1: 2017/01/25(水) 16:08:11.04 ID:CAP_USER9
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「鹿島MF柴崎岳のスペイン、ラス・パルマスへの移籍は秒読み」日本では、各メディアでそう報じられている。 スペイン大手スポーツ紙「MARCA」などの記事を基に、その「筋読み」は構成されている様子だ。

パリSGのアタッカー、ヘセ・ロドリゲスの獲得交渉が暗礁に乗り上げ(高価すぎる)、 その代わりの「Bプラン」として「レアル・マドリーに2得点した柴崎に切り替えるのでは」と。

もっとも、日本国内の記事はずいぶん「先読み」し、 「交渉は大詰めで移籍秒読みとなっていて27日には契約」と報じられたものだ。

先日、ラス・パルマスの現場に探りを入れたところの答えは明白だった。
「まったく聞いていない。その選手のことを知らなかった」

■煙の正体

ラス・パルマスのフロントがなにを狙っているか、もしくはなにも考えていないか。定かではない。
しかしそもそも、最初に報じられたスペイン大手スポーツ紙「as」の報道の訳は、日本では微妙に変化していた。

正しくは「クラブがオファー」ではない。「(柴崎サイドから)クラブにオファーがあった」と書かれていた。 つまり、柴崎の代理人を通じ、「柴崎はどうか」という打診があったに過ぎない。

MARCAはクラブも興味を示し、「気に入った」としているが、実はクラブの見解は詳しく示されていない。 「好きだ」と告白したら、「嫌いではないし、いい人だと思うよ」と返事したのを、周りが「付き合っちゃえよ」とはやし立てているのに近いのだ(一方でラス・パルマスは複数の他の選手にラブコールを送っている)。

移籍マーケットが開いた時期、こうした噂をやりとりする商売をスペインでは「vende humo」(煙を売る)と呼ぶ。真偽は怪しくても、噂(煙)を売るのだ。
その証拠に、asでは柴崎の写真が金崎夢生だったし、MARCAも左利きと柴崎を紹介している。プレーダイジェストを見て、左足で2本シュートを決めたからか。

地元紙「ラス・プロビンシアス」も柴崎をウィングと適当に報道。今どき、youtubeでも確認できるようなプレーを確認もしていない。 言い換えれば、現地メディアにとって「話としては面白いから煙は売るが、交渉の信憑性が低い」ということだろう。)

ラス・パルマスが市場で求めているのは「得点力のあるセカンドストライカーで、サイドもできる選手」である。 スピードがあって、独力で打開、もしくはフィニッシュする能力の持ち主。その点、ヘセは適役だった。

フロントが最優先で交渉しているのは、その条件に合ったアルゼンチン人アタッカーのホナタン・カジェリ(ウェストハム)、エルナン・トレド(フィオレンティーナ)の二人。 さらに昨日は、バルサがパスを所有する左利きのサイドアタッカー、アレン・ハリロビッチ(ハンブルク)と「契約間近」の報道が出た。

一方で課題は、夜のクラブでの飲酒事件が続くなど規律違反が絶えないFWセルヒオ・アラウホの放出だ。 AEKアテネ移籍成立が秒読み(実はアラウホは柴崎にとってはキーマンで、この移籍が成立すると3つの外国人枠の一つがようやく一つ空きが出る。ただ、交渉しているのはアルゼンチン人選手で)。

柴崎はあくまで、マドリー相手の2得点という評判のみが先行している印象である。それが煙の正体だろう。

つづく

1/25(水) 11:15 小宮良之 | スポーツライター
http://bylines.news.yahoo.co.jp/komiyayoshiyuki/20170125-00066962/
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