1: 名無し@サカサカ10 2018/03/29(木) 18:14:17.83 _USER9


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この試合をどう受け止めるべきなのか――。その解釈が難しい試合だった。
日本代表はベルギー・リエージュでウクライナ代表と親善試合を行ない、1-2で敗れた。マリ代表と1-1で引き分けた試合と合わせ、今回のベルギー遠征は1分け1敗。開幕まですでに3カ月を切ったW杯へ向け、期待が膨らむものだったとは言い難い。

 とはいえ、試合内容に目を向ければ、今回のウクライナ戦はマリ戦よりも数段よくなっていた。攻守にアグレッシブなプレーが見られ、選手たちは”サッカーをやっていた”。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の言葉を借りるなら、「敗戦で喜ぶことはできないが、前の試合よりもよかった。悪くないものもたくさん見られた」ということになる。

 しかし、見方を変えれば、試合内容がよくなっていたにもかかわらず、W杯本大会に出場することもできないウクライナ相手に、完敗を喫したのだ。

 ハリルホジッチ監督は「試合終盤に2、3回チャンスがあった」とし、「ドローに近い試合だった」と結論づけたが、客観的に見て、攻撃機会の数でも、決定的チャンスの数でも、上回っていたのはウクライナのほうだ。ウクライナ代表のアンドリー・シェフチェンコ監督が「セットプレーから1点を献上したが、試合全体を通してボールを支配し、ゲームをコントロールすることができた」と語ったとおりである。

 マリ戦に比べれば、日本はアグレッシブではあった。ハリルホジッチ監督も「より多くボールを奪うことができた」と振り返る。だが、あくまでも”マリ戦に比べれば”であって、実際、勢い込んでボールを奪いにいった瞬間にパスをさばかれ、かわされてしまうシーンも少なくなかった。

 日本の選手はハードワークしていたし、ゴール前では粘り強く守り、大量失点は食い止めたが、相手に脅威を感じさせるほどに、どれだけ狙いどおりの守備(相手の攻撃をコントロールし、できるだけ高い位置で前向きにボールを奪う)ができていたかは疑問が残る。

 そのひとつの証明が、ハリルホジッチ監督が言う「ファーストパス」、すなわち、ボールを奪ったあとの1本目のパスを効果的に使えなかったことだろう。指揮官が語る。

「ファーストパスが重要。ボールを奪ったゾーンから(ファーストパスによって)ゾーンを変えてプレーしなければいけないが、それがうまくいかなかった」

 攻撃と守備は表裏一体。狙いどおりの守備ができなければ、すぐにいい攻撃に切り替えることはできないし、狙いどおりの攻撃ができなければ、すぐにいい守備に切り替えることもできない。ボールを奪うことで精一杯なのだから、奪ったあとに攻撃へ移る準備までできるはずはなく、ファーストパスが効果的に使えないのも当然だった。

 ウクライナは、チャンスの数でたまたま日本を上回ったのではない。守備はコンパクトに、攻撃はワイドに――。サッカーのセオリーにおいて、ウクライナは日本よりも一枚上手だった。

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