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1: 2018/06/10(日) 15:43:57.21 ID:CAP_USER9
3バックでは長谷部を活かすヴィジョンが描けていたのか?

もし西野朗監督が、本当にポリバレントなタイプを優先するなら、長谷部誠は理想の選手だ。浦和レッズからドイツに渡り、ボランチだけではなく、サイドバック、トップ下、センターバックなど様々なポジションをソツなくこなしてきた。もちろんヴォルフスブルグへ移籍した頃の長谷部は、SBでの出場に納得している様子ではなかった。「出場できることはポジティブに考えたいけれど…」と、複雑な想いも吐露している。

 一方フランクフルトで直接指導した経験を持つトマス・シャーフ元監督に、長谷部の適性ポジションを尋ねると、こんな答えが返って来た。
「長谷部はゲームを読める選手だ。監督なら、そういう選手を中央に配して置きたいと考えるものだ」

 おそらく日本代表で長谷部がキャプテンマークをつける理由のひとつでもある。ピッチ上で様々な役割をこなし、トップレベルで多角的にゲームを経験してきた。利発で統率力があり、明確なタスクを与えれば、しっかりと咀嚼して応えようとする。

 日本代表監督時代に、イヴィツァ・オシムがこんな話をしていたことがある。
「ロナウジーニョを守備に回してしまえば、ロナウジーニョではなくなる」

 要するに、どんなに強い相手でも、長所を消してしまう戦い方を描ければ、つけ入る隙があると言いたかったわけだ。
 
 西野監督が長谷部に全幅の信頼を置いているのは間違いない。むしろ就任以来の2戦を見れば、依存さえしているという見方も出来る。ガーナ戦で試した3バックも、何より長谷部ありきの実験だったはずだ。だが所属のフランクフルトと同じように長谷部を軸に3人を並べてみたものの、肝心な長谷部を活かすヴィジョンが描けていたかは疑問だ。日本はガーナの1トップに3人が対応する人余り現象が起こり、しかも屈強なE・ボアテングへの対応を何度か長谷部が強いられ、それが2失点目の混乱にも繋がった。

 逆にビルドアップでは十分な余裕があったが、単純な各駅パスしか出せていない。5バックの後傾状態からゆっくりとパス回しが始まるので、斜めのロングフィードでワイドに起点を作るダイナミックな初動は見られなかった。単純に最後尾で数的優位を作るだけの3バックに、長谷部を起用するメリットは見えて来ない。堅守を担保したいなら、別の選択肢でも良かった。

サッカーダイジェスト 6/10(日) 12:22
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180610-00041843-sdigestw-socc

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大島僚太は守備から攻撃へと切り返す起点として代えが利かない

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おそらくガーナ戦を経て、本大会での3バックという選択肢は消えたはずだ。西野監督は「終盤追いかける展開で4バックにして攻撃に出た」と語っており、3バック(5バック)はなんとか勝点を拾いたい最難関のコロンビア戦を想定したものだろう。ところが肝心な守備に綻びが目立ち、これでは到底メドが立たない。さすがにスイス戦では、長谷部をボランチに戻して4-2-3-1で臨んだ。

 この2戦を通じて、西野新体制の軸になるのが大島僚太であることがはっきりとした。フィジカル面では懸念材料もある大島だが、対人、対チームで相手のバランスを見極め、ボールをさばき動かす能力は卓越している。守備から攻撃へと切り返す起点として代えが効かない。こうした現状でバランスを考えれば、コーチング能力も含めて長谷部がベストパートナーになる。大島がハリルホジッチ前監督に「しゃべるようになった」と驚かれたほど物静かなタイプだけに、やはり指揮官は声を出せるキャプテンに隣で牽引してほしいと考える。
 
 西野監督は次のパラグアイ戦に「バックアップメンバーを出す」と口にしてしまったほどで、現状でスタメンとの線引きは揺るぎない。スイス戦の采配からも、新監督は自ら描くスタメンでの発進に固執しているように見える。だが2戦を通じても経験豊かな主力組の何人かには、明白な疑問符がついた。特にコロンビア戦で黒星発進をした場合には、大胆な攻撃的なオプションが必要になる。むしろ日本らしく戦うための監督交代だったのなら、山口蛍をアンカーに据え、大島と柴崎岳をMFに並べる4-3-3など、相手を守備に回すための賭けも検討するべきかもしれない。

文●加部 究(スポーツライター)


引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1528613037

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