1:3倍理論 ★:2018/03/05(月) 19:18:39.14 ID:CAP_USER9.net
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これが米国流スポーツビジネス!急成長するMLSの可能性

NFL、NBA、MLB、NHLに並ぶ第5のメジャースポーツへ。欧州のリーグ、クラブのそれとも異なる運営・経営手法で、着実に階段を上ってきたメジャーリーグサッカー(以下MLS)。2020年にマイアミに誕生する新チームのオーナにはデイビッド・ベッカム氏や孫正義氏も名を連ねる。新たな10年、アメリカの“サッカー”は世界をリードする存在になるかもしれない。世界のビッグネームを惹きつける魅力とは――?

プレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アーセナルと北米資本のクラブが存在感を発揮しているが、アメリカ本土では、アメリカンスポーツビジネスの枠組みでプロサッカーリーグを構築し、NFL、NBA、MLB、NHLと肩を並べる第5のメジャースポーツに成長させようという試みが、20年という時を経てその果実を実らせ始めている。メジャーリーグサッカーである。

セバスティアン・ジョビンコ(左下)擁するトロントFCは2017年シーズン、MLS史上最多となる勝ち点69を記録し、続くプレーオフも制し初優勝を飾った(Photo: Getty Images)

基盤構築の10年→拡大路線の10年

前回アメリカがW杯を開催した2年後、1996年に10チームでスタートしたMLSは、昇格・降格なしのクローズドな独立リーグ、サッカー協会とは独立したプロリーグ団体による中央集権的な運営とフランチャイズ制の採用、ドラフト制やサラリーキャップなどによる機会均等・競争促進的なシステムなど、アメリカンプロスポーツの枠組みに則って運営されている。

注目すべきは、ペレ、クライフ、ベッケンバウアーといったビッグネームを招へいしながら、リーグとしてのインフラや組織基盤が脆弱だったために15年ほどで衰退したかつてのNASL(北米サッカーリーグ)の反省に立って、スタートからの10年はリーグとクラブの経営組織、フランチャイズの地域密着、自前のスタジアム確保などに投資し、リーグとして継続的・安定的に運営できる基盤の構築に専念したこと。ハード、ソフトの両面で土台が固まった2000年代後半の段階で初めて、欧州、南米からのスター選手導入に踏み切って拡大路線に転じるという段階的なアプローチを取った。

その第1号となったデイビッド・ベッカムの獲得に合わせて2007年にサラリーキャップ適用外の特別指定選手枠(1チーム最大3人まで)を導入すると、その後はティエリ・アンリ、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、アレッサンドロ・ネスタ、カカー、ディディエ・ドログバ、アンドレア・ピルロといったワールドクラスのトッププレーヤーも、キャリアの最後を飾る舞台としてMLSを選択するようになった。

この顔ぶれを見ると、いわゆる“年金リーグ”のようにも見られがちであり、実際に現時点ではそうした側面も強い。しかし、2015年にユベントスから当時まだ現役のイタリア代表だった28歳のセバスティアン・ジョビンコがトロントFCに移籍し、1年目に33試合で22ゴール16アシストを記録して得点王に輝き、以降もMLSのトップスターとして活躍を続けるなど、流れは少しずつ変わってきた。現在もニコラス・ロデイロ(ウルグアイ、シアトル・サウンダーズ)、ジオバニとジョナタンのドス・サントス兄弟(メキシコ、ともにLAギャラクシー)などの現役代表がプレーしている。
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