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1:3倍理論 ★:2018/04/20(金) 14:22:27.85 ID:CAP_USER9.net
音楽や映画の市場に海外から訪れているデジタル配信の大きな波が、スポーツ界にもやってきている。その台風の目といえる存在が、スポーツ・チャンネル「DAZN(ダゾーン)」だ。2016年8月に日本でサービスを開始し、2018年4月現在、ドイツ、オーストリア、スイス、カナダでもサービスを提供している。

日本では月額1750円(税抜)で130以上のコンテンツが年間7500試合以上、テレビやスマートフォン、PC、ゲーム機など、マルチデバイス環境で見放題。明治安田生命Jリーグや、プロ野球をはじめ、MLB、F1?、UFC、Vリーグ、NFL、WTAなど、多くのメジャーなスポーツコンテンツをカバーし、日本における契約数は200万件を目標に日々成長している。

DAZNを運営するのは、英国を拠点に世界展開するデジタルスポーツコンテンツ&メディアグループのPerform Group。 2007年にプレミアムTV(スポーツ部門でのインターネットとモバイルソリューション事業)とインフォーム・グループ(スポーツのデジタル権利事業)の合併により誕生した。

今回、DAZNのCEOでPerform GroupのCEOでもあるジェームズ・ラシュトン氏が緊急来日。英国生まれで、学生時代はサッカー選手だったそうだ。好きなチームは「バーミンガム・シティFC」で、前職では同チームのコマーシャルディレクターを務めた。そんなスポーツ通のラシュトン氏に、日本進出を決めた理由、勝ち続けるための戦略を、日経BP総研マーケティング戦略ラボ 上席研究員 品田英雄が聞いた。

品田英雄(以下、品田):私もDAZNでサッカーや野球を楽しんでいる視聴者ですが、今回は、まだDAZNを知らない読者にも分かりやすいように、少し振り返りながら話を聞かせてください。

2017年にJリーグとDAZNが10年間、約2100億円という大規模な放映権契約を締結して、「明治安田生命J1、J2、J3の全試合生中継」が始まりました。この年、Jリーグは過去最高の観客動員を記録し、DAZNで全試合を見られるようになった効果も大きいのではないかと話題になりました。先日、Jリーグの村井満チェアマンのお話を聞く機会があったのですが、DAZNの登場で日本のサッカーファンの観戦スタイルが大きく変わったと感じているそうです。CEOの立場からビジネス、マーケティング的な視点で見たときに、これまでの日本での成果、状況をどのように捉えていますか?

ジェームズ・ラシュトン(以下、ラシュトン):ローンチの当初から、必ず公の場でお伝えするようにしていたのが「ファンファースト」、つまり、ファンのために何ができるかを最優先にしたい、という思いでした。契約数200万突破という目標も、達成が見えてきています。ファンの皆様に評価いただけている成果と、非常にうれしく思っています。

品田:そもそもDAZNはどのような経緯で始まったのですか?

ラシュトン:何年か前、日本という市場も視野にDAZNをどうやってローンチするか、を考えていたときのことです。私はゴルフも大好きなんですが、たまたま日本で「マスターズ・トーナメント」をテレビ視聴していました。すると、試合の途中で「2時間のアニメ番組を放送するので中断する」というアナウンスが入ったんです(笑)。非常にフラストレーションがたまりまして、一人のスポーツファンとして、見たいときに見たいものが見られる、ストレスフリーの状況が絶対に必要だと…。その瞬間ですね。「やっぱりDAZNは日本でやるべき」と思ったのは…。あと、現状のいわゆる、ペイTVなどにおいて、スポーツというものの価値が、日本のファンに手ごろな値段で届けられているか、という疑問を抱いたことも、DAZNを立ち上げた理由として、大きいです。それまで、日本におけるスポーツの有料視聴の場合、安くはない料金を支払わなければなりませんでした。私どもは月額1750円(税抜)で提供しています。

品田:最近驚いたのは、2018年4月5日、中日ドラゴンズの松坂大輔投手が12年ぶりに先発で登板した試合がありました。ファンの注目が高い試合だったのに、東京では中継を見られなかったんです。もしや、と思ってDAZNを見たら、ライブ中継している。これってすごいことですよね。日本のプロ野球11球団のライブ中継が始まったんですね。メジャーリーグで活躍するエンゼルスの大谷翔平選手の試合も見られます。

ラシュトン:日本においては、やはりプロ野球も非常に重要なコンテンツだと、ローンチの当初から意識していました。そして今回、メジャーリーグのみならず、日本のセントラルリーグ、パシフィックリーグの11球団の試合を放映できるようになったことを、大変誇りに思っています。もう放映局がファンに対し、どのスポーツを見るべきかを決める時代ではないと思うんです。よりたくさんのコンテンツを見られる環境を用意し、ファンが自分で選択できることが、我々が目指すところです。
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