1: 2016/04/06(水) 13:15:04.35 ID:CAP_USER*.net
「チャンピオンになれる力があると証明できた」
そこにいたのは、またも浦和の背番号9――武藤だった。

劇的な勝利を収めた4月5日のACLグループステージ、埼玉スタジアムでの広州恒大戦。
前半と同様に、後半も序盤はアジア王者が優勢に試合を進め、徐々に浦和がその隙を突きながら主導権を握り返していった。

迎えた52分、何度もドリブル突破からチャンスを作っていた関根の右サイドからのクロスが、逆サイドにいた宇賀神につながる。 そして宇賀神の「シュートを狙った」というボールが、「ゴール前に詰めていれば、チャンスになると思っていた」という武藤のもとへ飛ぶ。

背番号9は素早く反応。腰を落として相手DFの前に入ってヘディングで合わせ、広州ゴールをこじ開ける。 その瞬間を待ち侘びていた、埼玉スタジアムを真っ赤に染めた情熱的なサポーターの歓喜が爆発する――。

これで今大会通算3ゴール目。日本代表として昨年の東アジアカップで得点王に輝いているが、このACLでも“アジアキラー”ぶりを発揮している。 武藤は頷く。

「押し込んだり、かっさらったり、決して綺麗な形ではないけれども、僕は常にゴールを狙っている。
日本よりも外国のチームのほうが、ルーズな部分があるので、自分の良さを出せているのかもしれない。『今日は行ける』という手応えがあり、ゴールを奪えると思っていた」

武藤が務めるのが、2列目の左シャドーのポジションだ。その左サイドでコンビネーションを高める相手は、流通経済大の先輩にあたるウイングバックの宇賀神。
その“流経大ホットライン”から生まれた渾身のゴールとなった。

「自分はしっかりゴール前に詰めておこうと思った。そこにボールが来たので、ヘッドで合わせた。まあ、(宇賀神の)ナイスパスだったことにしましょう」 そう笑った武藤だが、この勝利はチームに大きな意味をもたらすと実感している。次のように確かな手応えを得ていた。

「一丸となって掴んだ勝利なので、最高に嬉しかった。(前回大会覇者に勝ったことで)チャンピオンになれる力があると証明できた」

「5人をドリブルで抜いて決めても、今日のような形でも、同じ1点。僕はあのゴールを誇りに思っている」

大会主催者が選ぶマン・オブ・ザ・マッチ(MOM=この試合のMVP)に選ばれ、試合後にはペトロヴィッチ監督とともに記者会見に臨んだ。 主催者選定のMOM獲得は、ホームでのシドニー戦に続いて二度目だ(ちなみに本誌選定のMOMは、遠藤航を選んだ)。

その席で、ごっつあんゴールだったが、一方でミドルへの意識も強まっているようだが――といった質問を受けると、次のように答えた。

「昨シーズン決めた13ゴールのなかで、ミドルや仕掛けからのシュートが少なく、新しいゴールパターンを作りたいと思っていた。 ミシャからも『仕掛けてシュートを狙え』と言われてきた。森脇選手や李選手もリーグ戦でミドルシュートを決めていて、レッズは綺麗に崩すだけでないことを示せれば、さらに相手が嫌がると思う」

いやいや、ごっつあんゴールではなく、しっかり狙っていたゴールだったのでは? と問われると、浦和の背番号9は嬉しそうに答えた。

「シュートのこぼれ球は、いつも狙っている。確かにごっつあんゴールかもしれないけど、それも自分らしさ。 5人をドリブルで抜いて決めても、今日のような形でも、同じ1点。僕はあのゴールを誇りに思っている。これからも、あのような多くのゴールを決めていきたい」

泥臭いゴールは、勲章でもある。そして、この日のさいたまスタジアムを包み込んだ興奮と感動が、なによりその1点の価値の重みを証明していた。

「粘り強いサッカーで勝てたことが大きい。この勝利で勢いをつけて、強い浦和レッズを見せていきたい」

hamu

SOCCER DIGEST Web 4月6日(水)11時8分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160406-00010003-sdigestw-socc&p=2
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