1: 2018/01/09(火) 23:32:47.15 ID:CAP_USER9
蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.4
 
新年早々から各地で最高峰の戦いが繰り広げられる欧州各国のサッカーリーグ。この企画では、その世界トップの魅力、そして観戦術を目利きたちが語り合います。

サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、
サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、
スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎──。

今回のテーマは、リーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)で活躍するふたりの日本人選手、乾貴士と柴崎岳。3氏が彼らの活躍の要因を考察します。

――今回は、ラ・リーガでプレーしているヘタフェの柴崎岳と、エイバルの乾貴士というふたりの日本人選手についてお話を伺いたいと思います。
まず、初めてラ・リーガの舞台を経験している柴崎について、お三方はどのように見ていますか?

<小澤> 柴崎については、昨季のシーズン途中に加入したテネリフェ(2部)で結果を残せたことが大きかったと思います。
確かに加入当初は環境に馴染めず、肉体的にも精神的にも厳しい状況だったと思いますが、その苦しい時期をよくぞ持ちこたえてくれた。

僕もスペイン人の知り合いから、カナリア諸島はスペインではない、とよく聞きますが、あそこは地理的にもアフリカ大陸に近くて、風土的にも本土とは異なっています。
そういう難しい環境のなか、半年という短い時間の中で最終的にフィットさせて、チームの昇格プレーオフ出場の原動力となったことは評価に値すると思います。

しかも、シーズン終了後にはクラブのフロントからチームに残ってほしいとまで言われて契約延長オファーも受けています。
結局、個人としての1部昇格を目指して契約満了でクラブを離れましたが、テネリフェでしっかり評価を勝ち取ったことは今季のヘタフェでの適応、活躍につながっていると思います。

<中山> 

僕は1度カナリア諸島に行ったことがありますが、確かにあそこには本土とは異なる風土があると感じました。
だから、むしろ柴崎が初めてプレーしたクラブがテネリフェだったことが、結果的には彼にとってよかったのではないかと思っています。

というのも、常春のカナリア諸島には年間を通して観光客が多く、人々のホスピタリティ精神も高い。しかもテネリフェ島は、ラスパルマスがあるグランカナリア島よりも小さくて、
遠い日本から小さな島にやって来た彼を地元のみんなで手助けしたいという気持ちが、より強かったと思うんです。

本土のクラブでプレーしていたら、もしかしたら最初のつまずきの時にクラブやファンからそっぽを向かれていたかもしれません。でも、テネリフェ島の人々はそうではなかった。
その島全体の期待に対して、最終的に柴崎がプレーで応えることができたことが、間違いなく現在の彼の評価につながっていると思います。

1/9(火) 11:51配信 スポルティーバ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180109-00010003-sportiva-socc&p=1 


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<倉敷> 

僕は、昇格プレーオフにおける彼の印象がとてもよかったと感じています。たとえば日本人選手が海外で挑戦する時、チャンスを生かせる選手と生かせない選手がいますが、
彼はそのチャンスをものにできた。その背景には、彼がどのエリアでプレーして評価されたのかという部分もあると思います。
監督がそれを見つけ出したことも含めて、あの昇格プレーオフでの彼のプレーぶりを小澤さんはどのように見ていますか?

<小澤> 

プレーオフのみならず、やはり貪欲にゴールを狙うという姿勢を見せたことが大きかったと思います。半年間の契約の中で結果と評価を得るためには、やはりゴールすることが最もそれに直結します。
実際、柴崎は左のアウトサイドからゴールやペナルティーボックスに近いエリアでプレーするようになって、右からのクロスに対してもセンターフォワードのようなゴール前の入り方をしていました。
サイドでの仕掛けの局面でも積極性が見えていましたし、とにかく「各局面から結果を出す」ことにこだわるプレーをしていたのが良かったと思います。

それと、監督のホセ・ルイス・マルティは現役時代にセビージャやマジョルカでボランチとして活躍し、スペイン語で「saber jugar(=フットボールを知っている)」選手として高く評価されてきた人物で、
監督としても戦術的にとても整理されたものを持っています。そういう監督のもとでプレーしたことで彼のフットボールインテリジェンスも上がり、ボールを持っていない時の動き、
特に守備の部分では日本でプレーしていた頃よりもアプローチのスピードや複数の相手をつかまえるポジショニングでスケールアップした印象がありますね。

<倉敷> 

やはりアタッカーの選手が現地で評価を得るためには、ゴールは大事ですよね。
特にビッグクラブと対戦した時などの大きな試合でゴールを決め、一気に評価を上げた日本人選手は過去にも少なくありません。

たとえばローマ時代の中田英寿がユベントス戦で途中出場して、ゴールを決めるなど救世主的な活躍を見せたり、
高原直泰がハンブルガーSVに加入したシーズンに当時連続無失点記録を継続中だったバイエルンのGKオリバー・カーンからゴールを奪ったり。

同じように、今季ヘタフェに移籍した柴崎もバルセロナ戦でスーパーボレーシュートを決めて新天地での評価をつかみ取ることができました。

<中山> 

第4節というかなり早い時期に、しかもホームのファンの前でやってのけた。今季は彼にとっては初めてのラ・リーガだったわけですが、
あのゴールは挨拶代わりの一発として、ものすごいインパクトがあったと思いますね。

残念ながらその試合の後半に負傷交代してしばらく戦列を離れてしまいましたが、ファンやメディアはあのゴールがずっと頭に残っていたはずです。
復帰戦となった第15節(2017年12月9日)のエイバル戦で、柴崎が途中交代でピッチに入った時の大歓声は、その証明だったと思います。

――バルセロナ相手にゴールを決めたという点では、エイバルの乾も同じです。
昨季の最終節、カンプ・ノウで2ゴールを決めたことが日本でも大きな話題になりました。その乾について、みなさんはどのように評価していますか?

つづく

引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1515508367

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