1: 2017/05/31(水) 07:00:40.31 ID:CAP_USER9
ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選での戦いが続くサッカー日本代表。7試合を終えて、5勝1分け1敗の勝ち点16でグループ首位に立っている(2位以内が出場権獲得、3位はプレーオフに回る)。予選は全10試合で、残すところ3試合。6月13日には8戦目のイラク戦が行われる。日本代表のこれまでの戦いをどう評価し、今後に向けては何が必要だと見ているのか、セルジオ越後氏に聞いた。

――6月13日にロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦が行われます(※開催地はイランで代替)。昨年9月、ホームで1-2でUAEに敗れたときは先行きが危ぶまれましたが、今年3月にはアウェーでUAE(2−0)、ホームでタイ(4−0)をそれぞれ下して、グループ首位に浮上しました。日本代表のここまでの戦いぶりをどう感じていますか?

このグループでは日本、サウジアラビア、オーストラリアの力が抜けていて、UAEとイラクはそれよりも落ちます。そしてタイがいちばん下だと思っていたので、最終予選も終盤戦に差し掛かって、ようやく実力どおりの順位に落ち着いてきたという印象です。

では、日本がなぜ、序盤戦で苦戦したのか。それは、そのときのコンディションや調子の良さを評価するのでなく、これまでの実績を重視した選手起用をしたからでしょう。昨年9月に最終予選が始まったとき、本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)、清武弘嗣(当時セビージャ/現セレッソ大阪)といった選手たちは所属クラブで出場機会を得られていませんでした。

彼らはヨーロッパから日本に帰国してきます。ただでさえ長距離移動による疲労や時差ボケを抱えているというのに、試合勘や自信といったものまで欠いている状態で起用したわけです。それでは勝てませんよね。

「旬」な選手の起用がもたらした効果

――実際、日本代表がグッと調子を上げていくのは、久保裕也(当時ヤングボーイズ/現ヘンク)や大迫勇也(ケルン)といった旬な選手たちを思い切って起用し、2−1で勝った11月のサウジアラビア戦からでしたね。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も進退がかかっていて追い込まれたのか、所属クラブで調子の良い選手を思い切って起用しました。続く3月のUAE戦でもJリーグで好調だった今野泰幸(ガンバ大阪)を約2年ぶりに代表に呼び、すぐに起用。すると、今野はUAE戦でMVP級の活躍をして、チームを勝利に導いてくれました。

チームというのはやはり生き物。ですから、新陳代謝を行わなければ、いつしか停滞してバイオリズムは下降していくものです。最終予選が始まった頃は、"いつものメンバー"が当たり前のように起用されていた。そこに、マンネリの雰囲気を感じていたのは、僕だけではないはずです。

――新陳代謝という意味では、今回のイラク戦に向けて、ガンバ大阪の三浦弦太、柏レイソルのGK中村航輔、浦和レッズの宇賀神友弥、そしてブルガリアのベロエでプレーする加藤恒平といった選手たちが初選出されました。

加藤という選手のプレーは、僕は見たことがありません。ですが、せっかく招集したわけですし、6月7日にはシリアとの親善試合があるわけですから、そこで起用してほしいですね。彼らもなぜ自分が呼ばれたのか、プレーで証明しないといけません。

また、今のパフォーマンスに不満があるということで、常連である森重真人、西川周作、清武弘嗣を外したのは理解できます。でも、それならばなぜ、依然としてミランで出番のない本田が選ばれているのか、選考基準があやふやです。本田の「経験」が必要だというのなら、ワールドカップの本大会で呼び戻せばいいんですよ。

――いわゆる「ベテラン枠」として、ですか?

そうです。本大会なら、これまでワールドカップに2大会出場した彼の経験がチームに生きる場面があるでしょう。でも、予選でベンチに置いておくのなら、ほかの選手に経験を積ませたほうがいい。たとえば、J1で結果を残している興梠慎三(浦和レッズ)や小林悠(川崎フロンターレ)らを呼んだほうが、戦力としても、チーム内の競争を高めるという点においてもいいんじゃないかと思いますね。

東洋経済 2017年05月31日
http://toyokeizai.net/articles/-/173846?display=b
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