1: YG防衛軍 ★2017/02/16(木) 19:32:19.85 ID:CAP_USER9
天下のレアル・マドリーの全員が互いのことを思い、一丸となってプレーする、とても印象的な姿だった。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を11度制覇している白い巨人は、チームワークよりも強烈な個性を持った選手の集まりとしてここ数年語られてきた。しかしナポリとのゲームでは、スターが独善的なプレーを見せることはなく、そういったイメージを忘却の彼方へと葬っている。

マドリーは、強力な攻撃陣を誇るナポリを間違いなく警戒していたことだろう。それはリーグ最大のライバルであるバルセロナが前日にパルク・デ・プランスでパリ・サンジェルマン(PSG)に0-4で大敗した衝撃を受け、より現実的な脅威となっていたに違いない。

「CLの舞台で楽な試合などはない。」これはしばしば用いられる決まり文句のようなものだが、来るべきイタリアでの第2戦に向けて、ジネディーヌ・ジダン監督は選手たちにこの勝利の重要性を語ることだろう。試合前、サポーターたちはモザイク画でこのようなメッセージを選手たちに送っていた。「共に行こう。俺たちを止められるものなどない」と。

だが、そのメッセージとは裏腹に試合を先に動かしたのはナポリであった。ロレンツォ・インシーニェが放った30メートルを超えるロングシュートは、前に出ていたGKケイロル・ナバスがわずかに届かず、ゴール右隅に収まった。

先制はされたが、ここでパニックになる必要はない。それはピッチに立っている11人が誰よりも理解していた。マドリーはその後も慌てることなく集中してプレーし、リーガで不調が心配されるFWカリム・ベンゼマが、DFダニエル・カルバハルからの素晴らしいパスから豪快なヘディングを決め、同点に追いついた。フランス人ストライカーは今シーズンまだリーグで5ゴールしか決めておらず、批判の声も上がっていたが、CLの舞台では4試合連続でゴールを決め、同国の英雄ティエリ・アンリ氏の欧州カップ戦通算51ゴールという偉大な記録に並んでいる。

またベンゼマは前半終了間際にも得点のチャンスを迎えた。ゴール手前ワイドの位置からシュートを放つと、直後には圧巻の股抜きヒールパスも披露してみせた。追加点こそ決められなかったものの、偉大であり、時にはおちゃめなプレーもしてみせるその姿に、「あれこそがカリムだ」とファンは彼に喝采を送った。

FWクリスティアーノ・ロナウドは後半開始直後に決定機を迎えた。ポルトガル出身のバロンドーラーはCLでかれこれ500分以上得点をあげられていなかったが、この日の彼はアシストで輝きを放った。DFカリドゥ・クリバリを抜き去り、右サイド深くから折り返す。完璧なお膳立てを決めたのがトニ・クロースだった。ドイツ代表MFのまるでゴールへのパスのようなシュートが決まり、マドリーはハーフタイムが明けてわずか5分で、2-1と逆転に成功する。

そして55分、コーナーキックからのセカンドボールに反応したカゼミロが、スタジアムを総立ちにさせるような豪快なシュートをたたき込み、チーム3点目を記録した。このスーパーゴールは、トップチームで81試合に出場しているカゼミロにとってまだ3ゴール目にすぎないのだが、誰より誇らしいゴールになったことだろう。

まさにジダン監督がチームに求めていたものをこの日レアルは体現していた。

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