1: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ 2015/11/09(月) 20:59:53.59 ID:???*.net
 耐え、しのいだ先にチャンスが広がっていることを彼らは知っている。言い換えれば、
したたかさや老獪(ろうかい)さと見ることもできる。今季のサンフレッチェ広島は、勝ち方を知っている――
まさにそんな勝利だった。
 11月7日に行なわれたJ1セカンドステージ第16節で、広島がガンバ大阪に2?0と快勝。
年間1位の座とステージ優勝は最終節まで持ち越しとなったものの、J1最少失点を誇る今季の戦いぶりを象徴するような、盤石の試合運びでタイトル奪取へ王手をかけた。
 指揮官の森保一監督が、「前半は押し込まれる展開も多かった」と振り返ったように、序盤から広島が主導権を握っていたわけではなかった。開始直後はガンバの攻撃にやや翻弄された。前半15分には、ガンバの左サイドバック・藤春廣輝がオーバーラップして、MF宇佐美貴史に縦パス。そのまま宇佐美にDFの裏へと抜け出され、決定的な場面を作られた。
 しかしそのピンチを、GK林卓人がファインセーブ。「立ち上がりから何度かピンチがありましたけど、あそこで卓人さんが防いでくれたのが大きかった」と、DF塩谷司が強調した1プレーで切り抜けると、徐々に盛り返していった。
 前半22分には、左サイドからMF清水航平が中央へクロス。ボールは逆サイドに流れるも、MFミキッチからMFドウグラスにつないで、ドウグラスからのパスを受けたFW佐藤寿人が好機を得た。
28分には、ドリブルで持ち上がったMF青山敏弘からドウグラスがパスを受けてシュート。
さらに30分には、塩谷が積極的な攻撃参加を見せて、最後は自らフィニッシュを放つなど、人数をかけた攻撃で再三チャンスを演出し、リズムをつかんでいった。

 そうしてゲームを支配し始めた広島が、先制ゴールを奪ったのは後半10分。ペナルティーエリア手前でFKを得ると、ドウグラスが直接決めた。
 以降、巻き返しを図るガンバも前がかりになって攻め込んできたが、広島は持ち前の守備力でその攻撃を封鎖。
反対に終了間際の後半44分、少ないチャンスから追加点を挙げて試合を決定づけた。細かいパス交換から、最後は右サイドのスペースに走り込んできた清水が豪快に右足を振り抜いてネットを揺らした。
 チャンスは両チームにあった。だが、決めるべきところを決めたのが広島だった。森保監督が語る。

「勝因は、どちらにも決定機があった中で、我々のほうがビッグチャンスをしっかり決めた、ということ。それと、全員で体を張って相手の攻撃を防いで失点をゼロに抑えた。それが、結果につながった」

 堅実な守備に関しては、2点目を決めた清水がこんな話をしていた。

「守備の時間が長いときも、押し込まれているという感じはなく、(こちらが)チャンスをうかがっているという感覚でプレーできている。自分たちでうまく守れているという意識があるから、攻撃に転じるときは思い切って飛び出していける。どこかで必ずチャンスが来る、という考えをチームとして共有できているんです」

 たとえ相手に押し込まれていても、広島の選手たちは劣勢にあるとはまったく考えていない。
逆に、守りながら攻撃の準備をしているというのだ。要するに、それだけ守備には絶対の自信を持っているわけだが、そこに今季の広島の強さであり、安定感がある。

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