人はできる。その点で日本に多少のアドバンテージがある。
もちろんベルギーの能力も高く、赤い悪魔というニックネームは伊達ではない。しかし赤が目立ちすぎるのも暑苦しいから、日本の手で少し脱色した方がいいかも知れない(笑)。
「すべてを台無しにするわけにはいかない」
――話を戻しますが、ポーランド戦での西野監督の決断は、グループリーグ突破のために適切だったと言えますか?
「私が君に言えるのは、私のような人間がそれについて語るのはとても難しいということだ。状況はこうだった。リーグ突破という困難な目標の達成を目前にして、すべてを台無しにするわけにはいかない。90分が過ぎ去るまでは決して安心できない状況で、チームは不安定にもなりやすい。ラウンド16に行くための贈り物など何もない。
十分に調べ尽した相手を目の前にして、自分たちも相手に喰らいついているが、相手もまたこちらに喰らいついている。しかもしっかりとしたプレーができる相手だ。日本と同様に彼らもまた機動力に富み、ビッグクラブでプレーをしている選手たちだ。
私が言いたいのはそういうことで、ひと試合ならどんなプレーもできる選手(レバンドフスキ)が向こうにはいた。プレーができるというのは大きなことだ。彼が誰にもチャンスをもたらせるからだ。
だからこそ私は、チャンスが日本の側にも巡って来ることを願っていた」
つづく
――これまでの流れからいっても、西野監督もそういう戦い方をすると思います。
「もちろんベルギーもここで負ける気はさらさらない。彼らはワールドカップでもEUROでも、1度もタイトルを手にしていない。大きな成功は何もない。強い野心を抱いた相手を敵にするのは日本にとって悪いことではない。
日本は何としてもベルギーに喰らいつく。日本にはそれが可能だ。そしてどちらにもチャンスはある。ともに高いクオリティを持っているからで、可能性は日本の方が少し高いと私は見ている。日本人の方が機動性が高く、小柄だが頑強でもあるからだ。どんな場面でも的確に位置をとり的確に対処することが日本人はできる。その点で日本に多少のアドバンテージがある。
もちろんベルギーの能力も高く、赤い悪魔というニックネームは伊達ではない。しかし赤が目立ちすぎるのも暑苦しいから、日本の手で少し脱色した方がいいかも知れない(笑)。
「すべてを台無しにするわけにはいかない」
――話を戻しますが、ポーランド戦での西野監督の決断は、グループリーグ突破のために適切だったと言えますか?
「私が君に言えるのは、私のような人間がそれについて語るのはとても難しいということだ。状況はこうだった。リーグ突破という困難な目標の達成を目前にして、すべてを台無しにするわけにはいかない。90分が過ぎ去るまでは決して安心できない状況で、チームは不安定にもなりやすい。ラウンド16に行くための贈り物など何もない。
十分に調べ尽した相手を目の前にして、自分たちも相手に喰らいついているが、相手もまたこちらに喰らいついている。しかもしっかりとしたプレーができる相手だ。日本と同様に彼らもまた機動力に富み、ビッグクラブでプレーをしている選手たちだ。
私が言いたいのはそういうことで、ひと試合ならどんなプレーもできる選手(レバンドフスキ)が向こうにはいた。プレーができるというのは大きなことだ。彼が誰にもチャンスをもたらせるからだ。
だからこそ私は、チャンスが日本の側にも巡って来ることを願っていた」
つづく
3: 名無し@サカサカ10 2018/06/30(土) 15:29:36.94 _USER9
「望みすぎてすべてを失っては駄目だ」
――そこで最も可能性の高い選択をしたから日本はチャンスをモノにできた。現実的かつ不可避な判断であったと言えるのでしょうか?
「その通りで、そこは騒ぎ立てるべきではないし、あまり多くを望むべきでもない。望み過ぎてすべてを失い、後に失望することがないように。それでは駄目だ。
知るべきはあまり大きな望みを抱かないことだ。それで失望しては元も子もないからだ。ここまで成し遂げたものを台無しにするのは避けるべきだ。
今、日本はサッカーをノーマルに実践しはじめた。観客がスタジアムで失望することはない。必ず何かの満足を得ている。サッカーのためのインフラを整備して、素晴らしいプレーが生まれる環境を整えた。立派なスタジアムは今やそれぞれの都市のモニュメントだ。そうしたことすべてが、無に帰してしまうような喪失感を与える失望だ」
――私も日本での批判はちょっと行き過ぎだと思います。
「今、テレビでは日本・ベルギー両チームのデータや、日本が勝ちぬく可能性などを語っている。それぞれのチームの長所や短所など、事前に知っておくと有益な情報だ。
ベルギーは本当に素晴らしいチームだ。小柄なメルテンスやアザール、大きなフェライニやルカク……。構成がバラエティに富んでいるうえに、機動力も高い」
――野心もあります。
「日本は何人かの選手には休息が必要だった。長谷部、香川……」
――彼らは休息を取りました。
「私はそうはしなかった。選手がいいプレーをしたら、次の試合でもそのままプレーをさせ続けた」
――最後にひとつ、あなたは西野監督を支持しますか?
「支持する。彼は選手にプレーさせることを知っている。とてもいいことだ。妻がそろそろと言っている」
――わかりました。メルシー、イバン。
(「ワインとシエスタとフットボールと」田村修一 = 文)
――そこで最も可能性の高い選択をしたから日本はチャンスをモノにできた。現実的かつ不可避な判断であったと言えるのでしょうか?
「その通りで、そこは騒ぎ立てるべきではないし、あまり多くを望むべきでもない。望み過ぎてすべてを失い、後に失望することがないように。それでは駄目だ。
知るべきはあまり大きな望みを抱かないことだ。それで失望しては元も子もないからだ。ここまで成し遂げたものを台無しにするのは避けるべきだ。
今、日本はサッカーをノーマルに実践しはじめた。観客がスタジアムで失望することはない。必ず何かの満足を得ている。サッカーのためのインフラを整備して、素晴らしいプレーが生まれる環境を整えた。立派なスタジアムは今やそれぞれの都市のモニュメントだ。そうしたことすべてが、無に帰してしまうような喪失感を与える失望だ」
――私も日本での批判はちょっと行き過ぎだと思います。
「今、テレビでは日本・ベルギー両チームのデータや、日本が勝ちぬく可能性などを語っている。それぞれのチームの長所や短所など、事前に知っておくと有益な情報だ。
ベルギーは本当に素晴らしいチームだ。小柄なメルテンスやアザール、大きなフェライニやルカク……。構成がバラエティに富んでいるうえに、機動力も高い」
――野心もあります。
「日本は何人かの選手には休息が必要だった。長谷部、香川……」
――彼らは休息を取りました。
「私はそうはしなかった。選手がいいプレーをしたら、次の試合でもそのままプレーをさせ続けた」
――最後にひとつ、あなたは西野監督を支持しますか?
「支持する。彼は選手にプレーさせることを知っている。とてもいいことだ。妻がそろそろと言っている」
――わかりました。メルシー、イバン。
(「ワインとシエスタとフットボールと」田村修一 = 文)
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