1:Egg ★@\(^o^)/:2017/06/25(日) 17:49:17.75 ID:CAP_USER9.net
■結局のところ、長谷部の不在の影響が顕著に出ている…

ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦。「ハリルJAPAN」は、戦術メカニズムが明らかなノッキングを起こしていた。プレーが機能していたのは序盤のみ。それ以後、プレッシングは全くはまらず、最終ラインは相手の攻撃に対してずるずると下がり過ぎ、自ら失点を招いた。そして後半は、完全にシステムの不具合に飲み込まれることになった。

サッカーにおける戦術は、精密機械のような一面がある。どこかの回路に不具合が生じることで、全体に決定的な影響を及ぼす。イラク戦の欠陥は、主に中盤にあったと言えるだろう。中盤が、前線と後衛を繋ぐことができなかった。これによって、チームが機能不全に陥ったのである。

イラク戦での日本代表は、昨年3月のUAE戦や前哨戦のシリア戦で用いた4-3-3ではなく、基本としてきた4-2-1-3(もしくは4-2-3-1)のシステムで挑んでいる。着目すべきは、中盤の構成にあるだろう。アンカー+2人のインサイドハーフというセットではなく、ダブルボランチを選択。遠藤航、井手口陽介のふたりを先発させている。山口蛍、今野泰幸は故障で、万全ではなかったからだ。

おそらく、ダブルボランチという選択は間違っていなかっただろう。4-3-3は、戦術システムとしてうまく作動していない。UAE戦は勝利したものの、中盤のバランスは極端に悪かった。UAEがもうひとつ上のクラスの相手だったら、バックラインの前のスペースを利用され、日本の守備はズタズタに切り裂かれていただろう。

相手アタッカーに食いつき過ぎ、裏の空間を明け渡し、下がり過ぎてしまい、前のスペースで自由にさせてしまった。直前のシリア戦も同様と言える。結局のところ、長谷部誠の不在の影響が顕著に出ている。

長谷部は、前線と最終ラインを繋げる仕事を遂行できる。例えば、CBの前のスペースを埋めるタイミングを捉えるセンスに長ける。判断の質が傑出して高いのは、ドイツ国内リーグや数々の国際大会を勝ち抜いてきた経験にもよるものだろう。また、立ち位置の違いや予備動作、もしくはボールの置き方というディテールで、味方にプレーアドバンテージを与えられる。

■長谷部が戻ってきて、それで十分と言えるかどうか…
 
現在の日本代表には、そんな長谷部の代役は見当たらない。そこで、ハリルホジッチ監督は4-3-3という苦肉の策を絞り出した。しかし、4-3-3は中盤で相手のプレッシャーを受けやすく、相当に練度を高めないと、ラインのコンパクトさを保てない。難易度の高いシステムと言える。

その点、ハリルホジッチがイラク戦で遠藤、井手口のダブルボランチにしたことは次善策だった。もしアンカー+2人のインサイドハーフというセットだったら、もっと酷い破綻が起きていた可能性がある。凡庸なプレーに終始したが、勝点1は積み重ねた。それは「最悪の事態を回避した」と捉えるべきかも知れない。

ただしこのままでは、日本代表は苦しい戦いを余儀なくされることになる。長谷部がいない状況で、どうやって戦うべきか。その方策を見つけ出さなければならない。たとえ長谷部が戦列に復帰したとしても、代役が1人も見当たらない状況は、速やかに改善する必要があるだろう。

それに、世界の強豪と戦う上で、長谷部が戻ってきて、それで十分と言えるかどうか……。禍転じて福となせるか――。現在の長谷部不在は、もうひとつの有効な戦術システムを見つける、絶好の機会とも言える。

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サッカーダイジェスト6/25(日) 14:02配信 文:小宮 良之
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170625-00010000-sdigestw-socc
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