1: YG防衛軍 ★@\(^o^)/ 2015/10/30(金) 17:26:31.23 ID:???*.net
 圧倒的な技術と得点感覚を武器に、セレッソ大阪でJリーグを席巻した柿谷曜一朗。“ジーニアス(天才)”とも
称された彼は今、どのような状況にあるのだろうか。なかなか活躍の報が入ってこない柿谷の現在地を確認するために、
彼が所属するスイス・バーゼルへと足を運んだ。

 10月22日のヨーロッパリーグ(EL)・グループI第3節、バーゼルは本拠地であるザンクト・ヤコブ・パルクに
ベレネンセス(ポルトガル)を迎えた。彼らは早い時間帯に先制するも、ミスによるカウンターから2失点し、
手痛い敗戦を喫した。この試合で出場が期待された柿谷はまさかのベンチ外。直近のスイス・スーパーリーグ
3試合(10月1日=レフ・ポズナン戦、4日=チューリッヒ戦、18日=シオン戦)では控えに名を連ねていただけに、
本人にとっても悔しい扱いだったに違いない。

 その翌日、朝10時過ぎからのトレーニングに彼の姿があった。バーゼルの選手はスタジアムから自転車で
練習場に行き来しており、柿谷もペダルをこぎながら颯爽と登場。明らかに体つきが一回り太くなったように見える。
セレッソ大阪時代は67、68キロだった体重が、スイスに渡ってから70キロに増加。厳しい球際や
フィジカルコンタクトに耐えられる強さを手に入れたようだ。

 彼はこちらを見るなり「取材に来るの、今日やったっけ?」と驚いた表情でこう言った。そして
「最近、誰も来ないから、ついに俺も終わったと思ったけど」と冗談交じりにつぶやきながら、
スイス代表MFルカ・ズッフィとともにランニングを開始した。

「カキタニとルカは同い年で親友なんだ。いつも一緒にいるよ」と地元紙『Basler Zeitung』のドミニク・ウイリマン
記者が言うほど、2人の仲の良さは周囲によく知られている。日本を離れて約1年半、仲間と意気投合した柿谷は、
すっかり異国の環境に馴染んでいる様子だった。そういう雰囲気だけに、試合出場機会がもっと増えていいはず。
ここまでリーグ戦4試合出場というのはあまりにも少なすぎる。

 とはいえ、今シーズンから指揮を執るウルス・フィッシャー監督はシーズン当初、柿谷に少なからず
期待を寄せていた。キャンプから猛アピールを見せた彼は7月19日、ファドゥーツとのリーグ開幕戦で
ついにスタメンの座をゲット。「4-2-3-1」の右サイドで出場し、後半33分にはダメ押しとなる2点目を奪い、
いきなり初ゴールを挙げることに成功した。

 最高のスタートを切ったかに見えた柿谷だったが、直後にアクシデントに襲われる。キャンプ中から
痛めていた左足打撲が急激に悪化し、プレーできない状態になってしまったのだ。これで約1カ月間の
戦線離脱を余儀なくされ、その間に加わった新戦力にポジションを奪われてしまう。その後もケガを繰り返す
悪循環に陥り、「こんなにかってくらいケガが多い。こういう状況はプロになって初めて」と本人も戸惑いを
隠せなかった。

 10月に入ってから3戦続けてベンチ入りしたが、「ケガ人が多いから、それで繰り上がっただけ。
俺だけ一度もアップしてない」という厳しい状況。ベレネンセス戦から中2日で行われた10月25日の
ヤングボーイズ戦もやはりベンチ外。悔しいことに、ピッチに立つチャンスは日増しに遠のいている印象だ。

 フィッシャー監督は開幕前後の時期こそ「攻撃は自由にやっていい」と特に指示をしなかったようだが、
ここ最近は練習中に「どんどん前へ行け」と強く要求してくるという。23日のトレーニング中に行われた
6対5のクロス&シュートの練習でも、柿谷は強引なドリブル突破に繰り返しトライし、
ゴールに結びつけようとしていた。

「サッカーは状況次第。もちろん行ける時は行くけど、ムリヤリに行けと言われても難しいところがあるよね。
今はそういうスタイルに合うタテにガンガン行けるやつが使われることが多くて、少し面白くないなと感じる。
要求に合わせることも大事やけど、やっぱり自分のプライドは失いたくないから」

 揺れ動く胸中をこう吐露した柿谷だが、それでも監督と英語でマンツーマンのミーティングを行うなど、
コミュニケーション力は着実にアップしている。練習時は今も通訳が帯同しているが、ピッチ上で彼の手を
借りる必要はほぼなくなったという。ツッフィのみならず、他のチームメートとの関係も至って良好。
練習後に柿谷を見かけた18歳のスイス代表FWブリール・エンボロとアルバニア代表MFのタウラント・ジャカの
2人が「カキ~」とうれしそうに寄ってきて、じゃれあっていたほどだ。

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