1: pathos ★ 2018/06/11(月) 23:25:52.31 ID:CAP_USER9
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淡白に敗れる西野ジャパンに問いたい。「なぜ、ポジティブでいられるのか」と

8年前に岡田監督がやってのけたことのほうがギャンブルだ

 ワールドカップ開幕2か月前に起こった今回の監督交代劇を、無謀なギャンブルと見る向きもある。しかし、23人枠の人選や選手起用も含めて、西野監督のここまでの取り組みは決して想像の範疇を超えるものではない。8年前に岡田監督がわずか2週間でやってのけたことのほうが、ギャンブルと言えばよほどのギャンブルだ。
 
 今の代表チームから、良く言えば平穏な、悪く言えば座して死を待つような達観した空気が漂うのはなぜだろう。
 
 スイスに0-2の完敗を喫した後の記者会見で、「今のチームに危機感を感じているか?」と問われた指揮官は、こう答えている。
 
「なぜ、ネガティブにならないといけないのか。チームとしての危機感はまったく感じていない」
 
 監督就任後の2試合は、いずれも絶対にやってはいけない先制点をあっさりと与え、ゴールが生まれる予感さえ漂わせることなく、終始淡白なまま敗れた。だから逆に問いたい。「なぜ、ポジティブでいられるのか」と。
 
 それが一世一代の死んだふりなら、喜んで気付かないふりをしよう。けれど、あのサッカーに指揮官が本気で可能性を感じているとしたら──。
 
 8年前の岡田監督は、それまでのサッカーでは世界を相手に通用しないと、水中深く潜航しながら勝つための策を巡らせ、そしてギャンブルに打って出た。
 
 当時、解任キャンペーンの先陣を切った『週刊サッカーダイジェスト』には、岡田ジャパンのベスト16進出が決まると抗議の電話やメールが相次いだし、ネット上でもずいぶん叩かれたものだ。
 
「岡田監督に謝れ」

西野監督と選手たちが挑むのは、日本にサッカーの熱を取り戻すための戦いだ

 サッカーのスタイル自体を大転換させての勝利だったのだから、それが理不尽な要求だと思う一方で、そんな風にして世の中に再びサッカー熱が湧き上がってきたことを、素直に嬉しくも感じていた。
 
 そう、西野監督と選手たちがこれから挑むのも、日本にサッカーの熱を取り戻すための戦いなのだ。ここで無抵抗のままグループリーグ敗退となれば、それこそ日本サッカー界は氷河期に突入しかねないだろう。
 どうか、それだけの大きな責任を背負っていることを、忘れないでほしい。
 
 彼らは今、命綱なしでタイトロープの上に立っている。
 きれいに渡り切ることなど、誰も期待していない。問われるのは、無様でも、ロープにしがみついてでも、崖の向こう側までたどり着いてみせようという覚悟だ。
 
 8年前のような起死回生の策を編み出せとは言わない。ただ、危機感や覚悟をチームに植え付けることは、残された時間でも十分にできるはずなのだ。
 
取材・文●吉田治良(スポーツライター)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180611-00041932-sdigestw-socc&p=3


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