1: 名無し@サカサカ10 2018/06/27(水) 20:01:50.72 _USER9
「とても驚いた」というのが、フィリップ・トルシエの第一声だった。

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 日本対セネガル戦の直後、監督記者会見の後に電話をしたときのことである。

 彼の驚きは、恐らく試合を見ていたほとんどの人たちの驚きでもあっただろう。結果こそ2対2の引き分けだったが、それほどまでにこの試合の日本は素晴らしかったからだ。

 それではトルシエは、セネガル戦に何を見たのか。忌憚なき言葉でトルシエが語った。

哲学に基づいたプレーを実践した。
――どうして「驚いた」のですか?

「コロンビア戦もセネガル戦も、日本は相手よりも劣っていると見られていた。だがこの2試合を見る限り結果は妥当だ。今日、日本が勝っていても私には驚きではなかった。チャンスは日本の方が多かった。

 セネガルが頼りにしたのは彼らの長所で、とりわけカウンターアタックには威力がある。日本はそんなセネガルに対し自分たちの哲学に基づいた自分たちのプレーを実践した。そして幾度もチャンスを作った。先制点を喫した後も、まったく臆することなく、同じ意志の強さを示し続けた。

 選手たちが才能に溢れていることを日本は見せつけた。それはすでに分かっていたことだが、アジアではなかなか示す機会がなく、いつも4年ごとにワールドカップまで待たねばならないものだった。才能が発揮される舞台はワールドカップしかなかった。

 だからこそ驚きだった。4年ごとにしか機会がなく、アジアでの戦いに普段は専念しなければならない。だが日本は、4年ごとに着実に進歩していることをここに示した。その点を私は評価したい。

 今やすべてが可能だ。もちろんまだ何も勝ち取ったわけではない。しかし日本は運命の鍵を自らの手に握っている。必要なのは勝ち点1だ。そして今日の自信に溢れた日本を見る限り、グループリーグ突破の希望は大いにあるといえる」

つづく

2018/06/27 11:30
http://number.bunshun.jp/articles/-/831185?page=1

2: 名無し@サカサカ10 2018/06/27(水) 20:02:22.93 _USER9
日本はコレクティブな動きに溢れた。
――結果は引き分けでしたが、それでも日本と西野監督にとっての勝利ということでしょうか?

「方法論の勝利であり、哲学の勝利だ。日本は攻撃的なスタイルを最後まで崩さなかった。何のコンプレックスも抱くことなく自分たちのプレーを実践した。存在感のある試合でゴールもしっかりと決めた。ポジティブな点の多い素晴らしいゲームだった。

 そして日本は後半にセネガルの野心を挫いた。後半のセネガルはプレーが思うようにできず、選手たちは膠着したままだった。日本は彼らを無化することに成功し、ゴールを決めてもまったくおかしくはなかった。日本の勝利に終わっても誰も異を唱えなかっただろう。

 セネガルの2点目は試合の流れとは関係のない得点だった。流れに反する理に叶わない得点だがそれもまたサッカーの一部だ。それでも日本は諦めなかった」

――セネガルのシセ監督は、今日のセネガルの出来はポーランド戦よりずっと悪かった、素晴らしいセネガルを見せることはできなかったと言っていましたが、それは日本がボールを支配してゲームをコントロールしたからでしょうか?

「その通りで、セネガルは良くなかったのは日本がセネガルを上回ったからだ。日本はコレクティブなプレーでセネガルを破壊し、技術で破壊した。そして攻撃的なプレーで破壊した。

 長友と酒井のオーバーラップや乾、香川、原口の前へのプレー。日本はとてもアグレッシブで、多くの可能性と自信、コレクティブな動きに溢れていた」

つづく

4: 名無し@サカサカ10 2018/06/27(水) 20:03:28.36 _USER9
先制点で指摘した、もう1つのミス。
――サディオ・マネは、前半は左サイドでプレーしましたが後半はより中央にポジションを取りました。それは酒井のマークが厳しかったからでしょうか、それともリズムを変えたかったからでしょうか?

「思うようにボールに触れられなかったからポジションを変えた。ただ、マネ自身に関していえば決して悪い試合ではなかった。チームメイトたちが彼に表現する機会を与えられなかっただけだ」

――それでは試合の鍵となったのは?

「それは野心であり自信であり、ひとつになろうとする意志だった。それが鍵であり力だった。日本はしっかりとサッカーをプレーした。それこそが日本サッカーが体現した勝利だ」

――選手についても少しお話を聞きたいのですが。この2試合で、乾の果たした役割はとても大きかったと思いますが。

「彼は本当に素晴らしかった。そのスピードとドリブルで、日本の攻撃の大きなアクセントになっていた。柴崎もまた素晴らしかったし、長谷部、大迫、香川……。日本は選手全員が試合中に進化を遂げた。

 ただ、先制点については原口がミスしたと思う。コーナーに避けるべきだった。川島が小さなミスを犯したのも確かで、その点に関しては弁解の余地はない」

――初戦も含め川島は安定感を欠いているとは思いませんか?

「そうだが代えることは出来ない。何故なら彼には経験があるし、日本はこの2試合を負けてはいないからだ。彼が2回ミスを犯したのは確かだが、今日に関してはパンチングは間違っていなかった。キャッチするよりもはじき返すべきだった。

 コロンビアの1点目も壁の下を通り抜けた。ジャンプした壁の下だ。だから彼ひとりの責任であるとは言えない。セネガル戦のミスについても、彼だけが責められるべきものではない。

 しかもそのミスが結果に影響を与えたわけではなかった。何故ならセネガルのGKも、日本の2点目に関してミスを犯したからだ。つまりどちらもサッカーの一部と言えるわけで、川島を外すメリットが私には感じられない。彼はその経験と実績で、チームに安定感をもたらすことができるからだ。このレベルの大会では、しばしば経験がモノを言う」
アクシデント以外はいじらない方が。
――次はポーランド戦で、セネガルともコロンビアともタイプが異なりますが……。

「日本にとってはプレーしやすいと思う。ポーランドはヨーロッパスタイルのチームだ。もしこの後のコロンビア戦でポーランドが勝ったら、日本にはもの凄く難しい試合になる。世界のトップ10に入るチームとの対戦であるからだ。コレクティブなチームでもあり、日本はまだ何も得ているわけではない。

 しかしポーランドがコロンビアに敗れるようなら、日本のチャンスはずっと広がるのは間違いない。しかし勝ったなら……」

――決戦になるわけですね。

「そうだ。コロンビア戦の結果次第だが、もしもポーランドとの決戦になったら、直接対決の結果がそのままグループリーグ突破か敗退かを分けることになる」

――それではポーランド戦も、同じメンバーと同じやり方で臨むべきだと思いますか?

「何かアクシデントがない限りは変えない方がいい。香川の代わりに本田、柴崎の代わりに山口という選択肢もあるが、そこはいじらない方がいいだろう」

――メルシー、フィリップ。

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