1: 2017/01/04(水) 19:41:04.19 ID:CAP_USER9
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ブンデスリーガ第16節終了時点でのプレータイムは計144分。アウクスブルクのフィールドプレーヤーでは19番目に短い時間で、ゴールとアシストはまだ一つも記録していない。3シーズンぶりとなった宇佐美貴史のドイツ挑戦は、周囲の予想以上に難しいものになっている。厳しい見方をしなくても、ファンの期待の半分にも応えていない状況だ。

スタートは悪くなかった。アウクスブルクと2020年6月までの契約にサインした2日後、4部クラブとのテストマッチでいきなり得点をマーク。その後も順調にプレシーズンを過ごし、シュテファン・ロイターSDからは攻撃のクオリティーを称賛された。ただし、開幕前の定位置確保はならず。今季初の公式戦であるDFBポカール1回戦のラーベンスブルク(5部)戦では、最初から最後までベンチを温め続けた。

ドイツ“再”デビューを果たしたのはその8日後だ。本拠地WWKアレーナにヴォルフスブルクを迎えたリーグ開幕戦で81分から出場し、12-13シーズンの第26節以来1260日ぶりとなるブンデスリーガのピッチに立ったのだ。1点ビハインドの状況で投入された事実を見れば、ディルク・シュスター監督(当時)の宇佐美への期待は窺えた。肝心の結果は伴わなかったが、本人も「ひとまず出られて良かった」と安堵した様子だった。

しかし、ここから一気に状況が悪化する。第2節のブレーメン戦でベンチから外れると、続くマインツ戦は出番なし。第4~5節はふたたびベンチメンバーに入れなかった。その要因の一つとして指摘されたのが、疲労の蓄積だ。Jリーグのファーストステージをフルに戦い抜き、ほとんど休みなしの状態でプレシーズンキャンプに参加。開幕戦直後には日本代表招集に伴う長距離移動を余儀なくされたため、ロイターSDは「疲れの影響で調子を崩した」と分析していた。

宇佐美に運がなかったのは、この時期にケガを負ってしまったこと。3試合ぶりにベンチ入りする予定だった第6節のRBライプツィヒ戦直前に、右足首の腱を痛めてしまったのだ。この負傷により、第7~8節とDFBポカール2回戦も欠場。ケガが癒えてもなかなか出番に恵まれず、第11節のケルン戦でようやく今季2度目の途中出場を果たした。

不遇をかこった理由はもう一つある。指揮官が守備時におけるフィジカル面の不足を問題視していたのだ。ダルムシュタットを率いていた頃から守ってなんぼのサッカーを志向してきたシュスター監督は、アタッカーにも例外なく水準以上の守備力を求めていて、宇佐美が自身の要求レベルに達していないと見なしたわけだ。

シュスターがいかに守備を重んじていたかは、左サイドバックが本職のフィリップ・マックスをしばしば2列目のサイドに配していた事実からも分かるだろう。個人の特性を存分に発揮させることより、とにかく組織を優先する指揮官の下で、前半戦の宇佐美はチーム戦術の犠牲になったと総括できるのではないか。

そんな姿を見ていて思い出したのは大迫勇也だ。堅守とロングボール主体というケルンの戦術、不慣れな右ウイングに配される起用法に適応するのが精一杯で、昨シーズンの彼は持ち味をほとんど発揮できなかった。それでも腐らずに練習に励み、周囲との相互理解を深めていった結果、チームの攻撃意識がやや強まった今季は、中心選手の一人として好パフォーマンスを見せるようになっている。

ロイターSDが太鼓判を押す攻撃のクオリティーを備えた宇佐美が、大迫のように飛躍できない理由はない。決して相性の良くなかったシュスター監督は第14節終了後にチームを去った。宇佐美の真価が問われるのはここからだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170104-00000012-goal-socc
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