1: 2020/05/29(金) 20:52:18.64 ID:bg5SZcep9
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【歴代名手の“私的”技術論|No.7】 

宮本恒靖(元日本代表DF):読みの鋭さや技術で勝負した小柄なCB

かつてフランスでは、リベロは黒人選手のポジションだった。高身長とスピード、パワーを兼ね備えた黒人リベロは失点回避のための保険と考えられていて、代表から草サッカーまでそんな感じだったのだ。1982年スペイン・ワールドカップ(W杯)で活躍したフランス代表のマリユス・トレゾールは、有名なリベロだった

その後、1980年代から黒人選手を攻撃にも活用するようになるのだが、現在のフランス代表のセンターバック(CB)もサミュエル・ウムティティ(バルセロナ)とラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)のコンビである。

 CBにとって空中戦の強さは不可欠。したがって高身長はCBの条件になる。一方で、体の大きな選手はスピードや敏捷性に欠ける傾向もあり、大きさと速さを兼ね備えている人材は限られてくる。フランスで黒人CBが重宝されたのも、大きさと速さを両立させるタイプが多かったからだろう。

 2002、06年のW杯2大会で日本代表のCBを務めた宮本恒靖の身長は176センチ。CBとしては明らかに小柄だ。ジャンプ力があったので空中戦は弱くなかったが、圧倒的なアドバンテージがあったわけではない。宮本の長所は読みの鋭さと統率力、そしてボール技術の高さだった。

 日本代表の歴代CBには、他国と同様に大きな選手が多い。井原正巳、秋田豊、松田直樹、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、吉田麻也(サンプドリア)など、平均的な日本人よりはるかに大きな選手たちがCBを務めてきた。しかし一方で、宮本や今野泰幸(ジュビロ磐田)のような小柄なCBもいる。

 2002年日韓W杯の日本は、フィリップ・トルシエ監督が率いていた。当時「フラット・スリー」と呼ばれて有名になった3バックの中央が、宮本のポジションだ。

 3バックはフラットの横並び。3人がセットになって細かくラインコントロールをすることで、全体の陣形をコンパクトに収めるのが戦い方のベースになっていた。圧力調整役の3バックのラインは高く、相手を引き込まないことが前提。大きさよりも機敏さ、パワーよりスピード、そしてボールを失わない技術にウエートが置かれた選考になっていた。フラット・スリーの統率者として、宮本のライバルは森岡隆三だったが、森岡が日韓W杯初戦のベルギー戦(2-2)で負傷し、以降は宮本が3バックの中央に入る。宮本も大会前に鼻骨を骨折していたのだが、フェイスガードをつけて奮戦した。

5/29(金) 20:25
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200529-00264302-soccermzw-socc 


CBのタイプとチーム戦術の相性 

 2006年、宮本はキャプテンで不動のCBになっていた。ジーコ監督はトルシエ前監督の守備戦術をリセットしている。緻密なラインコントロールは破棄され、それに伴ってハイプレスもなくなった。守備戦術としてはジーコのほうがオーソドックスだったが、それが問題を引き起こしたと言っていいだろう。

 プレッシングを最初に日本代表に導入したのは、加茂周監督だった。少し間を置いて、トルシエ監督が復活させている。ただ、トルシエが導入したのも主にDFのラインコントロールで、中盤のライン形成はしていない。どちらもなるべく早く相手をマークしてプレッシャーをかけ、ラインアップするという守備だった。

 ジーコ監督がラインコントロールを破棄してみたら、忘れていた中盤のライン形成のなさが浮き彫りになった。陣形は間延びし、スペースを埋めきれなくなって、06年W杯初戦のオーストラリア戦で1-3と逆転負け。次のクロアチア戦(0-0)でプレスの開始地点を明示すると、中盤のライン形成はできていたので、やろうと思えばできたはずなのに、ジーコがそれに手を付けたのはW杯本番ですでに手遅れだった。

 守備面でジーコ監督時代と似ていたのが、アルベルト・ザッケローニ監督の時だ。どちらも丁寧にパスをつないで押し込み、押し込むことで高い位置で守備ができる。要は攻撃力で守備負担を軽減する、攻撃は最大の防御という考え方である。守備はカウンターへの対処が多いので、DFは高さよりスピードがポイント。宮本や今野のタイプが生きる戦術だったわけだ。

 2018年ロシア大会の日本は、中盤でのミドルプレスをメインにしていた。ミドルプレスは現在の日本にとって生命線と言える。

 引き込みすぎると高さとパワーでやられる。かといって押し込みすぎると、スピードで持っていかれる。ラインは上げすぎず下げすぎず。かつてその整備の後れがネックだったFWとMF6人の連動とライン形成は、今やそれが命綱だ。ここを無視して攻撃力だけで6人を構成してしまうと、まず戦えない。

 チームの守備戦術はCBのキャラクターがかなり関係する。2010年W杯では、中澤と闘莉王のコンビが活躍した。ただ、それ以前はポゼッション&ハイプレスの戦法だったので、カウンターを受けるとスピード不足を露呈していた。CBの特徴を無視して戦術を決められるのは、CBに弱点がない場合だけだ。

 実際、W杯で頂点を目指すなら、CBには完璧さが求められる。そうでないと戦術的に偏らざるをえず、偏った戦い方はよほど抜きん出た力がないと不利になる。宮本の頭脳と技術、今野のスピード、中澤や闘莉王の高さとパワー。今やそれらを兼ね備えたCBが求められている。しかも、1人ではなく2人(または3人)のセットになっていることが条件と言っていい。パーフェクトなCBが揃った時、日本はミドルプレスでないと戦えない状態から抜け出すことができる。


4: 2020/05/29(金) 20:53:20.33 ID:eL39FwjL0
>>1
森岡「俺は無視かい」

6: 2020/05/29(金) 20:53:51.71 ID:ZFKY3i+00
>>4
怪我さえなけりゃなぁ

18: 2020/05/29(金) 20:59:17.49 ID:jONMqovS0
>>1
06ドイツは松田と闘莉王を使うべきだったね

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