1:YG防衛軍 ★@\(^o^)/:2016/12/21(水) 19:05:58.80 ID:CAP_USER9.net
2016-17シーズンが開幕した夏以降のみを判断材料にするなら、もっと上の順位に収まっていたはずだ。それほど今季の大迫勇也は充実した働きを披露している。ブンデスリーガ第14節終了時点の成績は14試合出場(13先発)・2ゴール・3アシストと、とかくゴール数で評価されがちなFWにとっては物足りない数字だ。常日頃から「誰よりもゴールを決めたい」と口にしている本人も納得していないだろう。しかし、ケルンファンもドイツメディアも、大迫の“数字に表れない貢献”に目を細めている。

現代を生きるFWには必要不可欠である献身的な守備は言わずもがな、特筆すべきは前線で攻撃の起点となり、チャンスを作り出すプレーが多くなったこと。2ライン(DFとMF)間で味方のパスを引き出しては、巧みなボール扱いと鋭い反転で前を向き、敵の急所を抉るようなスルーパスやミドルに持ち込んでいる。相手に素早くチェックされても、あっさりボールロストするのは稀。一つひとつのプレー精度が高まると同時に、チームメイトとの相互理解が深まり、いまやケルン攻撃陣に欠かせない存在になった。味方の決定力がさらに高ければ、アシストの数はもう少し増えていただろう。

もともとチーム内での評価は上々だった大迫に対する“外”からの見方が変わったのは、2ゴールのインパクトが大きかったからでもある。失点直後にエリア外から豪快に叩き込んだ第4節シャルケ戦での一発も、相手を背負った状態から反転して前を向き、角度のないところからネットを射抜いた第5節RBライプツィヒ戦での一撃も、大迫の確かなクオリティーに裏打ちされた鮮烈弾だった。その頃、ドイツ人の知人はこう話していた。

「大迫がゴールを決められることは分かった。それもスーパーな、ね。だから、今はゴール以外の貢献にも冷静に目を向けられるんだ」

日本代表ではどちらの長所もあっさりと見せつけた。約1年5ヵ月ぶりの国際Aマッチ出場となった11月11日のオマーン戦で、いきなり2ゴールと爆発したのだ。4日後のロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のサウジアラビア戦では得点こそ奪えなかったが、最前線におけるボールの収め所として抜群の機能性を示し、グループリーグの難敵撃破に貢献。逆風に晒されていたハリルジャパンに希望の光を差し込んだ。

クラブシーンでフル稼働しているうえ、長距離移動を余儀なくされる日本代表への参戦で疲労は蓄積しているはずだが、大迫のパフォーマンスレベルが下がるような気配はない。むしろ万能プレーヤーとしての幅も広げていて、ブンデスリーガ第12節のアウクスブルク戦では後半途中から2ボランチの一角でプレー。主力に負傷離脱者が相次ぎ、戦力のやり繰りに苦しんでいるペーター・シュテーガー監督の信頼に応えている。

充実一途の大迫は10月下旬、今シーズン限りで切れる予定だったケルンと2020年夏までの新契約を結んだ。クラブ公式サイトの発表によれば、その理由は「このクラブに居場所を見つけたから」だ。その本人の意向はともかく、現在の調子を維持したままシーズンを終えるようなら、魅力的なオファーが舞い込む可能性は十分にあるだろう。年間のゴール数を二桁に乗せた暁には、ビッグクラブへの扉が開くかもしれない。

もちろん、突如としてスランプに陥り、バックアッパー降格の危機に瀕するケースも考えられる。ただ、なかなか先発出場の機会に恵まれず、ピッチに立てても不慣れな右サイドハーフでの起用が多かった昨季も腐らずに練習に打ち込み、今季の飛躍に結び付けた大迫なら、何度でも“居場所”を取り戻すべく這い上がれるはずだ。

ケルンU-21でGKコーチを務める田口哲雄氏は「大迫くんは芯の強い選手ですよ。ドイツ語も問題ありません」と、そのパーソナリティーにも太鼓判を押す。その田口氏やシュテーガー監督、公私ともに仲の良いヨナス・ヘクターら良き理解者にも恵まれ、さらなる飛躍の予感を漂わせる大迫は、はたして来年の『Goal 25』で何位につけるだろうか。シーズンを通しての安定した活躍とゴール数の増加に期待したい。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161221-00000024-goal-socc
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