1: 2016/08/07(日) 16:48:08.94 ID:CAP_USER9
ナイジェリア戦の「4-5」というショッキングな敗戦から一夜明け、昼間にはミーティングによって失点シーンの分析がなされた。選手たちの頭のなかも整理されて切り替えられたようで、前日とは打ってかわって表情は一様に明るい。

 試合に出場したフィールドプレーヤー11人(スタメン+浅野拓磨)は、ランニングやストレッチといったリカバリーメニューに終始。試合に出場しなかったフィールドプレーヤー6人に出場時間の短かった矢島慎也、鈴木武蔵を加えた8人は、6対2の”鳥かご”や3対3のミニゲームなどを行ない、汗を流した。

「『耐えて勝つ』ってことを言い過ぎた部分もあったかもしれない」

 手倉森監督がそうつぶやいたのは、ナイジェリア戦後のミックスゾーンでのことだった。

「耐えて勝つ」というのは、今大会で日本代表が掲げているテーマのひとつ。前半は粘り強く守り、相手の隙が生まれる後半に勝負をかけるという狙いが、そこに込められている。もともとアジア最終予選のときから「堅守速攻」を武器にしてきたチームだけに、その考え方自体は間違っていないだろう。

 だが、問題なのは、その「耐え方」だ。

 ナイジェリア戦でも、ブラジルとの親善試合でも、「耐える」を意識するあまり、どうも前半の戦い方が消極的だった。自陣で守備ブロックを敷いて耐えようとするから、DFがゴール前で1対1に晒(さら)されやすい。

「前半は守って後半勝負」のゲームプランが刷り込まれていくなかで、前半、引いて守る意識が強すぎるのではないか――。

 そんな質問をMF原川力にぶつけると、彼はこくりとうなずいて、言葉を発した。

「そうですね。僕も正直、(耐えるという言葉に)引っ張られたというか、その意識(耐える=引いて守る)になっていたんです。でも、待つだけが耐えることじゃない。今日、映像で改めて確認しましたけど、(インサイドハーフだった)僕と(大島)僚太くんが相手のボランチにもっと行ってよかった。相手にボールを持たせ過ぎてしまった。待っているだけじゃなくて、取りに行く守備をもっとしないといけなかったです」

 アジアでの戦いにおいては、引いて守っても耐えられた。しかし、世界ではそうはいかない。そんな現実を痛感させられたのが、親善試合のブラジル戦であり、ナイジェリア戦だった。

「そこがアジアとの差だと思いますし、それを初戦で実感できたことがプラスだと思うので、第2戦で修正していきたいと思います」

 開始6分での失点を皮切りに5点を奪われ、ディフェンスライン崩壊に追い込まれたナイジェリア戦。もちろん、1対1で簡単にやられたり、ミスを犯したりするのはDFの責任だ。しかし、1対1での弱さをいま指摘したところで、コロンビア戦までに劇的に改善されるものではない。別の守備のオーガナイズを探るべきだろう。

そもそもナイジェリア戦では4-3-3を採用し、MF遠藤航をアンカーとして起用したため、いつも以上に重心が低かった。それをたとえば4-4-2へと戻し、原川が言うように、前から積極的にボールを奪いに行くなど、「耐える」にしても工夫がほしい。

 また、先制されてゲームプランが崩れても、戦況に応じて柔軟に戦う必要ある。もともと「柔軟性」こそ、このチームが掲げてきた重要なコンセプトだったはずだが、「耐えて勝つ」を意識するあまり、それが薄れているように見える。DF室屋成が振り返る。

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