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1:Egg ★@\(^o^)/:2016/12/06(火) 21:09:49.02 ID:CAP_USER9.net
さいたまスタジアムは、最寄り駅である浦和美園駅から、徒歩で30分近く離れた場所にある。アクセスの悪さこそが、このスタジアム最大の問題。勝ったチームはともかく、負けたチームのサポーターにとってその帰路は、オケラ街道さながらの憂鬱な道のりになる。

チャンピオンシップ決勝第2戦。その終了後、家路を急ごうと駅を目指して早足に歩けば、敗者となった浦和サポーターのこぼす愚痴の数々が、否応なく耳に入り込んできた。

「このサッカーでもし勝っても、なんか嬉しくないんだよね、俺は」。印象に残ったのはこの台詞。サポーターの間で、サッカーそのものへの不満が燻っていることは、この30分弱の道のりを行くだけで、かなり鮮明になった。

浦和と鹿島。勝利が順当な結果に見えるのは浦和だ。その2015年の売り上げは約61億円。2位FC東京に約14億円差をつけ断トツの首位を行く。鹿島は43億円で17億円差の5位。2015年に限った話ではない。浦和の断トツリードは、もう何年も続く傾向だ。

試合後、チャンピオンシップのレギュレーションに対する不満を口にしたペトロヴィッチ監督。だが、他のどの監督より、恵まれた環境下に置かれている自覚がないはずがない。常勝軍団であるべきだとは言わないが、予算規模断トツチームに相応しい、王道を行く、世俗的ではない超然としたサッカーを示す任務が監督にはある。日本サッカーのためにも。そうした視点で決勝戦を眺めると、浦和のサッカーが、とてもみみっちく見えた。

カシマスタジアムで行われた第1戦。1-0でリードした浦和は、後半の途中から、攻撃の手を緩めた。追加点を狙いに行くことより、1-0を維持しようと、後ろに下がった。それまで、上手にサッカーを進めていたのは浦和。浦和は、自らの手でよい流れを止めた。

後半29分に行われた武藤と青木の交代、言い換えれば、アタッカーを落とし、守備的MFを投入する交代は、「より守備的に」というペトロヴィッチからのメッセージに聞こえた。瞬間、危ないと思わずにはいられなかった。

アウェイゴールルールで行われるこの決勝戦。年間チャンピオンチームが有利になるのは、そのルールに照らしても同点になる場合のみだ。ユーロや欧州チャンピオンズリーグの決勝トーナメント等々を眺めれば、PK戦に及ぶケースはせいぜい10%程度。第2戦の試合後、アドバンテージの程が少なすぎると、不満を漏らしたペトロヴィッチ。だが、それは最初から分かっていたはずだ。問題は、それを知っていたにもかかわらず、積極的にアウェイゴールを狙いに行かず、守りを固める“穴熊戦法”にすがった点にある。

もし浦和が2-0にすることができれば、鹿島は第2戦で3点以上が必要になる。浦和優勝の可能性はグッと増す。逆に1-1に追いつかれても、アウェイゴールルールと、2戦の合計がオールスクエアになっても浦和勝利という、2つのアドバンテージが残る。そこでの1得点は通常の1得点より、はるかに貴重であるのに対し、1失点は、通常の1失点よりショックの程が低い。

そうした好条件にもかかわらず、守りに入ったペトロヴィッチ。「攻撃的サッカーだ!」と、これまで胸を張るシーンに何度か遭遇しているが、実際には、その真反対に位置するサッカーであることが、白日の下に晒された瞬間だった。

つづく

2016年12月6日 10時7分 杉山茂樹のBLOG
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/12377954/
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