1: Egg ★@\(^o^)/ 2015/11/15(日) 12:40:32.75 ID:???*.net
 「決定力不足」。サッカーの記事には、試合内容を表現するこんな常とう句がある。チャンスをつくってもゴールをなかなか奪えなかった時に使われる安易な言葉とも言えるが、日本サッカーの長年の課題と指摘されることも多い。そもそも決定力とは何か、どうすれば克服できるのか。京滋ゆかりのサッカー人に難題をぶつけてみた。

■世界でも課題/得点の形、組織で共有

 京都新聞のデータベースで「決定力 不足」を検索すると、サッカーだけで190の記事がヒットした。Jリーグが開幕した1993年が最初で、児童の大会からワールドカップ(W杯)まで同じ課題を指摘している。最近では、日本代表がシュート23本を放ちながらシンガポールと0-0で引き分けた6月のW杯アジア2次予選が記憶に新しい。
 「夕刊京都」で記事を書いたことをきっかけに記者になった現役最年長のサッカーライター賀川浩さん(90)を訪ねた。「決定力?フットボールはゴールすることを競う。試合を決める得点力のことですな」。そう切り出した賀川さんは「日本に決定力がないと言うけど、世界を見てもどれだけあるのか」と、点が入りにくいサッカーの特質を示し「守備の強化は(戦術面で)進歩するが、攻撃は『誰が出てくるか』という面が大きい」と指摘した。
 「昔のストライカーはゴール前にいたら良かったが、今は守備もやらないといけない」。過去と比べ、攻守とも組織化されて、一人で得点しにくくなっていると指摘するのは、「なでしこジャパン」のコーチだった望月聡・びわこ成蹊スポーツ大教授(51)=写真右=だ。
 望月教授も「(ゴールするのは)その人の感性や能力に頼る部分が大きい」とした上で、決定力を上げるためには▽映像などを見てゴールが生まれる理屈をきっちり理解する▽チームとして得点する▽実践的トレーニングを積む-ことの重要性を指摘した。選手たちがゴールの生まれやすい理論を共有し、前線の数人で得点するチームをつくり、その中でゴールする人が結果的にストライカーになる、との考えだ。
 同じ考え方なのが、日本代表コーチも務めた元京都サンガ監督の大木武さん(54)=同左=だ。「『誰が』というより『どうやって』点を取れるかにフォーカスして、決定力につなげるようにした方がいい」と、個人よりも、組織としての成熟度を上げる必要性を提言する。
 どうしたらGKを抜いてシュートが打てるか。その前に相手DFの背後をどう取るのか。「そういうイメージをチームで共有できるかは大事。『誰が取るか』にフォーカスされると、相手はその選手を抑えればいいとなり、特定の選手の調子に左右される」
 賀川さんは「決定力不足は日本の国民性と関係あるのか」という質問に「評論家はそうやってすぐ国民性と結びつけたがる」と一笑に付した。「一番大事なのは、ゴールに向かって蹴ることができるか。その点、釜本邦茂はボールを『たたく』のがうまかった。1試合のシュート数は10本ほどで、うちFWなら3、4本打てればいい。決まる確率を考えると、ペナルティーエリア内でのシュートの反復練習を繰り返すしかない」と語った。

>>2以降につづく

京都新聞 11月15日(日)12時22分配信
⇒“決定力不足” 克服への道 京都・滋賀のサッカー人に聞く(京都新聞)

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